豆苗は、えんどう豆を発芽させて、その若い葉と茎の部分からなる「緑黄色野菜」です。
スレンダーな見た目からは、栄養があまりあるようにも見えませんが、実は中身は栄養がたっぷりと含まれています。
昔は中華料理店でしか見られない高級食材の一つとして扱われてきましたが、今では広く簡単栽培も広がり、普通の食品スーパーでも年中、安く売られるようになって、ありがたい食材の一つになりました。
今回は、豆苗に含まれる栄養素、効能、また豆苗を使った簡単、人気のレシピ10選をご紹介したいと思います。
この記事の目次
豆苗の栄養価
豆苗 生 茎葉 – 100gあたりの成分量
(出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂))
食品成分 |
数値 |
単位 |
エネルギー |
24 |
kcal |
水分 |
92.2 |
g |
タンパク質 |
3.8 |
g |
脂質 |
0.4 |
g |
炭水化物 |
3.2 |
g |
灰分 |
0.4 |
g |
ナトリウム |
1 |
mg |
カリウム |
130 |
mg |
カルシウム |
7 |
mg |
マグネシウム |
13 |
mg |
リン |
47 |
mg |
鉄 |
0.8 |
mg |
亜鉛 |
0.5 |
mg |
銅 |
0.10 |
mg |
マンガン |
0.23 |
mg |
α-カロテン |
2 |
μg |
β-カロテン |
3,000 |
μg |
β-クリプトキサンチン |
17 |
μg |
ビタミンD |
0 |
μg |
ビタミンE |
1.6 |
mg |
ビタミンK |
210 |
μg |
ビタミンB1 |
0.17 |
mg |
ビタミンB2 |
0.21 |
mg |
ナイアシン |
0.8 |
mg |
ビタミンB6 |
0.15 |
mg |
ビタミンB12 |
0 |
μg |
葉酸 |
120 |
μg |
パントテン酸 |
0.39 |
mg |
ビタミンC |
43 |
mg |
水溶性食物繊維 |
0.2 |
g |
不溶性食物繊維 |
2.0 |
g |
食物繊維合計 |
2.2 |
g |
豆苗の栄養素5つの特徴
(1)β-カロテン
β-カロテンは、強力な抗酸化作用をもち、体内の活性酸素を除去する力に優れている栄養素です。体内では、ビタミンAに変換され、身体の粘膜や皮膚を健やかに保ったり、免疫機能を正常に保つ働きがあります。また、視力を維持するためにも必要不可欠な成分。豆苗は、他にもビタミンCやEが含まれており、β-カロテンとの相乗効果で、肌荒れの改善や予防、アンチエイジング効果を発揮してくれます。
β-カロテンは、海苔やにんじんなどに多く含まれている成分ですが、豆苗にもたくさん含まれています。チンゲンサイ、つるむらさきなどとも同じくらい含有量が高いのが特徴です。栄養価が高く人気のブロッコリースプラウトと比較しても、豆苗のβ-カロテン量は2倍以上。カイワレ大根、グリーンピースなどエンドウ類と比較しても、トップクラスの含有量です。
(2)ビタミンK
ビタミンKは、けがをして出血した時に、正しく血を止めてくれる「止血作用(血液の凝固)」があります。加えて、ビタミンKには、カルシウムが骨に沈着する時に必要なたんぱく質が効率的に働くようにサポートする力があり、丈夫な骨の形成、骨粗鬆症の予防にも必要不可欠な栄養素です。
(3)葉酸
豆苗100gに含まれる葉酸量はなんと120μg。
ビタミンB群に属する葉酸は、ビタミンB12と協力して、赤血球のヘモグロビン合成や血液をつくるのを助けてくれるビタミンです。胎児や乳幼児の脳神経細胞を作り出すのにも必要だとされるため、妊娠前後の女性に不可欠な栄養素として、葉酸に対しての認知度は高いと思います。
葉酸が不足すると、赤血球数が減ったり、異常形が作られることがあり、悪性貧血の原因となってしまいます。また、粘膜代謝も悪くなって、口内炎や潰瘍など、粘膜の異常が起こりやすくなるとされています。
(4)食物繊維
豆苗には、水溶性と不溶性の両方の食物繊維が含まれています。含有量が多いのは、不溶性食物繊維の方で、これにより便通が促され、便秘の改善効果が期待できます。また、腸内環境を整えてくれるため、毒素を排出しデトックス効果にも役立ちます。
(5)ビタミンC&A
豆苗1カップには、一日の必要摂取量の35%のビタミンC、そして15%のビタミンAが含まれています。抗酸化作用で大注目のビタミンCに至っては、なんとあのブルーベリーの7倍もの含有量にもなります。加えてビタミンKですね。
これら抗酸化ビタミン類を考えただけでも、豆苗を食べる価値がありそうです。
豆苗を使った簡単、人気レシピ9選
