ブロッコリーの栄養素とは?茹で方や保存方法|人気の食べ方8選も!
名医が選ぶ野菜「ブロッコリー」
ブロッコリーは、米国立がん研究所の“ガン予防に効果のある植物性食品”の上位にランクインしており、全世界で注目を集めています。栄養価が高い野菜ランキングでも常に上位にランクインしている栄養満点の野菜です。
先日もテレビを見ていたら、日本の医師300人が選んだ食材としても取り上げられていましたね。
今回は、
- そもそもブロッコリーって!?
- そんな医者も選ぶほど素晴らしいブロッコリーの栄養素とは?
- 上手な茹で方や保存方法はある?
- ブロッコリーを使った人気の食べ方8選
について、ご紹介していきたいと思います。
この記事の目次
ブロッコリーとはどんな野菜?
ブロッコリーは、アブラナ科アブラナ属の野菜。同じくケールが先祖にあたる同属の野菜で、花芽を食べます。ブロッコリーの歴史は古く、原産は地中海沿岸で、ローマ時代から日常的に食用とされてきました。日本へ伝わったのは、明治時代。カリフラワーとセットになって紹介されはじめました。
なので、カリフラワーはブロッコリーの変種だと思われている方も多いかもしれませんが、カリフラワーの方が実はケール系統の原種に近く、正しくはブロッコリーの方がカリフラワーの変種と扱われています。
ブロッコリーの産地と旬
ブロッコリーは、今では日本国内全国各地で生産されている野菜。北海道、愛知県、埼玉県の3道県が最上位の生産量を占めます。
ブロッコリーは通年安定して流通していますが、最も美味しい旬の時期は、晩秋から冬(11月~3月)ごろになります。
最近大注目のブロッコリースプラウト
ブロッコリーは、緑色のツブツブとしている部分を食べる野菜と思いがちですが、茎も葉も全て食べられます。最近では、食べやすいようにスティック状の品種(茎ブロッコリー)や、新芽(ブロッコリースプラウト)なども非常に人気です。
こちらもご参考!
▶ ブロッコリースプラウトの栄養価と7つの効果!おすすめレシピ5選も!
ブロッコリーが持つ栄養素
(1)ブロッコリーの栄養価
日本食品標準成分表2015年版(七訂)より↓↓
食品成分 |
花序(生) |
花序(ゆで) |
単位 |
エネルギー |
33 |
27 |
kcal |
水分 |
89.0 |
91.3 |
g |
タンパク質 |
4.3 |
3.5 |
g |
脂質 |
0.5 |
0.4 |
g |
炭水化物 |
5.2 |
4.3 |
g |
灰分 |
1.0 |
0.5 |
g |
|
|
|
|
ナトリウム |
20 |
14 |
mg |
カリウム |
360 |
180 |
mg |
カルシウム |
38 |
33 |
mg |
マグネシウム |
26 |
17 |
mg |
リン |
89 |
66 |
mg |
鉄 |
1.0 |
0.7 |
mg |
亜鉛 |
0.7 |
0.3 |
mg |
銅 |
0.08 |
0.06 |
mg |
マンガン |
0.22 |
0.17 |
mg |
ヨウ素 |
0 |
– |
μg |
セレン |
2 |
– |
μg |
クロム |
Tr |
– |
μg |
モリブデン |
12 |
– |
μg |
|
|
|
|
α-カロテン |
4 |
0 |
μg |
β-カロテン |
800 |
770 |
μg |
β-クリプトキサンチン |
7 |
5 |
μg |
ビタミンD |
0 |
0 |
μg |
ビタミンE |
2.9 |
2.1 |
mg |
ビタミンK |
160 |
150 |
μg |
ビタミンB1 |
0.14 |
0.06 |
mg |
ビタミンB2 |
0.20 |
0.09 |
mg |
ナイアシン |
0.8 |
0.4 |
mg |
ビタミンB6 |
0.27 |
0.12 |
mg |
ビタミンB12 |
0 |
0 |
μg |
葉酸 |
210 |
120 |
μg |
パントテン酸 |
1.12 |
0.78 |
mg |
ビオチン |
9.3 |
– |
|
ビタミンC |
120 |
54 |
mg |
|
|
