日本の調味料の代表格「味噌」。
味噌にも色々な種類がありますが、ツブツブとした食感で甘辛い味が特徴の”もろみ味噌”とはどのような味噌かご存知でしょうか?普段使っているお味噌とどのように違うのでしょうか?
今回は、もろみ味噌とは?他の味噌との違い、カロリーや使い方をご紹介したいと思います。
この記事の目次
もろみ味噌とは?
もろみ味噌は、醤油を作る過程で作られます。大豆や麦、米などから作った麹に塩水を加え、熟成させて作っていきます。もろみ味噌は、醸造した液体(醤油)の中にあります。材料が発酵した後、圧搾して出来た液体が「醤油」、その残りの固形物が「もろみ味噌」です。
市販のもろみ味噌は、始めからもろみ自体を食べる目的で作られていますので、より美味しくなるように醤油や砂糖などの調味料に漬け込んで熟成させています。この場合、醤油を作るときと比較して、塩水の塩分量は少な目で漬けて熟成させるのが基本です。
もろみ味噌のカロリーと成分
もろみ味噌は、大豆を主原料として作られていますので、良質なタンパク質やビタミンE、イソフラボン、サポニン、サポレンなどの様々な栄養素が豊富に含まれています。イソフラボンやサポニン、サポレンは、免疫力や代謝をアップさせる効果が期待できます。また、消化吸収が良い状態でこれらの成分が含まれているのも特徴の一つと言えます。カロリーは、可食部100g当たりで206kcalです。(が、100gを一度に食べるのも難しいです笑)
【1】もろみ味噌の成分表
|
単位 |
① もろみ味噌 100g当たり |
② もろみ味噌 大さじ1杯(15g)当たり |
③ 濃口醤油 100g当たり |
④ 米味噌 淡色辛味噌100g当たり |
エネルギー |
kcal |
206 |
30.9 |
71 |
192 |
水分 |
g |
46.3 |
6.9 |
67.1 |
45.4 |
タンパク質 |
g |
6.5 |
0.97 |
7.7 |
12.5 |
脂質 |
g |
2.7 |
0.4 |
0 |
6.0 |
飽和脂肪酸 |
g |
0.36 |
0.11 |
– |
0.97 |
一価不飽和脂肪酸 |
g |
0.51 |
0.07 |
– |
1.11 |
多可不飽和脂肪酸 |
g |
1.27 |
0.19 |
– |
3.61 |
炭水化物 |
g |
38.8 |
5.82 |
10.1 |
21.9 |
水溶性食物繊維 |
g |
0.9 |
0.14 |
0 |
0.6 |
不溶性食物繊維 |
g |
1.9 |
0.28 |
0 |
4.3 |
(食物繊維総量) |
g |
2.8 |
0.42 |
0 |
4.9 |
ナトリウム |
mg |
1900 |
285 |
5700 |
4900 |
カリウム |
mg |
340 |
51 |
390 |
380 |
カルシウム |
mg |
56 |
8.4 |
29 |
100 |
マグネシウム |
mg |
56 |
8.4 |
65 |
75 |
リン |
mg |
120 |
18 |
160 |
170 |
鉄 |
mg |
1.9 |
0.28 |
1.7 |
4.0 |
亜鉛 |
mg |
0.9 |
0.13 |
0.9 |
1.1 |
銅 |
mg |
0.32 |
0.05 |
0.01 |
0.39 |
マンガン |
mg |
0.52 |
0.08 |
– |
– |
ヨウ素 |
μg |
1 |
0.15 |
1 |
1 |
セレン |
μg |
2 |
0.3 |
11 |
9 |
クロム |
μg |
4 |
0.6 |
3 |
2 |
モリブデン |
μg |
37 |
14.5 |
48 |
57 |
ビタミンA |
μg |
0 |
0 |
0 |
0 |
ビタミンB1 |
mg |
0.11 |
0.02 |
0.05 |
0.03 |
ビタミンB2 |
mg |
0.27 |
0.04 |
0.17 |
0.11 |
ナイアシン |
mg |
2.6 |
0.39 |
1.3 |
1.5 |
ビタミンB6 |
mg |
0.08 |
0.01 |
0.17 |
0.11 |
ビタミンB12 |
μg |
0 |
0 |
0.1 |
0.1 |
葉酸 |
μg |
12 |
1.8 |
33 |
68 |
パントテン酸 |
mg |
0.36 |
0.05 |
0.48 |
Tr |
ビオチン |
μg |
7.1 |
1.06 |
12.3 |
11.9 |
ビタミンC |
mg |
Tr |
Tr |
0 |
0 |
ビタミンD |
μg |
0 |
0 |
0 |
0 |
ビタミンE |
mg |
3.1 |
0.47 |
– |
9.6 |
ビタミンK |
μg |
17 |
2.5 |
0 |
11 |
食塩相当量 |
g |
4.8 |
0.72 |
14.5 |
12.4 |
※ 現実的なイメージに近づけるために、②の大さじ1杯(15g)当たりも用意しました!
