魚醤ナンプラーとは?ニョクマムとの違いは?各国作り方に特長があるの!?
様々な国の調味料や食材が手に入るようになってきました。
いろんな国の調味料が手に入るようになってきたおかげで、「魚醤」という商品名もよく目にするようになりました。
中でも、ナンプラーやニョクマムがヘルシーで美味しいと人気が出ていますね。
これらはすべて「魚醤」です。
では、ナンプラーとニョクマムって何がどう違うの? 日本にも同じような醤油はあるの?
ということで、ここでは魚醤についてや作り方、特徴などをご紹介していきたいと思います。
この記事の目次
ナンプラーとニョクマムの違いって何?
答えをずばりお伝えすると、ナンプラーとニョクマムに「大きな違い」はありません!
ナンプラーもニョクマムも魚をベースとした「魚醤」であり、 国によってその魚醤の呼び方が変わるだけ です。
ナンプラーは「タイ」でつくられている魚醤、ニョクマムは「ベトナム」産の魚醤を注します。多少魚醤のメーカーによって作り方の違いはあると思われますが、伝統的なナンプラーやニョクマムには材料や作り方に違いはありません。英語の分類ではどちらもまとめて魚ソース(Fish Source) と呼ばれています。
ナンプラーとニョクマムの作り方
ナンプラー、ニョクマムともに原料となる魚は、”カタクチイワシなどの子魚” を使います。
次に、その小魚を大量の塩で漬け込みます。木製の大きな樽に魚と塩を10:4の割合で入れ、蓋をして 1-2年の間、熟成させてつくっていきます。
1年ほど漬け込むと、魚のたんぱく質が分解されていきます。出来た上澄みの液体部分を使って、砂糖やアミノ酸、食塩などで味の調整を行って最終ナンプラーとして出来上がります。
ナンプラーとニョクマムの作り方の違いがあるとすれば、魚に対する塩比率やその熟成期間です。ナンプラーの方が伝統的に長い期間を使って熟成させていく傾向が強いです。
例えばニョクマムが半年から1年の熟成期間に対し、ナンプラーは1年は寝かせるものが多いといった感じです。
ちなみに、ナンプラー(Nam Pla)の言葉ですが、タイ語でNamは「水」、Plaは「魚」を意味するんだとか・・
プラーラー
タイ産の魚醤の中には、ナンプラー以外に「プラーラー」と呼ばれる魚醤があります。
これは、材料に小魚ではなく、ライギョなどの淡水魚を使って作られるものです。ナンプラーとは使用する魚の種類がまったく違います。また、作り方としても、漬け込む際に塩以外に米ぬかも合わせて使われるのがその特徴です。
日本の私たちには「ナンプラー」の方が口にあうのでしょうか?「プラーラー」の人気はあまりありませんね。
さて、ニョクマムとナンプラーの話に戻しますが、ニョクマムはナンプラーよりも発酵度合いが低く、魚臭が強いものが多いのも特徴です。それは、ニョクマムの方が漬け込む月数が少ない商品が多いという理由からなのだと思われます。
それぞれ若干の違いはありますが、どれも魚醤ですので、お好みの味を試されたら良いのではないでしょうか?
実は魚醤には等級ランクがあります!?
魚醤のナンプラーとニョクマムには、それぞれ一級品、二級品、三級品があります。作る過程でそれぞれが分けて管理されます。
一番最初に取り出された液体が「一級品」となります。いわゆる一番搾りというものにあたります。一番搾りを取った後、残った液体をさらに数日間発酵させることによって、次に出てくる液体は「二級品」として扱われます(いわゆる二番絞り?)。そして、最終的に残った固形物にアミノ酸や酢酸を加えてできたものが「三級品」となります。
一級品、二級品はナンプラーそのものの味を楽しめるようなつけ汁として使われ、三級品はおもに調理材料に使用されます。一級品(一番搾り)の値段は、三級品アイテムのなんと三倍以上の値段がします。
- 一級品・・・魚醤の一番搾り
- 二級品・・・魚醤の二番絞り
- 三級品・・・残った固形物を溶かしたもの
香りや風味はもちろん一級品が最高級です。
ですが、日本に出回っているナンプラー、ニョクマムは、等級をより好みできるほど多くの商品が流通されていないのが、残念ですネ!