【1】豆苗と卵のふわとろ炒め
豆苗と卵をオイスターソースと胡椒で味付けした中華風の炒め物です。
豆苗も卵もすぐに火の通る食材なので、本当にあっという間に出来上がってしまいます。時間のない時のあと一品に、簡単に作れるのに栄養もしっかりと取れる嬉しい料理です。豆苗のシャキシャキとした食感と、たまごのふわふわとした食感が絶妙の一品です。
参考レシピ ⇒ クックパッド
【2】豆苗とベーコンの塩バター炒め
豆苗とベーコンをバターとサラダ油で炒め、塩で味を調えます。
こちらも時間のない時のあと一品におすすめです。豆苗は火通りが早いので、強火で手早く、シャキッとした食感を残すように炒めることがポイントの一つです。バターの風味を加えることで、美味しさのレベルが1つ上がる感じです。バターと相性の良いマイタケやシメジなどのきのこ類を足しても美味しく仕上がりそうです。
参考レシピ ⇒ クックパッド
【3】豆苗と厚揚げのオイスター炒め
厚揚げを使った、ボリューム満点の豆苗の主菜料理です。鶏ガラとオイスターソース、塩胡椒で中華風の味付けに仕上げます。お肉やお魚は使用しませんが、ニンニクやしょうがのみじん切りを加えて味にパンチもきかせ、しっかりと味もついていますので、満足感のある一品です。
参考レシピ ⇒ レタスクラブ
【4】豆苗の青椒肉絲
普段、ピーマンを使って作る青椒肉絲を、豆苗を使って作ったレシピです。
細切りした牛肉に下味をつけ、片栗粉をまぶしてから、熱したフライパンでほぐすように炒めます。お肉の色が変わったら豆苗を入れ手早く炒めます。合わせ調味料を加えてさらに炒めて完成です。豆苗を加熱しすぎないところがポイントですね。豆苗の食感、牛肉のコク、ごま油の香りが楽しめる主菜料理です。
参考レシピ ⇒ クックパッド
【5】豆苗と切干大根のサラダ
豆苗と切干大根を組み合わせたサラダです。酢、しょうゆ、ごま油、白炒りごま、塩を使った中華風胡麻ドレッシングで和えます。食物繊維を始め、β-カロテン、葉酸、カルシウム、カリウム、ビタミンB1・B2など、豆苗も切干大根も栄養が豊富なため、健康維持のためにとてもおすすめのサラダです。
参考レシピ ⇒ レタスクラブ
【6】お弁当にも◎豆苗とカニカマのさっぱり和え
カニカマを使った、彩もキレイなサラダです。食べやすい大きさに切った豆苗を電子レンジで少し加熱します。ほぐしたカニカマを加え、ポン酢、ごま油、柚子胡椒、白ごまで和えれば完成です。ごま油と柚子の香りがマッチして食欲の進む一品です。色もキレイなので、お弁当に入れるサラダとしてもおすすめです。
参考レシピ ⇒ クックパッド
【7】シャキ!ぷちっ!豆苗とツナの胡麻サラダ
加熱せずに生のままの豆苗を使い、ツナを和えるだけで完成するサラダです。
豆苗は、ツナととても相性がよく、調べると色々なレシピが挙がってきます。
豆苗は少し苦味のある野菜なので、作りたてだと、その苦味が気になってしまう場合もあります。ですので、一晩冷蔵庫で寝かせるか、サッと湯通しするなどして加熱して使うと食べやすくなります。ただ、栄養の損失を考えると生のままがおすすめなので、食べる日の前日に作っておくのがベターかなと思います。
参考レシピ ⇒ クックパッド
【8】豆苗とにんじんのエスニックサラダ
豆苗は加熱せずに使い、人参も塩もみしてしんなりしてから使います。細かく砕いたピーナッツと、ナンプラーやレモン、砂糖を使ったドレッシングを和えてエスニック風にしてあります。
こちらのレシピも豆苗の苦みが気になるようなら、少し時間をおいて味がなじんでから頂くようにすると食べやすいですね。
参考レシピ ⇒ ミスビット
【9】丸鶏ふわ玉豆苗スープ レシピ
調理時間が5分という簡単レシピ。
味の素の「丸鶏ガラスープ」でふんわり卵スープをつくって、仕上げに豆苗を加えるだけ。
寒い冬にほっこり食べられる簡単栄養スープ、個人的には飲み疲れて帰ってきた夜にちょびっとと飲みたい、あったかスープです。
片栗粉でとろみを出すのも、なおGOODかも♪
参考レシピ ⇒ 味の素パーク
豆苗の栄養、人気レシピまとめ
見た目がひょろっと弱そうな豆苗ですが、こんなにしっかりと栄養がつまっているのはビックリです。炒め物だけでなく、サラダにもピッタリ。火の通りもとても速いので、短時間で調理できるのもなんとも嬉しい食材です。
食物繊維や抗酸化作用が期待できるβ-カロテンやビタミンCもたっぷり。しかも、豆苗は今や年中、しかもお安く手に入ります。
積極的に取りたい野菜の一つですので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
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