生姜は、健康効果がたくさん期待できるとても優秀な食材ですが、その生姜を発酵させて摂取する方法をご存知でしょうか?数年前より注目を集めた発酵玉ねぎに次いで、現在この『発酵生姜』が注目を集めています。生姜を発酵させると、香りと旨味が増すことも期待できますが、ただでさえ多くの健康効果がある上に、さらに効果がアップすると言われています。
今回は、発酵生姜とは?発酵生姜の効果、生姜パウダーについて、発酵生姜の使い方についてご紹介したいと思います。
この記事の目次
発酵生姜とは?
発酵生姜とは、カットしたり摩りおろした生姜を冷蔵庫で2週間程度寝かせてつくる生姜自身の力で発酵させた発酵食品です。生姜は発酵させることで、香りと旨味が増し、料理に使うことで、料理の味にも深みが出ます。また、健康効果もアップし、発酵させることで長く日持ちするようになります。
発酵生姜の作り方もいたって簡単です。
<発酵生姜の製造法>
- お好みの量の生姜をよく洗って水気をふきとった後、輪切り、千切り、みじん切り、磨りおろしなど好みの状態にカット
- 1の他には何の調味料も加えず保存瓶に入れて密閉し、冷蔵庫で2週間保存します
- その間、なるべく動かさないようにして発酵させます(かき混ぜる、出し入れすることなく)
ポイントは、ガラス瓶を熱湯消毒し半日ほどかけて良く乾燥させたものを使うこと。水分が残っていると傷みの原因になります。色が少し濃くなり、発酵生姜の中身がポソポソとした状態になれば完成です。冷蔵室で1年ほど保存ができますので、保存が難しい生姜には、非常に嬉しい保存のし方の1つではないでしょうか。
発酵生姜の効果
発酵生姜は、生姜自体に含まれる成分による素晴らしい効果はもちろんのこと、発酵食品としての効果がプラスされた非常に優れた食品へと変化します。
生姜に含まれている栄養価のアップ、ショウガオールやジンゲロールなどの健康成分の吸収率のアップ、美味しさのアップ、保存性がアップするのも発酵食品の特徴です。
生姜×発酵食品として相乗効果が期待できることとは?
(1)腸内環境の改善
腸内環境を改善する効果は、特に発酵食品の得意分野でもあり、生姜でも得られる効果です。
腸内環境が改善できれば、他にも様々な健康効果を生み出すことができます。
まず、腸内環境が良くなると、便秘や下痢などと言った腸の不調を整えることができます。また、こうした腸の不調が改善されることによって、代謝が上がり、デトックス効果やダイエット効果も期待できます。また、人の免疫の7割は腸に存在すると言われており、腸内環境を改善することで、免疫力の向上も期待できます。他にも、デトックスが進むと、美肌効果なども期待できます。
(2)抗酸化作用による生活習慣病予防効果・アンチエイジング効果
生姜に含まれるショウガオールには、強力な抗酸化作用があります。また、発酵食品には、菌が食品を発酵させ、長期保存できるようになることで、抗酸化力が高まると言われています。人間の体の中では、酸素が体内で食べ物をエネルギーに変化させるときや運動をしたときなど、様々な場面で“活性酸素”が発生しています。活性酸素は、体内のウイルスや細菌などの病原生物を攻撃し、身体を守ってくれるというメリットもありますが、過剰に発生してしまうと肌のシミやシワなど老化が進み、生活習慣病などの原因となってしまいます。抗酸化作用の期待できる発酵生姜を摂取することで、生活習慣病予防効果やアンチエイジング効果が期待できます。
加熱生姜の効果を十分に得るには?生姜パウダーとは?
生姜は、生で食べたり加熱したり乾燥させることで健康効果が異なってくる食材です。特に生姜を摂取することで身体を温める効果や冷え性改善を目的とする場合、生の生姜に含まれるジンゲロールでは、身体の深部は温まりません。血行促進の効果により発汗作用が強まるため、熱を下げてしまいます。市販されているチューブタイプのものも同様です。
生の生姜に含まれるジンゲロールは、加熱することで、身体を温める効果のあるショウガオールに変化します。加熱の時間によってショウガオールに変化する量が決まります。例えば、煮込み料理に使う時は多くの割合でショウガオールに変化しますが、炒め物に使用する場合などは短時間の加熱では、意外とショウガオールの効果は少ない傾向にあります。
ジンゲロールをショウガオールにするには、100℃以下で1時間程度加熱することがベストと言われています。また、100℃よりも高熱で加熱してしまう場合も、栄養が壊れてしまい効果半減してしまいます。
加熱してショウガオールの効果を十分に得ることは意外と難しいというのが印象ではないでしょうか?