日本の魚醤
アジアの魚醤だけでなく、日本にもとても美味しい魚醤があります。
代表的なものは以下の3種。
- しょっつる
- いしる
- いかなご醤油
この3種は、日本三大魚醤と呼ばれています。これ以外にも、新潟の“しょっからいわし”と呼ばれる魚醤油も人気です。
【1】しょっつる☆
秋田県が特産の魚醤です。
ハタハタが主な原料で、発酵は一年ほど。江戸時代初期から作られていました。作り方はナンプラー(ニョクマム)とほぼ同じですが、しょっつるでは、何度かろ過の、煮沸の工程が加わります。
【2】いしる☆
石川県の奥能登(おくのと)で作られている魚醤です。
その原料は作られている地域エリアによって異なるのが特徴的です。イカの内臓、イワシ、サバなどを使います。
また、大きく富山湾側と、日本海側の地域によって、大きく分かれるそうです。原料によって加えられる塩の量を調整したり、酒粕や麹が加わることもあるようです。
【3】いかなご醤油☆
香川県で作られる魚醤です。主な原料は名前のとおり「いかなご」です。1950年代に一旦は地域によるいかなご醤油の生産がストップされましたが、近年の地方復興事業の中で、また作られはじめ香川の特産品として売られるようになってきました。
その他、いろいろな国や地域の魚醤
- 中国…魚露(ユールー)(様々な小魚、一部カワハギなど)
- 古代ローマ…ガルム(アンチョビの内臓)
- カンボジア…トゥック・トレイ(淡水魚)
- 韓国…エクチョッ(カタクチイワシやイカナゴ)
- フィリピン…パティス(サバなど)
といった魚醤がその他の国にも実にいろいろ存在します。
ですがやはりタイ、ベトナムにおける「ナンプラー」「ニョクマム」が世界的にも人気を集めている魚醤です。
古代ローマ時代からヨーロッパ―でも似たような調味料を作っていましたが、その名残りとして、イギリスで売られている「ウスターソース」がアンチョビの魚醤とモルトビネガー(麦芽酢)とを混ぜた調味料として現代でも作られているんですね。
ですが、日本で言う「ウスターソース」とは違います。
自家製ナンプラーを作る方法&美味しいレシピ
(1)アンチョビ&ナンプラーの作り方
- 新鮮なコイワシを使ってフィレー状態にします
- タッパーに塩を引いて、コイワシ→塩→コイワシ→塩の順番に重ねていきます
- フタをして約1カ月冷蔵庫にて寝かせます
- 水分をしっかりきって、瓶に詰めます
- お好みでハーブを入れます
- コイワシが入ったビンにオリーブオイルを入れていきます
- 再び1ヶ月寝かせれば、アンチョビが完成!
- 水分をすくえばナンプラーの出来上がり!
さらに詳しいレシピはこちら>> 自家製アンチョビ&ナンプラー
(2)しょっつるの作り方
- ハタハタを水で洗い流す
- 内臓が入ったままのハタハタをブツ切りに
- 水に2日間ほどつけておき、その後塩をまぶしていきます
- 塩をまぶしたハタハタを瓶につめます
- そのまま冷暗所で2~3年おいておきます。ビンを気付いた時にでもときおる振ってあげること
- 分解されて出てきた魚汁をこせば完成!
詳細はこちら>> しょっつるの作り方
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ナンプラー、ニョクマムはアジアン風味のピリ辛料理を作るのに欠かせない調味料。
一口に魚醤と言っても世界ではいろいろな魚醤があったんですね。また、日本の伝統的な魚醤もありますので、いろいろと味見してみたいと思ったのは私だけではないのではないでしょうか?
ニョクマムは日本のお店で売っているのを見かけることも多いかもわかりません。ですが、通販ではいろいろな国の魚醤も手に入るようになってきました。
ぜひ、それぞれの国の魚醤も機会があれば、食べ比べてみてください!
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(By ディオニソス)