神様の食材

今更聞けない「キヌア」とは?キヌアの栄養素、炊き方、食べ方まとめ

注目を集めているスーパーフードですが、2015年その先駆けとなったものの一つと言えば

「キヌア!」

と答える方もいるのではないでしょうか?

栄養価が高くて、ダイエットにも良いので、海外のトップモデルさんや美のカリスマ女優さん達が飛びついているとして、日本でのスーパーフードブーム火付け役となりました。

日本でも販売も浸透して、今やキヌアは一般のスーパーでも必ず置いてある健康食品として、大変人気がありますね。

今回は、

などについて詳しくご紹介していきたいと思います。

この記事の目次

キヌアとは?

キヌアは、ペルーやボリビアといったアンデス山脈一帯が原産で、ペルーでは紀元前5000年には栽培されていたという記録が残る非常に長い歴史のある食品です。

キヌアはその見た目から、一般に穀物として扱われていますが、実はホウレン草と同じヒユ科アカザ属の一種で、“擬穀物”といわれます。また、脂肪分が高いことから“疑似油料種子”と呼ばれることもあります。

キヌアは、環境適応力が非常に高く、痩せた土地をはじめ、高地や低地、干ばつや高塩分濃度の土地など悪条件の環境でも生産でき、たくさんの実を付けることから世界の貧困対策としても非常に期待されています。

また、キヌアを食べると長生きし、病気の回復も早まると言われ、古代インカの人々は、『穀物の母(母なる穀物)』として、長年主食としてきました。

そして、近年の健康ブームにのって、キヌアの栄養価の高さが見直されるようになり、日本や世界に浸透していきました。

キヌアの栄養価

【1】食品成分表

日本食品標準成分表2015年版(七訂) キヌア、玄米、精白米、各100g当たりの数値より

食品成分

数値

単位

キヌア

玄米

精白米

エネルギー

359

353

358

kcal

水分

12.2

14.9

14.9

g

タンパク質

13.4

6.8

6.1

g

脂質

3.2

2.7

0.9

g

炭水化物

69.0

74.3

77.6

g

灰分

2.2

1.2

0.4

g

ナトリウム

35

1

1

mg

カリウム

580

230

89

mg

カルシウム

46

9

5

mg

マグネシウム

180

110

23

mg

リン

410

290

95

mg

4.3

2.1

0.8

mg

亜鉛

2.8

1.8

1.4

mg

0.47

0.27

0.22

mg

マンガン

2.45

2.06

0.81

mg

ビタミンB1

0.45

0.41

0.08

mg

ビタミンB2

0.24

0.04

0.02

mg

ナイアシン

1.2

6.3

1.2

mg

ビタミンB6

0.39

0.45

0.12

mg

葉酸

190

27

12

μg

パントテン酸

0.95

1.37

0.66

mg

ビオチン

23.1

6.0

1.4

μg

飽和脂肪酸

0.33

0.62

0.29

g

一価不飽和脂肪酸

0.77

0.83

0.21

g

n3系多可不飽和脂肪酸

0.19

0.03

0.01

g

n6系多可不飽和脂肪酸

1.34

0.87

0.30

g

脂肪酸総量

2.68

2.35

0.81

g

水溶性食物繊維

1.5

0.7

Tr

g

不溶性食物繊維

4.7

2.3

0.5

g

食物繊維合計

6.2

3.0

0.5

g

★イソロイシン

470

270

240

mg

★ロイシン

800

560

500

mg

★リシン

710

270

220

mg

★メチオニン

260

160

150

mg

シスチン

210

160

140

mg

★フェニルアラニン

500

360

500

mg

チロシン

360

310

360

mg

★トレオニン

470

250

470

mg

★トリプトファン

160

100

84

mg

★バリン

570

410

350

mg

★ヒスチジン

370

190

160

mg

アルギニン

1100

590

500

mg

アラニン

540

390

340

mg

アスパラギン酸

1100

660

570

mg

グルタミン酸

1700

1200

1100

mg

グリシン

680

330

280

mg

プロリン

460

320

290

mg

セリン

540

340

310

mg

アミノ酸合計

11000

6800

6000

mg

Tr:微量  ★:必須アミノ酸

データ引用元:文部科学省 食品データベース
https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html

【2】キヌアの栄養価の特徴

(1)タンパク質量、アミノ酸スコア

キヌアといえば、穀類一般の中でも“タンパク質の含有量が多い”ことでよく良く知られています。必須アミノ酸(人間の体内では合成することができないアミノ酸)の9種類すべてを含有し、アミノ酸スコア(必須アミノ酸のバランスを示す指標)も精白米の61ポイント、玄米64ポイントと比較して、キヌアは85ポイントと非常に高い数値です。