生姜パウダー
そこで、おすすめなのが生姜を乾燥させて摂取する方法です。生姜を乾燥させることで、ジンゲロールはジンゲロンという成分に変化します。とても強い発汗作用と、血行促進効果が期待でき、身体の深部からじわじわと温める効果が長続きします。また、ショウガオールと同様に強い抗酸化作用もあります。
乾燥してパウダー状にした製品は、手軽に色々な料理に振り掛けて使うことができるので、非常に便利です。紅茶や甘酒、味噌汁などの飲み物から、生姜焼きや野菜炒めなどの炒め物などにも重宝します。ただし、薬味などで香りや味を特に引き立たせたい場合は、生を摩り下ろしたものを使う方が無難です。
また、生のものを乾燥させてパウダー状にしたものより、一度加熱した生姜や発酵生姜をパウダー状にしたものの方が効果が高いことが分かっています。
発酵生姜の使い方とレシピ
発酵生姜の使い方としては、普段、生の生姜や市販のチューブ入り生姜などを使用する場面で、生姜の置き換えとして発酵生姜を使用すればよいです。香りも良くなりますし、味にも深みが出て美味しくなりますし、健康効果も期待できます。ただし、お刺身や冷奴などの生のすりおろし生姜を薬味として使う場面には適していません。
以下に、2つのレシピをご紹介しますので、参考にしていただければと思います。
【1】丸ごと蒸しキャベツ
<材 料>
- キャベツ 小さ目ひと玉
- 発酵生姜 大さじ1
- 醤油 大さじ1と1/2
<作り方>
- 分量の発酵生姜と醤油を混ぜ合わせておきます。
- キャベツは水洗いし、芯の方から8等分に切れ目を入れます。
- ②のキャベツは、火の通りにくい芯を下にして蒸します。
- キャベツの芯が柔らかくなったら、①の合わせ調味料をかけます。
下ごしらえをしたら、そのまま加熱して置いておくだけなので、手間がかかりません。
そのままでも、美味しく召し上がれますが、豚肉などと合わせたり、パスタやチャーハンなどの具材として取り入れることもでき、様々なアレンジが可能です。
参考レシピ ⇒ エキサイトニュース
【2】ピーマンと挽肉のピリ辛発酵炒め
<材 料>
- 挽肉 適量
- ピーマン 2個
- 玉ねぎ 1/4個
- 発酵生姜 大さじ1
- コチュジャン 小さじ1強
- 餃子のタレ 大さじ1.5
- 塩麹 小さじ1
- ブラックペッパー 適量
<作り方>
- フライパンにみじん切りした玉ねぎとピーマン、挽肉を入れて混ぜずに弱火にかけ蓋をします
- 挽肉に、ブラックペッパー、発酵生姜、塩麹を入れて蓋をし、しばらく蒸焼きにします
- 半分程度火が通ったら、挽肉を崩して材料全体を混ぜ合わせます
- 子のタレ、コチュジャンを入れて混ぜ合わせ、強火にして水分を飛ばしたら出来上がりです。
ご飯のお供や、そうめんやうどんのトッピング、オムレツの具材など色々とアレンジが可能ですので、大量に作って保存しするのもおすすめです。初め弱火で調理することで、肉が固くならずに仕上げることができます。
参考レシピ ⇒ クックパッド
発酵生姜、乾燥パウダーの効果、使い方まとめ
生姜を発酵させるなんて、私にはそのような発想はありませんでしたが、この発酵生姜の発案者である増島智子さん(発酵玉ねぎの発案者でもあり、天然酵母にこだわるパン屋さん“はつたもの”の店主で発酵食品のプロ)は10年も前より使用しているそうです。
そのままの状態で生姜を使うよりも栄養価がアップするため、是非試してみたい方法です。少しずつしか使用しない生姜を、前もって摩り下ろしたり、カットしておくのも料理をスムーズに進める点でもおすすめですね!
ただし、生姜は一度にたくさん食べ過ぎてしまうと、胸焼けや下痢、痔などの疾患をお持ち方は、症状を悪化させてしまう恐れもあるので、一日の目安量(10g程度)には注意しましょう。量をたくさん取るよりも、この生姜習慣をできるだけ長く、継続していくことの方を優先すると良いでしょう!
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(By ディオニソス)