|
|
水溶性食物繊維 |
0.7 |
0.8 |
g |
不溶性食物繊維 |
3.7 |
2.9 |
g |
食物繊維合計 |
4.4 |
3.7 |
g |
|
|
|
|
オレイン酸 |
2 |
0 |
mg |
リノール酸 |
29 |
23 |
mg |
α―リノレン酸 |
66 |
53 |
mg |
日本食品標準成分表2015年版(七訂)より
ブロッコリー花序(生)、(ゆで) 可食部各100g当たりの数値
データ引用元:文部科学省 食品データベース(https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html)
(2)ブロッコリーに含まれる主な栄養素、特徴
<1>.ビタミン類
ブロッコリーには、ビタミンB1、B2、C、β-カロテン、葉酸など、たくさんのビタミンが含まれています。中でも他の食品と比較しても特に多く含有される成分にビタミンCがあり、レモンの約2倍含まれています。ガンや風邪の予防などに効果のあるビタミンCは、ブロッコリー100g中に男性女性共に一日の摂取目安である100mgを超える分量が含まれています。
また、貧血予防や動脈硬化予防効果のある葉酸が、野菜の中でもトップクラスです。葉酸は、胎児の成長に特に重要になる栄養素ですので、妊婦さんには特に積極的に摂取して頂きたい栄養素です。
β-カロテンや、ビタミンD、E、Kなどの脂溶性ビタミンはさほどの減少はありませんが、ビタミンB1、B2、C、葉酸などの水溶性ビタミンは、茹でることで半分以下の数値になったり、ほとんどなくなってしまいますので、短時間などで茹でるなど、ビタミンの損失を最小限に抑える工夫も必要です。
<2>.ミネラル類
ブロッコリーには、カリウム、クロム、鉄、カルシウム、亜鉛などのミネラルも含まれています。特にカリウムの含有量が多く、高血圧や不整脈などを予防し、血圧を正常に保つ効果があります。またカルシウムも豊富で、骨の成長や骨の健康を保つ働きがあります。カルシウムはビタミンKと合わさることで、さらに効果を発揮します。
<3>.食物繊維
ブロッコリーには、食物繊維も豊富に含まれています。食物繊維の摂取は、腸内環境を整え、便秘などの症状を改善する効果があります。腸内環境が整うことで、免疫力の向上、代謝の活性、老化防止やアンチエイジング効果まで、様々なところに効果が期待できます。
<4>.総ポリフェノール、スルフォラファン、SMCS、キャベジン(ビタミンU)
ブロッコリーには、他の野菜にはあまり見ることのない特別な栄養素も含まれています。脂肪の燃焼効果や、美白などの美容効果の期待できるポリフェノールや、強い抗酸化作用や胃がんや大腸がんを予防効果、肝機能改善効果などのあるスルフォラファン、胃潰瘍予防などに効果のあるキャベジンを豊富に含んでいます。また、あまり聞き慣れない成分として、SMCSというアブラナ科の野菜に多く含まれる天然アミノ酸は、LDL(悪玉)コレステロールを減少させる効果があり注目を集めています。
ブロッコリーの正しい保存方法とは
【1】 冷蔵保存での保存期間 ⇒ 生の場合:2~3日、茹でた場合:1~3日
ブロッコリーの保存温度は0~5℃ですので、基本は冷蔵保存です。生のまま保存する場合は、葉を取り除いて(葉も美味しく頂けるので、炒め物やスープの具材として使います)、軽く湿らせたキッチンペーパーに包み、その上からポリ袋などに入れて冷蔵庫の野菜室に入れます。その時、立てて保存するといいです。
また、茹でてから保存する場合は、茹であがった後、しっかりと水気を切るのがポイントです。一度茹でると、日持ちがしませんので食べ切れる量を調理することがお勧めです。
【2】 冷凍保存での保存期間 ⇒ 茹でたもの:1カ月
生のものも、茹でたものもあまり長くは日持ちしません。使い切れない場合は、冷凍保存がおすすめです。
冷凍保存する場合は、あらかじめ茹でてから冷凍します。湯がき方は、分量の塩を入れたお湯で硬めに茹でます。その後、しっかりと水気を切って、ジップロックなどに入れてから冷蔵庫に入れます。冷凍する場合の茹で時間目安は、だいたい30秒程度。普段通りに茹でてしまうと、冷凍→解凍した後に崩れてしまいます。
