葛粉の栄養、効能7選とは?たっぷりの葛粉湯で健康になろう!
葛粉は、とろみづけや固める食材として昔から欠かせない食材のひとつです。
溶かすと、見た目が白く“とろっ”としていて「あまり栄養や効能がない」ような印象もありますが・・・
しかし、葛湯が風邪の時に飲まれるのも納得!できるほどの素晴らしい成分が葛粉には含まれています。
水に溶いて薄く片栗粉のようなとろみつけにも使われますが、しかし片栗粉とはまったく違って成分も、効能も高いものがあります。
今回は葛粉のもつ栄養素とその効能7選、摂取の際の注意点などをご紹介していきます。
この記事の目次
葛粉とは
葛粉(くずこ、くず粉)は、七草のひとつにも数えられるマメ科の多年草「葛(くず)」から作られる粉です。葛の根から摂れるデンプンを精製して葛粉は作られます。
葛の根の英名は”Puerariae radix”。
他にも、”Pueraria lobata” “kudzu‐vine”とも呼ばれていますが、勘違いしやすいのが「Arrowroot」。Arrowrootは日本語訳で「クズウコン」と訳されるものですが、これは葛(くず)ではなくて「くずのようなウコン」です。
葛粉は冷えると固まるという性質を持っているので、料理にとろみをつけるために使われたり、お菓子の生地に用いられます。
また、血行をよくして体を温める効能もあるので、昔から風邪や胃腸不良の時の民間治療薬としても利用されてきました。よく知られている葛根湯(かっこんとう)も、葛が使われた漢方薬になりますね。
本葛粉とは?
本葛(ほんくず)とは葛粉100%の混じり気のないものを指します。
葛の根からとりだしたデンプンだけを冷たい水にさらし、精製して作られます。本葛はなめらかな口当たりですが、葛のもつ多少の苦みをもっています。
一方、一般に葛粉として販売されているものはジャガイモ、サツマイモ(甘藷澱粉)、コーンスターチ(トウモロコシの澱粉)などのデンプンも混入されたものになっています。
私も知らなったのですが、業務用並葛と呼ばれるものは、さつまいもデンプン100%なんですね。なぜ「葛」という名前を付けているのか不思議なくらいです。
ですので、葛粉100%の本葛は生産量が少なく、価格も高いものです。広く目にする葛粉は、葛(くず)100%でないことが多いのを覚えておきましょう。
吉野葛にも
有名ブランドの「吉野葛」にも、吉野本葛と吉野葛の2種類あるようなので、お買い求めの際には原材料もチェックしておく必要がありそうです。
葛根(かっこん)とは
葛の表皮と周皮を除いた根の部分は「葛根(かっこん)」と呼ばれます。
葛は中国や朝鮮半島、日本に分布しており、もともとは山野に自生しているものです。この根を小さく角状に刻み、冷水にさらしてから乾燥させると、漢方に使われる葛根になります。
葛根は感冒など熱性病や肩こりを伴う疾患に用いられています。
葛粉の栄養素
本葛根には、イソフラボンの含有量が、大豆のイソフラボンに比べて5~10倍もその含有量があることがわかっています。
葛粉の栄養成分 | |
(1カップ110g) | |
エネルギー | 382 Kcal |
タンパク質 | 0.22g |
脂肪 | 0.22g |
炭水化物 | 94.16g |
【ミネラル】 | |
ナトリウム | 2.2mg |
カリウム | 2.2mg |
カルシウム | 19.8mg |
マグネシウム | 3.3mg |
リン | 13.2mg |
鉄 | 2.2mg |
銅 | 0.02mg |
マンガン | 0.02mg |
葛粉の効能7選
葛根は解熱、鎮痛、風邪、肩こりなどに効果があります。
ほかにも高血圧や、血糖値の安定にも効果をもたらすと言われています。
【1】抗酸化作用
葛に含まれる成分には抗酸化作用があります。
イソフラボン様の含有量も高く、イソフラボノイド化合物「プエラリア・トムソニ」よりも強力な抗酸化作用があるとも言われます。
【2】抗菌効果
葛を溶かして作る葛茶・葛湯には、食品に繁殖する病原菌を抑制する力があります。