【出展】
①もろみ味噌可食部100g当たり:日本食品標準成分表2015年版(七訂)より
②もろみ味噌大さじ1杯(15g)当たり:可食部100g当たりの数値より算出
③④≪比較≫濃口醤油、米味噌(淡色辛味噌)各可食部100g当たり:
食品成分データベース(参考URL:https://fooddb.mext.go.jp/index.pl)
もろみ味噌と他の味噌との違いとは何?
(1)味噌と呼ばれるが、実は味噌ではない!?
もろみ味噌は、“味噌”という名前は付いてはいますが、調味料として使っている普段のお味噌(赤みそや白みそなど)とは、作り方がまったく異なっています。
もろみ味噌と普段の味噌とでは、出来上がるまでの発酵期間も異なります。普段の味噌は、熟成までに最低半年から一年必要ですが、もろみ味噌はわずか10日程度の発酵熟成で出来上がります。
加えて、もろみ味噌は、お味噌と比較して塩分をかなり抑えられて作られています(上記成分表で比較すると味噌の約4割程の塩分量)ので、ご飯・おかゆ・お茶漬けのお供にしたりと、いわゆる“なめ味噌(嘗味噌)”として分類されています。
(2)なめ味噌とは?
「なめ味噌」とは、そのままの状態で副菜として食べたり、お酒のおつまみにしたりする味噌の総称になります。
もろみ味噌は「なめ味噌」としての要素だけでなく、野菜や豆腐の上にトッピングしたりと、調味料のように使用されることも多いです。
よく同様に比較される“金山寺味噌(きんざんじみそ)”も、この「なめ味噌」の一種なのですが、金山寺味噌は、もろみ味噌に野菜(瓜、なす、しょうが、シソなど)が加えれているものを言います。
もろみ味噌の使い方、人気レシピ10選
【1】 定番!ねぎ味噌おにぎり
小口切りにした青ネギともろみ味噌を混ぜます。ご飯に青ネギを混ぜたもろみ味噌を入れて、おにぎりを握ります。もちろん、アツアツの白いご飯をお茶碗によそって、ご飯のお供としても美味しく頂けます。
参照レシピ ⇒ 楽天レシピ
【2】 卵かけご飯+もろみ味噌
もろみ味噌の旨みと甘辛い味わいは、シンプルな卵かけご飯にピッタリ。普段と一味違う卵かけご飯が味わえます。シンプルにもろみ味噌を掛けるだけですが、美味しくなります。冷奴やきゅうりなども同様に、添えるだけ、乗せるだけで味わい深い一品に仕上がりますね。
参照レシピ ⇒ クックパッド
【3】 もろみみそうどん
もろみ味噌、細切りにした大葉、みじん切りにしたみょうが、酒、白ごまを混ぜ合わせて、茹でて水で締めたうどんにトッピングして完成です。良く混ぜてお召し上がりください。薬味が香る、大人のうどんに変身です。
参照レシピ ⇒ Eレシピ
【4】 もろみ味噌とクリームチーズのディップ
もろみ味噌とクリームチーズと酒を使って仕上げるディップソースです。意外な組み合わせのようですが、まろやかでコクがあり、次から次へと箸がすすみます。生野菜や温野菜などに混ぜて、レンジで加熱するだけの簡単レシピです。
参照レシピ ⇒ クックパッド
【5】 ひとくちもろキュウ