(2)必須アミノ酸<リジン>

玄米や精白米に不足している必須アミノ酸のリジンの含有量が非常に高いのも特徴です。

キヌアは、たんぱく質や脂質の含有量は玄米・精白米と比較すると高いですが、水分や炭水化物の含有量は、低くなっています。また、食物繊維も玄米と比較しても2倍以上、鉄分やカリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル分、ビタミンB群や葉酸などのビタミン類も、玄米をはじめとする他の穀物と比較しても非常に豊富です。

(3)野菜との組み合わせも課題に

キヌアは、その優れた栄養面から1990年代アメリカ航空宇宙局(NASA)でも評価され、将来の宇宙食として研究も始められているほどです。

しかし、栄養豊富と言われているキヌアには、ビタミンD、K、B6、Cなどは含まれていませんので、これらのビタミン類を多く含む野菜などの食品と組み合わせることが課題ですね。

キヌアの調理方法(炊き方)

キヌアの炊き方の前に、まず下ごしらえの方法から覚えましょう。

① 下ごしらえ

キヌアの種子はサポニンでおおわれているため、そのままでは苦くて食べることができません。サポニンは水で流すことができますので、よく洗うことが大切です。まずは、水にさらしてよくサポニンを抜き落とします。サポニンには、泡立つ性質がありますので、泡が出なくなるまで水で洗い流せばOK。あとは、小さい網目のざるで水を切ります。

ここまでで、下ごしらえは完了です。

次に、炊き方は色々とありますので、その日の献立に合った炊き方をするといいですね。

② キヌアの炊き方4選(お米・炊飯器・鍋・電子レンジ)

1.お米と一緒に『炊飯器』で炊く

お米を磨ぎ、炊飯器に水を入れます。その後、水で洗ったキヌアと、キヌア分の水を入れて炊きます。キヌアとお米の割合は、もちろん自由です。キヌアを入れた時は、キヌアと同じ分量の水(キヌア0.5合ならば水も0.5合)を足して炊きます。

2.キヌアだけを『炊飯器』で炊く

水で洗ったキヌアと水、酒を炊飯器に入れて炊きます。

キヌア、水、酒の分量としては、キヌア1合(180cc)に対して水1カップ(200cc)、酒大さじ1/2です。

3.『鍋』で炊く

水で洗ったキヌアと水、塩一つまみを鍋に入れて炊きます。

  1. キヌアと水の分量としては、キヌア1に対し、2倍の水を入れます
  2. 鍋に材料がそろったら、蓋をして強火にかけます
  3. 沸騰したら弱火にし、10~15分茹でます。(キヌアが半透明になり、輪のように見える白いひげが出てきたら茹で上がりのサインです。)
  4. その後、柔らかく仕上げたい場合は、蓋をしたまま10分蒸らして、水を切ります。硬めの食感がいい場合は、蒸らさずに水を切って完成です。

4.『電子レンジ』で炊く

水で洗ったキヌアと水、塩一つまみを耐熱容器に入れ、ラップをかけます。

  1. キヌアと水の分量としては、キヌア1/2カップ(100cc)に対して、水1+1/2カップ(300cc)です
  2. 用意した耐熱容器を電子レンジに入れ、600Wで10分加熱します
  3. 次に、注意しながらラップをはがし、軽く混ぜます
  4. 再びラップをし、さらに600Wで10分加熱します
  5. そのまま10~15分蒸らします
  6. 最後に混ぜれば完成です

キヌアは、他の雑穀と同じように冷凍保存もできますので、わざわざ炊くのが手間な場合は、多めに炊いて小分けして冷凍保存してもいいですね。

キヌアの食べ方、レシピ

キヌアの食べ方は、とても豊富です。そんなキヌアの食べ方の一例をご紹介します。

【1】キヌアを茹でる|スープにいれて、キヌアの食べるデトックススープ

あらゆるスープ類に入れることができます。もちろん、お味噌汁に入れても美味しいです。

水分が多めなら、リゾット風のスープ、水分が少なめでキヌア多めの仕上がりならば、リゾットのイメージで仕上がりますね。よく洗った生のキヌアを他の野菜と一緒に煮込んでもいいですし、茹でたキヌアを最後に入れてもいいです。

