グラスフェッドビーフという言葉を聞いたことがあるでしょうか?オーガニックレストランや食・健康に関心の高い方に、大注目されている牛肉です。
最近まで健康志向による赤身肉の人気や熟成肉ブームが一通り流通してきましたが、今後は、グラスフェッドビーフブームが来るだろうとも言われています。グラスフェッドビーフは、そのほとんどを外国からの輸入に頼っている現状ですが、国内でも生産が徐々に増えつつあります。
今回は、ぜひ知っておきたいグラスフェッドビーフとは何か?その特徴、そしてお勧めのグラスフェッドビーフ、販売店についてもご紹介していきたいと思います。
この記事の目次
グラスフェッドビーフ
(1) グラスフェッドビーフとは?
グラスフェッドビーフ(Grass-Fed Beef)とは、いわゆる“牧草飼育牛”と呼ばれるもので、自然の牧草のみを飼料として、自身で新鮮な食物を探し回ることができる環境で育てられている牛のことを指します。現在、私たちが日常的に食べている牛肉は、ほとんどが“穀物”を飼料としてあたえて肥育された牛で、グラスフェッドに対してこちらは“グレインフェッドビーフ”と呼ばれます。
グレインフェッドビーフは、もともと草食動物の牛に穀物を与えて、牛舎の中で脂肪を蓄えさせて飼育します。それに対して、グラスフェッドビーフは、自然環境の下で放牧させ、牧草を食べてのびのびと健康に育ちます。グラスフェッドビーフの肉は、栄養価が高く歯ごたえがしっかりとしていて肉の旨みがしっかりと味わえます。赤身が多く、脂肪部分が黄み帯びているのが特徴です。
(2) グラスフェッドビーフの栄養価とカロリー
グラスフェッドビーフは、人間の身体を作る材料となるタンパク質を豊富に含んでいます。また、穀物を食べて育ったグレインフェッドビーフと比較して、オメガ3脂肪酸や共役リノール酸(CLA)、老化防止や免疫アップのための抗酸化物質やビタミン類、約3倍もの鉄分、疲労回復に役立つタウリンなどのミネラルを多く含みます。特に鉄分は、タンパク質が体内に不足した状態では効率よく作ることができないため、タンパク質と鉄分を同時に摂取することがとても大切になります。グラスフェッドビーフは、タンパク質不足が深刻になりつつ日本人には、理想的な食材かもしれません。肉は、身体に悪いと言われることもありますが、実際は非常に健康的で、グラスフェッドビーフはスーパーフードとも言われるほどです。
(3) 高たんぱく低カロリー
また、グラスフェッドビーフは、高タンパク低カロリーであることが特徴の一つです。
国産のグレインフェッドビーフのヒレ肉と比較すると、グラスフェッドビーフのヒレ肉のカロリーは約62%、脂質は約40%ほどです。
グラスフェッドビーフとグレインフェッドビーフとの比較表
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グラスフェッドビーフ |
グレインフェッドビーフ |
飼料 |
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飼育法 |
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牛の 健康状態 |
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栄養価 |
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肉質 |
筋肉質で脂身が少なく赤みが多い。霜降りが少ないため、火を入れ過ぎると固くなってしまうため、薄切りしての調理や焼き肉には不向き。ステーキやローストビーフに最適で、火を入れ過ぎない食べ方に向いている。 |
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※風味 |
牧草くささ、野生臭、えぐみなどを感じることが少なくない。(牛の品種や産地にもよる) |
一般的に日本に出回るもので、普段食べ慣れている牛肉 |
※牛の品種によって、グラスフェッドビーフは必ずしも赤身肉であるわけではなく、グレインフェッドビーフが必ずしも霜降り肉というわけでは無い。品種によって、味も見た目も、肉のキメや霜降りの入り具合や香りも異なります。
おすすめのグラスフェッドビーフ販売店(厳選4店)
<1> Saito Farm
日本の機能性医学のパイオニアであり、株式会社日本機能性医学研究所の所長の斉藤糧三医師が、2017年、スーパーフードとしてのグラスフェッドビーフの普及をめざし、日本初の牧草牛専門の精肉店『Saito Farm』を開店しました。日本機能性医学研究所では、より安全な生産プロセスを重視し、“薬を処方する”という医者の観点から食品を選りすぐり、グラスフェッドビーフもスーパーフードの一つと考えて積極的に提供しています。
Saito Farmのグラスフェッドビーフは、日本での取り扱いが稀少なニュージーランドのSilber Fern Farms社の“RESERVE”という牛肉です。このRESERVEは、グラスフェッドビーフにありがちな牧草の臭みやえぐみなどを感じにくく、草の風味がしてジューシーなことが特徴です。ニュージーランドは国を挙げて徹底した検疫を行っているため、BSEや口蹄疫の発症率もゼロのため、非常に安全性が高いです。また、成長促進ホルモン剤や抗生物質(予防に対しては使用不可、ただし治療目的で使用)、遺伝子組み換え飼料は不使用のため、安心して食べることができるグラスフェッドビーフを提供しているとして評判です。
