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覚えておきたい代表的な味噌の種類18選!特徴や味の違いなどは!?

本の伝統発酵調味料の代表と言えば『味噌』ですね。味噌にまつわる諺も多く、“みそは医者いらず”などと言われたり、味噌を使った代表的な料理、味噌汁では、 “みそ汁は朝の毒消し”などと言われたりしており、健康を謳ったものが多く存在します。各地で様々な味や色の味噌が存在します。

今回は、その特徴や味の違いに触れながら、覚えておきたい代表的な味噌の種類18選をご紹介したいと思います。

この記事の目次

味噌の種類(大分類)

味噌の主な原料は大豆と塩です。そこに、どのような種類の麹を足すか、気候・風土、環境、水質など様々な条件によって違いが出てきます。味噌の種類には、大きく分けて以下の表の4つに分けられます

種類

特 徴

米味噌

大豆に米麹を加えて作ったもので、お米の甘味を感じます。

現在、日本で生産されている味噌の約8割を占めており、北から南まで、全国的に幅広い地域で生産されています。

麦味噌

大豆に麦麹を加えて作ったもので、風味豊かな麦の香りがし、あっさりとしています。

農家の自家用として作られたものが多く、別名“田舎みそ”とも呼ばれています。全国に分布していますが、主に関東北部、中国、四国、九州地方で生産されています。

豆味噌

豆麹を使うため、主原料は大豆のみのもので、蒸した大豆を球状にした“みそ玉”と呼ばれるものに、種麹と香煎を加えて仕込む独特の製法が用いられます。愛知・岐阜・三重の東海三県を中心に生産されています。

調合味噌

“米味噌+豆味噌”、“米味噌+麦味噌”などのように、異なる2種類以上の味噌を組み合わせて作ったもの

決定版!覚えておきたい代表的な味噌の種類18選とその特徴の違い

【1】代表種類と概要まとめ

 

種類

各地の味噌

の名称(産地)

塩分量(%)

(一般例%)

麹歩合

(一般例)

米味噌

甘味噌

 

1

関西白味噌

 

5~7(5.5)

 

15~30(20)

2

讃岐白味噌(香川)

3

府中白味噌(広島)

4

江戸甘味噌(東京)

5~7(5.5)

12~20(15)

甘口味噌

淡色

5

越中味噌(富山)

7~12(7.0)

8~15(12)

6

御膳味噌(徳島)

11~13(12.0)

10~15(14)

辛口味噌

淡色

7

信州味噌(長野)

11~13(12.0)

5~10(6)

 

 

 

8

北海道味噌

 

 

 

11~13(12.5)

 

 

 

5~10(6)

9

津軽味噌(青森)

10

秋田味噌

11

仙台味噌(仙台)

12

会津味噌(福島)

13

佐渡味噌(新潟)

14

越後味噌(新潟)

15

加賀味噌(石川)

麦味噌

甘口味噌

 

16

瀬戸内麦味噌

(愛媛・山口・広島)九州麦味噌

9~11(10.5)

15~25(17)

辛口味噌

17

11~13(12.0)

5~10(10)

豆味噌

 

18

東海豆味噌

(愛知・三重・岐阜)

 

10~12(11.0)

 

(全量)

【2】味噌の味の違い

味噌には、甘口、辛口という味の違いがありますが、それは塩の量と麹歩合(こうじぶあい)によって決定します。麹歩合とは、材料である大豆に対して、麹がどの程度の割合で配合されているかを比率で表したものです。例えば、大豆10kg、麹8kgで作られた味噌の麹歩合は8歩(はじぶ)です。塩分量が同じ味噌では、この麹歩合が高い方が甘みが強い味噌になります。

【3】味噌の色の違い

他にも味噌の分類方法はあります。色です。味噌は、仕上がった時の色で3種類“白味噌”、“淡色味噌”、“赤味噌”に分けられます。これは、原材料の種類、大豆を煮るか蒸すかという調理方法、麹の量、発酵中に撹拌するかしないかなど細かな条件で変化します。

また、発酵・熟成が進むと、アミノ酸が糖と反応することで褐色に変化するメイラード反応という化学変化によって、味噌の色が赤褐色に変化していきます。

味噌の色の違い

特 徴

 

白みそは、赤味噌には含まれない“GABA”という成分が豊富です。GABAはストレス抑制やリラックス効果など、脳の興奮を抑える作用があります。

また、乳酸菌も豊富に含まれているため、腸内環境改善や、腸内環境が整ったことで、免疫力向上や美肌など様々な効果が期待できます。

 

 

 

赤味噌の濃い褐色は、メイラード反応が起こるためです。このメイラード反応が起こった味噌には、抗酸化作用が強いメラノイジンやペプチドなどの成分が多く含まれます。色が濃くなればなるほど抗酸化力はアップすると言われ、優れたアンチエイジング効果や代謝アップ効果が期待できます。代謝が上がることで、血糖値の上昇も抑制できます。

また、ペプチドには血圧の上昇を抑える効果があるため、高血圧の防止にも効果的です。

 

【4】各地の味噌の特徴や歴史

 

種類

各地の味噌名

(産地)

特徴や歴史など

米味噌

甘味噌

 

 

 

 

 

関西白味噌

別名を西京味噌といい、こちらの呼び名の方が聞き慣れている方も多いと思います。明治維新の際に江戸が遷都されて“東京”になり、京都を“西京”と呼んだことから西京味噌と呼ばれるようになりました。