参考レシピ ⇒ クックパッド

【2】サラダに混ぜる|キヌアの彩りサラダ

キヌアは栄養価が優れていますが、含まれていないビタミン類(ビタミンD、K、B6、C)もあります。サラダなど他の生野菜と組み合わせることによって、不足している栄養素を補うとより完全な栄養に近づきますね。数年前より流行っているチョップドサラダなどにして、スプーンで頂くと食べやすいかもしれません。

参考レシピ ⇒ クックパッド

【3】ピラフやチャーハン|鮭、ほうれん草、マッシュルームのキヌアピラフ

こちらは、鮭とほうれん草、マッシュルームとキヌアのみのレシピですが、普段うちでよく作るピラフやチャーハン、パエリアなどのご飯ものと混ぜて使用してもいいですね。こちらの本格ピラフでは、生のキヌアをスープで火を通しますが、茹であがったキヌアを混ぜてもいいと思います。

参考レシピ ⇒ 自然食生活

【4】ハンバーグやコロッケに|キヌアのハンバーグ

ハンバーグやミートローフをはじめ、肉団子や餃子、つくね、メンチカツ、コロッケなどなど、色々な肉料理やコロッケなどに混ぜて作ることもできます。お肉なしで作ることもできますが、お肉と混ぜることで、満足感も生まれます。ヘルシーで、キヌアのおかげで腹持ちも良いハンバーグができます。

参考レシピ ⇒ クックパッド

【5】パンや焼き菓子に|キヌアたっぷりぃぃぃ♡プチパン

洗って30分程浸水させた生のキヌアか、もしくは茹でたりローストして加熱したキヌアを、パンや焼き菓子類の生地に混ぜて焼くことができます。キヌアの独特のプチッとした食感がクセになります。生地に投入するキヌアは、よく水切りをするようにして下さい。

参考レシピ ⇒ クックパッド

【6】キヌアを焼く|ローストキヌア、カリカリ~キヌア❀ぶぶあられ風

茹でたキヌアをローストします。

あつあつのご飯に、お茶漬けに、クルトンの代わりとしてスープやサラダのトッピングに、おやつ感覚でポリポリ・・・色々な料理に振り掛けて楽しめます。あられとも違う新食感です。

参考レシピ ⇒ クックパッド

【7】フライの衣として|鶏胸肉のキヌアとチーズのカリカリ衣焼き

キヌアをフライの衣として使う、変わり衣揚げのアイディアです。軽く塩胡椒した鶏胸肉にキヌアをギュッと押して、しっかりと付けます。パルメザンチーズも同じ要領で、しっかりと付けます。あとは、オイルを入れたフライパンで焼いて完成です。パン粉で作るサクサクとした食感とは違った、カリカリ食感のフライが出来上がります。

参考レシピ ⇒ クックパッド

【8】グラノーラに混ぜて|メープルグラノーラ

グラノーラは、意外と簡単にお家で作れてしまうことをご存知ですか?

オートミール、好みのナッツ類やシード類、生のキヌアなどを、メープルシロップや好みのオイルやスパイスなどと混ぜ、オーブンで焼けば完成です。市販のものだと割高についてしまいますが、自家製なら無添加で自分好みのグラノーラがお手頃価格でたくさん作ることができますよ。

参考レシピ ⇒ クックパッド

【9】揚げ物に|カリカリキヌアのから揚げ

こちらは焼くのではなく、油で揚げても美味しい唐揚げやフライができます。米粉(小麦粉)→溶き卵→キヌアの順に衣をつけて、油で揚げます。カリカリ食感がクセになりそうですね。

参考レシピ ⇒ クックパッド

【10】その他の食べ方

他にも、

などなど、キヌアは様々な料理に使え、とても幅広く応用もできる「万能食材」です。

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キヌアの栄養価とその特徴、食べ方のまとめ

キヌアが日本に上陸してからずいぶんと時間が経っていますが、あらためて栄養価が高いことを見直しできました。ただし、万能食材のキヌアとは言っても不足してしまうビタミンD、K、B6、Cなどは、他の食材からカバーする必要があります。

キヌアは、いろいろ料理メニューに幅広く使えて、調理方法も簡単。

加熱ができないスーパーフードも多い中、キヌアは、加熱も冷凍もできるし、とても使い勝手のよいスーパーフードの一つですね♪

こちらも参考|加熱ができる唯一の亜麻仁油が日本初登場!
▶ 加熱ができる亜麻仁油「Alliggaフラックスシード調理オイル」

まだ、キヌアを試したことのない方は、是非、毎日の食事に取り入れてはいかがでしょうか?

(By ゼウス23世)

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