もろみ味噌の料理と言ったら、定番中の定番のもろキュウ。こちらのレシピは、棒状にカットしたきゅうりの食感が面白い、もろキュウです。焼き海苔で巻くことで、風味と食べやすさがアップします。もろみ味噌は、焼き海苔に塗ってからきゅうりを巻くと、作りやすいです。いつもと違ったもろキュウを味わってみたい時におすすめのレシピです。
参照レシピ ⇒ Eレシピ
【6】 活ちくわとなすの梅もろみ和え
カットした活ちくわとレンジ加熱してカットした茄子、乱切りにしたきゅうりを、もろみ味噌、包丁で叩いてペースト状にした梅干し、ごま油で和えます。最後に細切りにした大葉を飾って出来上がりです。梅や大葉を使った、さっぱりと頂ける一品です。
参照レシピ ⇒ ニッスイ
【7】 茄子のもろみ味噌炒め
もろみ味噌は、炒め物にも重宝します。材料は、なすとシソ、パプリカやピーマンなど。野菜をサッと素揚げして、もろみ味噌と酒、和風顆粒だしを水で溶いたタレと合わせて、フライパンで炒めます。最後にシソを加えて火を止めて出来上がりです。
参照レシピ ⇒ レシピブログ
【8】 鮭のもろみみそ焼き
生鮭は少量の塩をして、水分を拭き取ります。もろみ味噌、醤油、マヨネーズ、細切りにした大葉を混ぜて、生鮭の片面にぬります。アルミホイルにオイルを塗り、オーブントースターでこんがり焦げ目がつくまで焼けば完成です。手軽に作れるため、時間のない朝ご飯やお弁当のおかずなどにおすすめのレシピです。
参照レシピ ⇒ Eレシピ
【9】 もろみ味噌と白葱の和風ピザ
もろみ味噌は、チーズによく合うためピザとの相性も抜群です。こちらのレシピは、もろみ味噌、オリーブオイル、ピザ用チーズ、白葱のみので、ピザ用のトマトソースなどを使わないシンプルなピザです。他にも色々な具材と組み合わせて使えそうです。
参照レシピ ⇒ クックパッド
【10】 もろみ味噌パスタ
スパゲティソースにも、もろみ味噌を使うことができます。牛挽肉、みじん切りにした玉ねぎ・ねぎ・椎茸を炒めてから、水を入れて煮込みます。煮詰まってきたら、もろみ味噌と醤油で味付けします。醤油のきいた和風のラグーソースです。パスタ類には、もちろんですが、ご飯のお供としても美味しく頂けます。
参照レシピ ⇒ なずな弁当
もろみ味噌とは?使い方レシピ10選まとめ
もろみ味噌は、普段使う味噌や醤油と比較しても塩分濃度が4割程度!なので、減塩食を目指している方のお味噌や醤油の代用としてはとってもおススメの食材です!!
他にも、イソフラボンやサポニン、サポレンなどの成分を含み、健康効果や美容効果も期待できる優秀な食材、日本のスーパーフードです。
また、もろみ味噌のイメージは、もろキュウを始めとする、そのままつけたり、添えたりするという使われ方がほとんどでしたが、和風調味料としての用途も広く、炒め物や煮物などにも、様々な料理に応用もできるのです。
チーズにもよくマッチするため、意外にもピザやパスタなど洋風料理やチーズを使ったおつまみにも最適なんです。
ぜひ様々なアレンジがでるので、自分なりのもろみ味噌レシピを作って楽しんでみては如何でしょうか?
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(By ディオニソス)