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覆された!コレステロールの新常識、悪玉、善玉の正体とは!?

この記事の目次

はじめに、コレステロールの基本

コレステロールって何ですか?

血中コレステロールの議論の前に、コレステロールについて少しおさらいしておきましょう。まず、コレステロールというのは、私たちのカラダのすべての細胞で見つけることができるワックス状の「脂肪様物質」になります。

コレステロールの役割

あなたのカラダは、ホルモンやビタミンDを生成したり,食べ物の消化を助けてくれる物質を作っていくために、「コレステロール」を必要とします。あなたのカラダが必要とするすべてのコレステロールはカラダの中で作ることができますが、あなたが食べる食品の中にもコレステロール成分は含まれています。

悪玉、善玉コレステロールって何?

コレステロールは「リポプロテイン(リポ蛋白)」と呼ばれる小さな粒子に乗っかって、カラダの血流の中を流れています。このリポプロテインは、たんぱく質と脂肪(脂質)で作られています。

「リポプレテイン」は2種類あって、この2つがバランスよくカラダに含まれることが、私たちの健康レベルを保つためには重要です。

この2種類がリポプロテインの種類です。

LDLコレステロール、HDLコレステロールとは?

コレステロールは、上述のように、リポプロテインと一緒にカラダの中の隅々まで運ばれます。そして、LDLに乗っかっているのが「LDLコレステロール」、HDLに乗っかっているのが、「HDLコレステロール」と区別されます。

LDLコレステロールは、しばしば「悪玉」コレステロールと呼ばれています。LDLコレステロールが高いレベルだと、動脈内のコレステロールの蓄積(プラーク)につながってしまいます。

HDLコレステロールは、逆に「善玉」コレステロールと呼ばれています。余分なコレステロールを血液を通してしっかりと肝臓まで運び戻してくれるからです。肝臓では、その余分なコレステロールを除去してくれます。

総コレステロールとは?

一般的に総コレステロール量は、LDL(悪玉) コレステロール値とHDL (善玉)コレステロール値の合計として考える人も居ますが、正確には

総コレステロール量=LDLコレステロール+HDLコレステロール+他の脂質分(中性脂肪の20%で算出)

ということになります。血液検査の時には、「総コレステロール量」「LDL(悪玉)コレステロール」「中性脂肪」この3項目が重要視されますよね。

知っておきたい、コレステロールの常識が変わった!?

従来、コレステロールは「体に悪いもの」として認識されてきました。しかし最近になって、米厚生省と農務省が設置した「食事指針諮問委員会」で「コレステロールは過剰摂取を心配する栄養素ではない」という報告がなされました。これは従来の常識が覆される、大きな報告です。

◆コレステロールを取り巻く研究

今回米厚生省と農務省が「コレステロールの過剰摂取は心配しなくていい」と発表しましたが、現行のガイドライン「米国人のための食生活指針」では、1日あたりのコレスレテロール推奨摂取量上限は300ミリグラムと明記されています。これは、食品に換算すると、棒状のバター1本・小さい卵2個・ステーキ300グラムに含まれる量です。

日本では厚生労働省が昨年3月にまとめた、2015年度版の食事摂取基準からは、コレステロール摂取の目標量が廃止されています。

なぜこのようなことになったかというと、動脈硬化や心筋梗塞などを引き起こす血中コレステロールは、ほとんどが肝臓で作られるもので、食物との関連性は明確でないという研究の結果があったからです。(食物から得られるコレステロールは全体の15%に過ぎない

今まではコレステロールを過剰摂取すると、プラークが動脈に蓄積し、心臓発作や脳卒中リスクが高まると考えられていました。しかし最近の研究で、コレステロールは動脈硬化による炎症で傷ついた血管を修復するために蓄積するということがわかったのです。最近では「コレステロール値が高い人ほど長生きする」というデータまであります。コレステロール値が低いほどがんの死亡率は高く、脳卒中のリスクも高くなるそうです。

◆コレステロール値が高いとどうなる? 低いとどうなる?

とはいえ、あまりにもコレステロール値が高い場合は治療が必要です。日本動脈硬化学会ではコレステロールの摂取を1日200 mg未満に制限しています。この数値は卵を1日1個しか取れない数値です。上述の「米国人のための食生活指針」に比べると、日本動脈硬化学会は血中にコレステロールや中性脂肪が多すぎる脂質異常症の人に対して、かなり厳しい制限を用いていると言えます。

一方、コレステロール値が低い場合には、うつ病やアルツハイマーを引き起こす可能性があることも分かってきました。コレステロールが不足すると、情動に関係する脳内物質セロトニンが不足し、うつ病やアルツハイマーの原因となってしまうのです。

このセロトニンの量で、感情の変化が起こるのです。止血作用があるので血栓を起こす原因にもなりますが、逆に少な過ぎるとうつ状態を招くとされます。

◆コレステロールと食品

コレステロールが高い食品といわれると、まず「卵」が思い浮かぶのではないでしょうか。これまでは、卵はコレステロールが高いので食べ過ぎてはいけないというのが一般常識でした。

しかし、1日に卵を2個以上摂取したグループとほとんど摂取しないグループで健康面を比較した実験では、両者に違いはありませんでした。死亡率を比べても有意な差は認められませんでした。シドニー大学のニコラス・フラー氏も、「卵を週に12個、3か月間摂取した糖尿病患者のコレステロール値は、週に2個未満のグループと変わらなかった」との研究成果を発表しています。

食べ過ぎると危険というより、むしろ最近では卵は完全栄養食として扱われています。卵には人間に必要な20種類のアミノ酸がほぼ完ぺきなバランスで含まれているのです。タンパク質や脂質、ビタミン類の他、脳の老化を防ぐとされるレシチンも含まれています。コレステロール値を気にするよりも、こちらの栄養の方を重視した方がよさそうです。

現にイギリスのFSA (食品基準庁)は、卵の摂取量の上限値を2015年より撤廃しました。

◆気をつけるべきもの

ここまでで、コレステロールについてはそこまで気にしなくても良いことがわかったと思います。それよりも気をつけるべきなのは「飽和脂肪酸」、「糖分」、「ナトリウム(塩分)」の取りすぎです。特にナトリウム(塩分)に関しては、日本人は注意が必要です。一般の人の食塩摂取量を、男性で1日9g未満、女性で7.5g未満に抑えましょう。日本高血圧学会は1日6g未満を推奨しています。

米国のMayo・クリニックのHPでは、加えて、血中コレステロールに影響する「喫煙」や「運動不足」にも気をつけて欲しいと忠告しています。

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まとめ

いずれにしろ、直近の研究では血液中の総コレステロール量については、以前ほどの深刻な注意喚起が少なくなったのは事実のようです。しかしながら、LDLコレステロール値は、130 mg/dl 以下で、 HDLコレステロール値は60 mg/dl 以上が必要とされています。また、LDLコレステロール値は、100 mg/dl 以下がより「心臓病のリスク」を減らすことが出来るとしています。

バランスよく各栄養素を正しい食材から摂取することがより大切なんですね!

(By ゼウス23世)

 

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