生姜の効果9つとは?生姜をより長く保存するベストな保存方法はどれ?
中国の漢方薬に代表されるように、生姜は古くから薬用として使用されており、その薬効は300以上とも言われています。すでに紀元前500年ごろには薬用として知られていたとも言われています。生姜の成分であるジンゲロールやジンゲロン、ショウガオールは、辛味成分の素であり、この辛味に生姜の効能の最大のポイントがあるようです。
今回は、生姜の効果とは?生姜を長く保存する方法をご紹介したいと思います。
この記事の目次
生姜の効果とは?
日本の料理にも、欠かすことができない生姜。薬味や添え物、臭い消しなどとして大活躍します。しかし、生姜は、ただの薬味や添え物として美味しく食べるだけで終わらせてはもったいない効果がたくさんあります。
生姜の効果は、生で摂取した場合と、加熱したり、乾燥したりして摂取した場合で効果が異なってきます。次に、生姜の持つたくさんの健康効果を、ジンゲロール、ジンゲロン、ショウガオール、という辛味成分を中心にご紹介したいと思います。
【1】辛味成分、ジンゲロール・ジンゲロン・ショウガオールとは?
成分名 |
特 徴 |
ジンゲロール |
生の生姜に多く含まれている成分で、フィトケミカルの一種です。生の生姜を食べた時に、ピリッと辛い成分が、このジンゲロールです。 |
ジンゲロン |
ジンゲロンは、ジンゲロールを加熱することによって生成される成分です。 |
ショウガオール |
ジンゲロールを加熱したジンゲロンを乾燥させると生成される成分です。さらに、この乾燥させたショウガオールは加熱することによって、成分が増加すると言われています。 |
【2】生姜の主な9つの効果
(1)血行促進効果・体を温める効果・解熱効果
生姜を食べると、身体がポカポカしてくる…この効果が、一番広く知られている健康効果ではないでしょうか?ジンゲロールは、血管に届き、血流をよくする働きがあります。しかし、一時的に身体は温まりますが、持続はしません。ジンゲロールは、手先、足先などの末端を温める作用がありますが、体の深部の体温は奪われてしまい、内部の冷えを呼んでしまうこともあります。一時的に身体は熱くなり、その後、時間をかけて徐々に身体は冷えていくので、夏場のほてりなどには効果的と言われています。
ジンゲロールを加熱した後に生成されるジンゲロンやショウガオールにも、体を温める効果があります。ジンゲロンやショウガオールは、ジンゲロールの効果と異なり、身体の深部をポカポカと温め、冷え性の改善に効果が期待できます。特に、ショウガオールの血行促進効果は、ジンゲロールよりも強く効果が表れると言われており、冷え症の改善を目的とするならば、一番効果が期待できます。この血行促進効果は、他にも肩こりや腰痛の改善、頭痛、生理痛、神経痛などの症状の緩和なども期待できます。
(2)デトックス効果・便秘改善効果・ダイエット効果
ジンゲロール、ジンゲロン、ショウガオールには、血流を改善する効果があるのは前述のとおりです。血流が改善することによって、新陳代謝が上がります。そして、発汗や排便、排尿などが促進されるため、デトックス効果や便秘改善効果、また更に、便秘が改善されることによって、ダイエット効果も期待できます。
(3)生活習慣病予防効果
ジンゲロール、ジンゲロン、ショウガオールには、血流を改善する効果がありますが、血液がドロドロだと、血液の流れが滞り血栓などの原因になります。こうなると、高血圧を始めとして、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などの生活習慣病のリスクが高まります。生姜を習慣的に摂取することで、これらの生活習慣病リスクを下げ、予防することができます。
また、これらの成分には、血糖値を上げにくくする効果もあります。生活習慣病の1つである糖尿病予防にも効果が期待できます。
(4)抗酸化作用・アンチエイジング効果
ショウガオールには、強力な抗酸化作用があります。毎日降り注ぐ紫外線を浴びたり、ストレスなどによって身体には活性酸素が生まれます。その活性酸素は細胞を錆びつかせると同時に、肌に対しては、シミの原因となるメラニン色素を増やす傾向にあります。このように、身体や肌の老化を予防するためにも、生姜の効果は非常に期待できます。
(5)殺菌効果
お刺身などの薬味やお寿司に添えられるガリなどは、生魚の臭み消しの効果もありますが、ジンゲロールの殺菌効果を期待しているためです。ジンゲロールの殺菌効果は、このような食中毒予防や寄生虫(アニサキス)の駆除に効果があるだけでなく、風邪予防や気管支炎予防にも効果があり、風邪の引きはじめや悪寒がするときに非常におすすめです。また、水虫、心筋、肺炎の最近、コレラ菌、ピロリ菌の殺菌などにも効果があります。
(6)免疫力向上効果・疲労回復効果
強い殺菌作用と発汗作用のあるジンゲロールは、身体の免疫細胞を活性化させる効果があります。白血球数を増やし、血液に侵入してきたウイルスや老廃物を撃退して体を守ります。疲れが溜まっていたり、風邪をひきやすい・治りにくいと感じている方には、生の生姜を意識して摂ると効果的です。
(7)コレステロール値を下げる効果
ジンゲロールには、胆汁を排泄させる働きもあります。胆汁が上手く排泄されることによって、次の胆汁を作り出すサイクルが生まれます。胆汁を作る時に必要になってくるのが、体内コレステロールです。胆汁を作り出すことによって、体内コレステロールが低下していきます。
(8)胃を健康に保つ効果
ジンゲロンには、胃の調子を整える効果があり、胃液の分泌を活性化させます。この効果によって、消化が促されて、食欲の増進効果が期待できますので、体調が悪く食欲がない場合などに生姜を使った料理を摂取すると効果が期待できます。
また、ジンゲロールやショウガオールには、吐き気や嘔吐を抑える働きもあります。他にも、生姜に含まれるジンキベレンという成分には、胃が活発になりすぎるために起こる二日酔いやつわり、乗り物酔いなどの吐き気を抑える効果があり、生姜には胃を健康に保つ成分がたくさん含まれていることが分かります。
(9)抗炎症効果
生姜の抗炎症作用は、非ステロイド抗炎症薬とも肩を並べるほどと言われており、非常に効果が期待できます。頭痛や生理痛などを和らげる可能性も期待できます。また、ガンを始めとする様々な慢性の炎症性疾患に効果を示すこともわかっています。
生姜の適量!?食べ過ぎには注意!