販売店としては、店頭・オンラインストアともにあり、 “Saito Farm 麻布十番”では、火~土曜の夜は牧草牛ステーキをメインとしたメニューが店内で食べることができ、食べ放題イベントや健康食セミナーもあるそうです。
●Saito Farm店舗情報
【店舗名】 Saito Farm 麻布十番 |
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【住所】〒106-0045 東京都港区麻布十番1-5-5 SH麻布1F |
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【電話】050-5595-4858/03-6804-2984 | |
【営業日】レストラン営業(完全予約制)火~土曜 18:00~22:00 精肉販売 月~日曜日 12:00~19:00 |
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オンラインストア: 楽天 Dr.Saito ショップ |
<2> なかほら牧場
なかほら牧場は、岩手県岩泉町北部北上山地にあり、山地酪農を行っています。なかほら牧場の牛たちは、約110ヘクタールの広い敷地で牛舎には入らず、年中昼夜放し飼い、自然交配・自然分娩・母乳哺乳で、人の手を借りずに育ち、けがや病気に強い健康な牛です。牛たちの食糧も自然に育った野芝で、もちろん農薬や肥料は与えていない自然そのものです。噛めば噛むほど旨味が出てくる、国産の本物の牛肉を食べたい!という方にお勧めのグラスフェッドビーフです。なかほら牧場では、グラスフェッドビーフのブロックの他、ハンバーグやビーフカレーなどの加工品も販売しています。
〇オンラインショップ:https://shop.nakahora-bokujou.jp/
◆【販売店】楽天市場店:なかほら牧場 楽天市場店
<3> 井上牧場
北海道の紋別郡にある井上牧場は、酪農業で牛乳を生産するための牧場として運営しています。お乳を出すことのできない雄の牛が生まれた場合、グラスフェッドビーフとして育てられ、井上牧場から送り出されています。この雄の牛たちは、放牧場で牧草を好きなだけ食べ、雪が沢山積る冬の間は、牛舎で牧草ロールを食べます。彼らは“THANKS BEEF”といわれ、できる限り自然の中で元気に育てられています。
グラスフェッドビーフ“THANKS BEEF”の販売時期は、年数回、不定期で行われています。井上牧場のホームページやfacebookにて随時アナウンスがありますので、興味のある方は定期的にチェックして下さい。
◆井上牧場HP :https://www.inouemilkfarm.com/thanksbeef
◆井上牧場facebook :https://www.facebook.com/inouemilkfarm/
<4> GOOD GOOD MEAT
GOOD GOOD MEATは、2017年7月に兵庫県西宮市に芦屋/苦楽園本店をオープンしたグラスフェッドビーフやポーク専門のレストランです。また、2018年10月には大阪市中央区に2号店がオープンしました。非常にカジュアルな店内では、国内外の安全で、美味しく、身体にも良いグラスフェッドビーフ、放牧牛、放牧豚のお肉を食べることができます。メニューも豊富で、グラスフェッドのフィレやサーロインのステーキ、タン、ビーフカツ、ハンバーグ、ローストビーフ、カルパッチョなど、根っからのお肉好きの方には是非足を運んで頂きたいお店です。
また、店頭入り口では、お持ち帰りできるお肉も販売しています。残念ながら、通信販売の形態での取り扱いは今はまだ準備がないようです・・。
●GOOD GOOD MEAT 店舗情報 http://meat.goodgood.jp/
芦屋/苦楽園本店 |
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【電話】0798-78-2224 | |
【営業日】毎週月、水、木、金、土、日(火曜定休日) |
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なんば店 |
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【電話】06-6631-2000 | |
【営業日】 無休(ビル定休日に準じる 11:00~23:00 |
グラスフェッドビーフまとめ
牛肉の摂取は、身体に負担をかけるものと考えている方は、非常に多いと思います。しかし、グラスフェッドビーフやオーガニックビーフなど、牛の育て方や飼育の仕方、餌の種類によっては、必須栄養素や健康成分を特に含むスーパーフードとして扱われるほど、栄養価が高いことが分かります。逆に言うと、牛肉が身体に負担をかけるものに変化する過程には、飼育方法や餌に問題があるということになります。
日本の一般的な食品スーパーでは、取り扱いは無いですが、健康需要の伸びている現在の傾向にのって、グラスフェッドビーフの認識が進み、日本の一般家庭でもてに入りやすいものとして扱われるといいなとも思います。
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<ゼウス23世>