覚えておきたい!ブロッコリーの大切な栄養素を逃さない茹で方、食べ方
ブロッコリーの栄養価がとても優れていることは、分かっていただいたと思いますが、その栄養素は調理法で摂取できる種類が変わることも覚えておいて頂きたいポイントです。ブロッコリーは、調理法によって失われる栄養素も多い野菜でもあるため、優れた栄養素をいかに逃さないで食べるか、一例としてご紹介したいと思います。
<1> 茹でるときは短時間で
ブロッコリーには、ビタミンB1、B2、C、葉酸などの水溶性ビタミンが多く、茹でるとたくさんのビタミンが水に流れ出ていってしまいます。数値的には、半分以下になってしまうものも少なくありません。この“茹でる”という調理方法は、ブロッコリーを調理する上で最も多用する方法ですが、最も栄養価が逃げてしまう方法でもあります。
茹でる場合は、できるだけ短時間で茹でるようにします。熱湯にブロッコリーを入れると、次第に鮮やかな緑色に変化します。そして、ブロッコリーの茹であがった香りがしてきたら引き上げのサインです。油から引き揚げた後も余熱で若干火が通りますので、少し硬いくらいでも大丈夫です
ブロッコリーの塩ゆで方法・レシピ
<ゆでやすい分量>
- ブロッコリー 1株
- 塩 大さじ2/3~1杯程度(水1~1.5Lに対して)
<茹で方>
- ブロッコリーは子房に切り落とし、茎の部分は、外側の分厚い皮を除いて食べやすい太さにカットします。
- つぼみ部分は子房にカットしてから、水の中にしっかりつけ振り洗いします。(つぼみ部分には、ゴミや虫、農薬などが残りやすいです。)
- 鍋にたっぷりとお湯を沸かして分量の塩を加えます。沸騰した状態で、ブロッコリーを入れ(茎の部分も同時に茹でることができます。)2分程度が目安です。(大きいものなどは、2~3分くらいですので、大きさで多少時間調整します。ブロッコリーは水に浮きますので、箸などで押さえながらゆで上げます。)
- 茹であがったら、湯から引き揚げて冷ませば出来上がりです。
こちらも参照 ⇒ ブロッコリーの塩ゆで
<2> 蒸すことで火を通す
ブロッコリーを蒸す方法は、お湯に入れることのない分、水溶性ビタミンの損失も少なく栄養素が残りやすい調理法です。特に、ビタミンCなどは、茹でることで半分以下になってしまい、かなりの栄養が失われてしまいます。また、茹あがったブロッコリーよりも水っぽい感じがせず、非常にしっかりとした味を残すことも可能です。他にも、調理手順や時間も大幅にカットでき、非常におすすめです。
超簡単・省エネ!ブロッコリーの蒸し方
<材料>
- ブロッコリー 1株
- 水 1カップ
- 塩 少々
<蒸し方>
- ブロッコリーは子房に切り落とし、茎の部分は、外側の分厚い皮を除いて食べやすい太さにカットします。
- つぼみ部分は子房にカットしてから、水の中にしっかりつけ振り洗いします。
- フライパンにブロッコリーを敷き詰め、分量の水を入れ、蓋をして沸騰させます。
- 水がなくなる、もしくは3~5分程度蒸します。茎などの固い部分を調べて、火の通り具合を確認します。
- 火が通っていたら、フライパンから取り出し、冷ましたら出来上がりです。
こちらも参照 :ブロッコリーの蒸し方
ブロッコリーを使った人気の食べ方8選
(1)ブロッコリーと油揚げのサッパリおかか和え
ブロッコリーとサクッと焼きあげた油揚げを使った簡単副菜レシピです。ブロッコリーは子房に分けて茹でておきます。油揚げは、オーブントースターで焼き、1cm角に切ります。ボウルにブロッコリーと油揚げを入れ、かつお節、酢、しょうゆを加えて混ぜたら完成です。柔らかいブロッコリーとサクッとした油揚げの食感が最高です。
参考レシピ ⇒ E・レシピ
(2)ブロッコリーとベーコンのにんにく炒め
ブロッコリーとにんにくを使った定番の炒めものに、ベーコンもプラスした副菜です。ポイントは、
ニンニクとベーコンの旨みを引き出すために、冷たいオイルに入れて弱火でじっくりと熱します。この旨味がたっぷりと移ったオイルをブロッコリーに絡めるように炒めます。最後に醤油と塩胡椒を加えて完成です。スパゲティの具材にもおすすめです。