生姜には、たくさんの効果があり、たくさん食べると効果もそれなりに出ると思われる方もいるかと思います。しかし、生姜は辛味成分も強く刺激が多いため、摂取目安量を大きく超えてしまうと胃に負担がかかり、健康に害を与える可能性もあります。
生の生姜の場合、1日5~10gが適量で、スライスならば6枚程度、すりおろしの場合は小さじ1杯程度が適量です。
適量を毎日継続的に摂取することがポイントとなり、生姜の健康効果が一番表われますので、適量を守ることが大切です。
生姜の保存期間と保存方法とは
生姜を購入した袋のまま保存すると、数日で傷んでしまい使うことが出来なくなってしまったという経験をお持ちの方も多いと思います。大量に食べることの少ない生姜は、意外と使い切れずに困っている方もいるかもしれません。また、生姜の保存に一番適した環境は、気温15℃で湿度が90%と言われており、家庭でこの環境を作り出すのはとても難しいです。
生姜の上手な保存方法、保存期間
食材は出来るだけムダにせず、長く保存して使い切りたいですので、簡単にご家庭でもできる生姜の上手な保存方法を、常温・冷蔵・冷凍保存別にご紹介します。
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保存期間 |
保存方法 |
備 考 |
常温保存 |
2週間 |
<そのまま保存する場合> 1つずつを新聞紙でつつみ、風通しの良い冷暗所で保存します。 または、密閉した保存容器に入れて冷暗所で保存します。 |
この方法は、11~6月の比較的低温の時期に適しています。7~9月は、必ず冷蔵で保存します。 |
3カ月 |
<乾燥させて保存する場合> 生姜を薄切りにしてザルに広げ、1日天日干しするか、室内で一週間程度、カラカラになるまで干して乾燥させ、タッパーなどの容器で保存します。 |
また、乾燥させる前に加熱してから干すことで、さらに栄養価が上がり健康効果がアップすると言われています。乾燥後、パウダー状にして保存するのもおすすめです。 |
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冷蔵保存 |
1~2週間 |
<そのまま保存する場合> キッチンペーパーなどでくるみ、ポリ袋に入れて、かるく口を閉じます。 |
野菜室(10℃以下)で保存します。 |
1週間 |
<すりおろして保存の場合> すりおろした生姜をタッパーなどの清潔な容器に入れて冷蔵庫で保存します。 |
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1カ月 |
<水につけて保存する場合> 生姜を清潔な保存容器に入れ、生姜を入れます。そこにかぶるくらいの水を加え、冷蔵庫で保存します。 |
水は3~4日毎に取り替えます。 水の中に唐辛子を入れると、さらに保存期間は長くなります。 この保存方法は、ひね生姜で有効ですが、新生姜では使えません。 |
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冷凍保存 |
1~2カ月 |
生姜をひと片ずつカットし、1つずつラップで包んで保存袋に入れて冷凍します。その他にも、すりおろす、千切り、薄切りなど用途に応じて小分けし、保存すると便利です。小さめの製氷機に入れてキューブ上にするのもいいかもしれません。 いずれも、冷凍期間は同じです。 |
凍ったまま、すりおろすこともでき、非常にも便利です。 |
生姜の効果、保存期間、方法まとめ
生姜は、生で摂取するのと加熱したり乾燥させたりして摂取するのでは、効果が異なってくるのは、意外とご存知ない方も多いと思います。特に生姜の効果を表す時に、“生姜は冷え性に効く”という言葉はよく見かけますので、生ですりおろしたものを日常的に摂取しても改善されないという経験のある方は、是非加熱したものを摂取するように心がけて頂ければと思います。
生姜は、どの食品スーパーを訪れても必ず販売されているため、非常に手に入りやすい食材です。健康にも美容にも非常に効果がありますので、生なのか?加熱なのか?調理方法を確認しながら上手に毎日の食生活に活かしていただければと思います。
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(By ディオニソス)