はじめに
皆さんは「イヌサフラン」という植物をご存じですか?
美しい花を咲かせる一方で、危険な一面も持つこの植物。
今回は、このイヌサフランの基本情報や別名、見分け方、そして活用方法まで幅広くご紹介いたします。
イヌサフランとは?基本情報と特徴
イヌサフランは、学名を「Colchicum autumnale」といい、かつてはユリ科に分類されていましたが、現在はイヌサフラン科に属しています。
原産地は、ヨーロッパ中南部から北アフリカです。
日本には明治時代に渡来し、園芸植物として広く植えられるようになりました。
特徴的な生態
- 多年生の球根植物
- 球根の直径は3〜5cm程度の卵形
- 9月から10月に15cm程度の花茎を伸ばし開花
- 翌春に20〜30cmほどの葉を根生する
- 耐寒性が強く、何年も植えたままで開花可能
イヌサフランの花は、アヤメ科のサフランに似ていることから「秋のクロッカス」とも呼ばれています。
しかし、名前や見た目が似ているからといって、サフランと同じ植物ではありません。
この違いは重要なので、覚えておきましょう。
イヌサフランの別名や見分け方
イヌサフランは別名で「コルチカム」「オータムクロッカス」と呼ばれることがあります。
では、重要な見分け方についてみてみましょう。
イヌサフランは、他の植物と間違えやすいことで知られています。特に注意が必要なのは以下の植物です。
- 葉:ギョウジャニンニクと類似
- 球根:ジャガイモやタマネギと間違えることがある

左:ギョウジャニンニク 右:イヌサフラン
見分けるポイントとしては、以下の特徴に注目しましょう
- 花の色:一般に淡紫紅色(白色や濃い藤色の品種もある)
- 開花時期:秋(9月〜10月)
- 葉の生え方:花が咲いた後に葉を伸ばし、6月頃に枯れる
- 球根の形:卵形で直径3〜5cm
イヌサフランの健康効果と活用方法
イヌサフランには、一般的な健康効果はないようです。
しかし、イヌサフランには、コルヒチンというアルカロイドが含まれています。
これは鎮痛薬として使用されることがあります。
イヌサフランは有毒植物なので、誤って食べてしまうと、以下のような中毒症状を引き起こす可能性があります。
- 嘔吐
- 下痢
- 皮膚の知覚減退
- 呼吸困難
- 重症の場合は死亡することもある
過去には、イヌサフランを食用植物と間違えて食べてしまい、中毒症状を起こした事例が報告されています。
特に球根や葉を誤食するケースが多いようです。
安全な活用方法
イヌサフランは危険性が高いため、一般的な活用方法はあまりありませんが、その美しい花を観賞用として楽しむことができます。
観賞用としての活用方法の注意点をみてみましょう。
- 子供や認知障害のある人の手の届かない場所に植える。
- 家庭菜園とは別の場所に植える。
- 食用植物と一緒に植えない。
まとめ
イヌサフランは美しい花を咲かせる魅力的な植物ですが、同時に危険性も併せ持っています。
「コルチカム」や「オータム・クロッカス」という別名も覚えておくと、より理解が深まりますね。
観賞用として楽しむ際は、誤食を防ぐための注意が必要です。
美しさと危険性、両面を理解した上で、イヌサフランとの付き合い方を考えてみてはいかがでしょう。