特に液体状の食品には効果的です。
【3】胸の痛みの軽減効果
葛に含まれるプエラリンという物質は、口から服用されたり静脈注射されたりすると胸の痛みを改善する可能性があるという報告があります。
ただし研究はまだあまり進んでいないので、信憑性にかけるという指摘もあります。
【4】アルコール分解
葛に含まれるイソフラボンにはアルコール分解、代謝、食欲を抑える効果があると報告されています。
しかしながら、そのメカニズムはまだはっきりと解明されたわけではないようです。
【5】糖尿病の予防
葛の成分のプエラリンを糖尿病治療の薬と一緒に摂取すると、血糖値を下げるのに効果的だという研究結果もあります。
【6】ダイエット
葛の花由来のイソフラボン(テクトリゲニン類として)が配合されているダイエット用サプリメントが多く目立ってきました。
機能性表示食品(国の審査なしに、健康への効用を表示できる食品表示の仕組み)として販売しているのですから、メーカーもよほどの根拠をもった販売なのだろうと思われます。
葛由来のイソフラボンには、脂肪の合成抑制、分解・燃焼を促進する効果が印象により期待されています。
【7】更年期障害
葛に含まれるプエラリンやダイゼインといった化合物が更年期症状の緩和に役立つ可能性があると報告されています。しかし、その効果を生む理由はまだよくわかっていないようです。
(参考)
http://www.raysahelian.com/kudzu.html
http://www.emedicinehealth.com/kudzu/vitamins-supplements.htm
葛は中国では古くから漢方薬として用いられてきています。風邪薬の葛根湯が良い例ですよね。
解熱のほかに、体を温める効果もありますので、冬など風の季節は葛をもちいた料理はいろいろ効果が見込めそうです。
おススメの摂取の方法は?
葛は秋の七草のひとつです。葛の開花時期は8月中旬から9月末頃の初秋です。
葛は若葉や花、根が食べられるのですが、天ぷらやあえもの、炒めものにして食するのが人気がありますね。もちろん葛粉からの葛湯や和菓子はとっても美味しいです。
代表的な葛湯の作り方
<1杯分の分量>
- 葛粉 10g
- 熱湯 100g
- 砂糖またははちみつ(好みで)適量
<作り方>
- 器をまずはよく温めましょう
- 葛粉を器にいれ、少しのぬるいお湯(10g程度)でかき混ぜながら葛粉を溶かします
- 次に沸騰した熱いお湯を注ぎながら、2を軽く混ぜ合わせていきます
- 好みで砂糖(はちみつ)を加えれば、とろ~り美味しい葛湯の完成です
※暖かい器で熱をまんべんなく加えながら、ダマにならないように葛粉をあらかじめ溶かすことが肝心です!
葛湯を飲むと、カラダがよく温まってこころも落ち着きますよね。ぐっすり眠れる効果もありますよ♪
摂取上の注意点、副作用はある?
葛を「経口摂取(口から食事として食べる)」することによる副作用の報告はありません。
しかし別の研究によると、葛を摂取することで肝臓の損傷を引き起こす可能性があるとも示唆されています。いくつかのハーブ製品と組み合わせた場合にアレルギー反応が起きることもがあるようです。
伝統的な中国医学によると、葛根としての投薬量は煎じ薬で10〜15グラムだとされています。
葛粉の効能まとめ
日本でも1000年以上前の古来から食用されてきた葛は、民間療法薬、漢方としても使われてきました。
現代では葛のもつ効能や効果が、漢方だけでなく抗菌・抗酸化作用、そしてデトックスにも良いとされ、スーパーフードの仲間入りをしていますね。
葛由来のイソフラボンもダイエット用のサプリメントの成分として大きく宣伝されはじめよく耳にする成分になっているのではないでしょうか?
葛粉は、夏の和菓子や日本料理など、さまざまな料理に使われています。
夏の葛もちもホント美味しいですよね♪
ぜひ、今年の夏は、クズ100%の本葛粉でつくるクズもちを食べてみたいと思います!
(By ディオニソス)