参考レシピ ⇒ クックパッド
(3)海老とブロッコリーの簡単コク旨炒め♪
ブロッコリーと海老をマヨネーズで炒めたコクのある炒め物です。下処理をした海老は、片栗粉をまぶします。フライパンに油の代わりにマヨネーズを熱し、マヨネーズで海老を炒めていきます。海老に火が通ってきたら、小房に分けて下茹でしたブロッコリーを加え、酒、マヨネーズ、醤油を加えて炒め混ぜたら完成です。
参考レシピ ⇒ クックパッド
(4)ブロッコリーのかに玉餡かけ
こちらは、麺つゆを使った時短調理できる餡かけブロッコリーです。
ブロッコリーは子房に分けて下茹でし、よく水気をきります。カニカマは裂いて、麺つゆを入れて湧かした湯の中に入れます。片栗粉でとろみをつけ、最後に解いた卵を流しいれ、餡の完成です。茹でたブロッコリーに熱々の餡をかけて出来上がりです。サッと作れるのが魅力的です。こちらのレシピは和風の味付けですが、麺つゆの代わりに鶏がらスープなどを使って中華風にしても美味しく頂けます。
参考レシピ ⇒ クックパッド
(5)ブロッコリーのスープ
ブロッコリーのポタージュスープです。鍋にバターを入れ、スライスした玉ねぎを炒めます。そこにざく切りにしたブロッコリーも入れて炒めます。ブイヨンを入れて煮込み、柔らかくなったらミキサーで撹拌します。その後、牛乳で伸ばしたら裏ごしして完成です。スープの場合は、水に流れてしまう水溶性ビタミンもそのまま全て取ることができるので、おすすめです。温かくしても冷静スープでもどちらでも美味しく頂けます。
参考レシピ ⇒ クックパッド
(6)あさりとブロッコリーのガーリック酒蒸し
ガーリックの風味と、あさりの旨みを吸い込んだブロッコリーが絶品の一品。フライパンにオリーブオイルとガーリックを入れて弱火で熱します。香りが移ったら、ブロッコリーとあさりを入れて酒を加えて蓋をします。アサリの殻が開くまで加熱したら、蓋を取り、ミニトマトとバターを入れてさらに過熱します。ミニトマトに火が通ったら、塩コショウで味を調えて完成です。
スピード料理ですので、時間がない時のあと一品に、彩も綺麗で、おしゃれな仕上がりです。
参考レシピ ⇒ クックパッド
(7)ブロッコリーとアンチョビのトマトパスタ
アンチョビを使った、トマトベースのスパゲティです。オリーブオイルとアンチョビフィレ、にんにく、鷹の爪をフライパンに入れ、弱火で熱し香りを移します。香りがしてきたら、小さく刻んだブロッコリーを加えて軽く炒めます。そこに、トマト缶とスパゲティの茹で汁を加え煮詰めます。茹であがったスパゲティとオリーブオイルを加えて混ぜ合わせれば完成です。トマトやアンチョビ、ブロッコリー、にんにくなどたくさんの旨みが詰まったスパゲティです。
参考レシピ ⇒ クックパッド
(8)ブロッコリーグラタン
小麦粉を使わずに、クリームコーン缶を使います。とても優しい甘さで子供にも大人気のグラタンです。まず、薄切りにした玉ねぎをバターで炒め、しんなりしたら、鶏肉を加え炒めます。鶏肉に火が通ったら、下茹でしたブロッコリーと、クリームコーン缶、牛乳を加えます。煮立ったら塩コショウで味を調え、耐熱容器に移します。ピザ用チーズを散らして、オーブンでこんがりと焼いたらできあがりです。
参考レシピ ⇒ E・レシピ
ブロッコリーの栄養素、保存・食べ方まとめ
ブロッコリーは、扱いも簡単で、手間もかからず作れる料理がたくさんあります。もちろん、塩茹でしただけのブロッコリーも美味しく、色鮮やかできれいなため、肉料理や魚料理の付け合せやお弁当の彩にと重宝しますね。
また、栄養価のある野菜のランキングなどを見ると常に上位にランクインしており、ビタミンやミネラル共に非常に豊富で健康や美容効果の高い野菜です。年中通して、食品スーパーでは見かけないことのない非常に手に入りやすい野菜ですので、是非、毎日の料理に少しずつ利用してみてはいかがでしょうか?
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(By ディオニソス)