塩分量が低く、米麹の割合が高いため、甘味が強いのが特徴です。着色を抑えるために、精米度が高く、大豆は脱皮して蒸さずに似たものを使用しています。

短期熟成型の味噌で、長期的な保存には向きません。

讃岐白味噌(香川)

濃厚な甘みとふっくらとした味わいが特徴的な香川県の代用的な白味噌です。1~2週間程度の発行・熟成で造られます。

府中白味噌(広島)

きめが細かく透き通るような白色で、風味豊かな白味噌です。良質な米と脱皮した大豆で造られます。

江戸甘味噌(東京)

米麹をたくさん使用して造るため、濃厚な甘みがあります。とろりとした独特の香りと光沢が特徴的です。

甘口味噌

淡色

越中味噌(富山)

富山の伝統味噌で、塩分と水分の量が高めの味噌です。米(米麹)の分量の方が大豆よりも若干多めで、1年程度の熟成期間を要します。

塩分濃度は高めですが、出しいらずと言われるほど旨味がしっかりとした味噌です。

御膳味噌(徳島)

御膳味噌は、大豆と米麹の比率が10:14と麹が多く、塩分量も多い多糖多塩の味噌です。赤味噌のみでなく、白味噌も生産されています。

戦国時代、阿波国の領主となった蜂須賀家政の御膳に味噌が提供され、味噌食が推奨されたため御膳味噌の名前が生まれたと言われています。

辛口味噌

淡色

信州味噌(長野)

全国生産量の約4割を占める淡色辛口の味噌で、全国的に生産されています。

やや酸味のある香りが特徴です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北海道味噌

辛口味噌で、味にクセがないため、万人受けする味です。長期熟成の味噌で、香りがすっきりとしています。

津軽味噌(青森)

熟成期間が非常に長いことが特徴で、津軽三年味噌とも呼ばれています。麹歩合が低く塩分は高いですが、塩かどはとれており、独特の旨みがあります。

秋田味噌

色は赤~淡色まで数種類あります。米麹の割合が多く、麹の甘い香りと甘味を感じます。

仙台味噌(仙台)

塩分が比較的多く、西京味噌などと比較すると、2倍程度の塩を使用して、じっくりと熟成期間を取って造られます。

戦国時代、伊達政宗が軍糧用としての味噌を造らせ、その伝統を受け継ぐ赤色の辛口味噌です。

会津味噌(福島)

会津味噌は300年の歴史があると言われています。会津盆地の厳しい気候条件の中で長期熟成されて造られます。会津味噌を使った郷土料理(鯉こく、納豆汁など)が数多くあります。

佐渡味噌(新潟)

米麹の割合が多い中辛味噌で、麹が特徴的で粒がほとんどないものを使用しています。大豆も米も全てすり潰し、こして作ることも特徴です。風味や香り、コクなどが非常に優れた味噌です。

越後味噌(新潟)

精白した丸米を使用し、米粒が味噌の中に浮いたように見えます。辛口ですが、まろやかでコクがあります。出しの代わりとなる旨味成分が豊富で、味噌汁などは出しを取らなくても美味しく作ることができます。

加賀味噌(石川)

加賀前田藩の軍糧用・貯蔵用として造られた味噌から始まる赤色の辛口味噌です。長期熟成型の味噌で、塩分は高めですが、米麹の歩合が多くコクがあって濃厚な味が特徴です。

麦味噌

甘口味噌

辛口味噌

瀬戸内麦味噌

(愛媛・山口・広島)

甘口・辛口と両方の種類があります。淡い色で、麦の香ばしい香りがし、さらっとした甘味があります。瀬戸内海を挟んで愛媛、山口、広島周辺の地域で造られていますが、愛媛県産の麦味噌は、麦麹の歩合が高いのが特徴です。

九州麦味噌

九州地方では、米が取れにくく麦の生産が盛んだったため、麦を麹にした麦味噌が作られるようになったと言われています。九州麦味噌は、麦麹の割合が高く甘口が一般的ですが、九州北部では辛口も多くみられます。色は白~淡色のものが多く、塩分は控えめで麦独特の香りがします。

豆味噌

 

東海豆味噌

(愛知・岐阜・三重)

東海豆味噌とは、八丁味噌の他、三河味噌、三州味噌、名古屋味噌、赤味噌など様々な名前で呼ばれる愛知・岐阜・三重の豆味噌の総称です。豆麹と塩から作られる、赤褐色の辛口味噌です。濃厚なコク、少量の酸味、渋味、苦味など独特の風味があります。塩辛いイメージがありますが、他地域の米味噌や麦味噌の辛口のものと比較すると塩分は控えめです。また、硬いのも特徴で、仕込み中に味噌の上に人が立てるくらいです。

東海地方の夏は高温多湿で味噌の酸敗が起こりやすいため、蒸した大豆に直接麹菌をつけ、それを玉状にして、全て豆麹とする(玉製麹)伝統的な技法で造られています。3年の長期熟成をさせます。

日本の伝統!味噌の分類・代表種類18選まとめ

日本における味噌の歴史は、約1300年と言われています。北海道から九州まで、各地で味噌が盛んに生産されており、その味や特徴がそれぞれ細かく異なっていることが分かります。ひとところに居住しているとあまり注意しませんが、一度疑問となって調べてみると、種類も豊富だということがよく分かります。

日本の伝統調味料、味噌の特徴の違いを知ることで、料理のレパートリーや使用する食材の使い方なども変えてみたくもなってきそう。

また旅行で各地を訪れた時に、今回ご紹介した分類片手に、ご当地の味噌を食べ比べるのも楽しそうですね♪

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(By ゼウス23世)

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