日本でも身近な存在のカブ。春の七草の“スズナ”は、カブのことですね。
カブの歴史は古く、古代ギリシャ時代から栽培されていたと言われています。原産国はアフガニスタンやヨーロッパ南西部など諸説あります。日本には縄文時代に伝来し、日本の歴史でも古くから馴染みのある野菜です。
カブの旬は春と冬の2回、どちらかと言えば、甘味が増してより美味しくなるのは、冬の今の時期です。
今回は、カブの栄養素とは?根と葉の比較、カブの根や葉の食べ方、レシピ10選をご紹介したいと思います。
この記事の目次
カブの栄養素
カブは、アブラナ科アブラナ属で、白菜やチンゲンサイ、菜の花、キャベツの仲間です。根の部分と葉の部分に分類でき、白い根の部分は(正式には胚軸と言われる、丸い白い部分)淡色野菜として、葉の部分は緑黄色野菜として扱われます。それぞれ栄養素が異なり、異なった効果効能も期待できます。カブは、赤白大小、かなりたくさんの品種があり、品種によっては、主に葉を食べるものもありますが、最も一般的なカブと言えば、白い子カブを指すようです。
【1】カブの栄養価 ~根(胚軸)と葉との比較~
日本食品標準成分表2015年版(七訂)
カブの根(生、皮付)、葉(生)可食部100g当たりの数値
データ引用元:文部科学省 食品データベース(https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html)
食品成分 |
根(生、皮付) 可食部100g 当たりの数値 |
可食部100g 当たりの数値 |
単位 |
エネルギー |
20 |
20 |
kcal |
水分 |
93.9 |
92.3 |
g |
タンパク質 |
0.7 |
2.3 |
g |
脂質 |
0.1 |
0.1 |
g |
炭水化物 |
4.6 |
3.9 |
g |
灰分 |
0.6 |
1.4 |
g |
|
|
|
|
ナトリウム |
5 |
24 |
mg |
カリウム |
280 |
330 |
mg |
カルシウム |
24 |
250 |
mg |
マグネシウム |
8 |
25 |
mg |
リン |
28 |
42 |
mg |
鉄 |
0.3 |
2.1 |
mg |
亜鉛 |
0.1 |
0.3 |
mg |
銅 |
0.03 |
0.10 |
mg |
マンガン |
0.06 |
0.64 |
mg |
ヨウ素 |
– |
6 |
μg |
セレン |
– |
3 |
μg |
クロム |
– |
1 |
μg |
モリブデン |
– |
16 |
μg |
|
|
|
|
α-カロテン |
0 |
0 |
μg |
β-カロテン |
0 |
2800 |
μg |
β-クリプトキサンチン |
0 |
41 |
μg |
ビタミンD |
0 |
0 |
μg |
ビタミンE |
0 |
3.3 |
mg |
ビタミンK |
0 |
340 |
μg |
ビタミンB1 |
0.03 |
0.08 |
mg |
ビタミンB2 |
0.03 |
0.16 |
mg |
ナイアシン |
0.6 |
0.9 |
mg |
ビタミンB6 |
0.08 |
0.16 |
mg |
ビタミンB12 |
0 |
0 |
μg |
葉酸 |
48 |
110 |
μg |
パントテン酸 |
0.25 |
0.36 |
mg |
ビオチン |
– |
2.7 |
|
ビタミンC |
19 |
82 |
mg |
|
|
|
|
水溶性食物繊維 |
0.3 |
0.3 |
g |
不溶性食物繊維 |
1.2 |
2.6 |
g |
食物繊維合計 |
1.5 |
2.9 |
g |
|
|
|
|
オレイン酸 |
0 |
0 |
mg |
リノール酸 |
12 |
4 |
mg |
α―リノレン酸 |
40 |
28 |
mg |
カブの根(胚軸)と葉の部分では、栄養成分の種類も量も大きな差があります。
実際に数値を比較してみると良くわかりますが、普段調理する際に処分してしまいがちな葉は、根(胚軸)部分よりもはるかに豊富な栄養が詰まっていることがわかります。ほとんど全ての栄養成分において、葉の部分の数値のほうが大きく、多くの栄養成分において根よりも葉の方が3倍以上の数値を示しています。
【2】カブに含まれる特徴的な栄養素
(1) 根(胚軸)
カリウム、アミラーゼ(ジアスターゼ)などが豊富に含まれます。
カブの根に特別に含まれている成分のアミラーゼは、別名ジアスターゼといい、消化酵素の一つです。アミラーゼは、唾液に含まれる成分で、デンプンの分解を行いますので、胃腸の働きを助け、消化不良や胃もたれ、食欲不振などに効果があります。
また、葉と共にカリウムが豊富に含まれ、余分な塩分を排出してむくみを改善し、血圧を下げる効果、生活習慣病予防、筋肉の働きを維持する効果が期待できます。
(2) 葉
β—カロテン、ビタミンC、カルシウム、カリウム、カルシウム、鉄、食物繊維などが豊富に含まれています。
カブの葉に含まれるβ-カロテンは、体内でビタミンAに変化し、主に皮膚や粘膜、目の健康を維持します。また、抗酸化作用がるので、有害な活性酸素を除去し、老化やがんの予防に効果的です。同様に、カブの葉に含まれるビタミンCにも、抗酸化作用や皮膚や粘膜の健康維持に効果があるため、両者の相乗効果で美容などの面へのアプローチもできます。
他にも、カルシウムや鉄などのミネラル分も多く、骨粗鬆症予防や貧血予防にも効果があります。また、食物繊維も豊富ですので、便秘改善の効果も期待できます。
カブを使ったレシピ10選
【1】カブのマリネ
カブの根の栄養には、熱に弱いビタミンCやアミラーゼなどが含まれています。このような熱に弱い栄養成分を余すことなく摂取したいならば、生食がおすすめです。こちらのレシピは、オリーブオイル、白ワインビネガー、塩のみの調味料を使ったシンプルなマリネです。糖質を使用していませんので、糖質制限している方にもおすすめです。
参考レシピ ⇒ E・レシピ
【2】ほっとおいしい☆カブとベーコンのスープ
ゴロゴロと大きくカットした甘く柔らかいカブが味わえるスープです。
始めに鍋にベーコンと薄切りにした玉ねぎを炒めます。玉ねぎがしんなりしたところで、鍋に水を加え固形スープの素と大きめにカットしたカブを入れ、柔らかくなるまで煮込みます。最後に葉を入れて軽く火を通し、醤油を加えて味を調えれば完成です。
参考レシピ ⇒ クックパッド
【3】カブの丸ごとポタージュ
こちらは、カブを使ったペースト状のポタージュスープです。カブの根も葉も全て入れます。まず、スライスした玉ねぎとにんにくをしんなりするまで炒めます。水、カブ、スープの素を加え、柔らかくなるまで煮込みます。次に、カブの葉と、とろみ付けのためのご飯を加え、火を通します。火が通ったら、ミキサーで滑らかになるまで撹拌し、牛乳と薄口醤油、バター、ナツメグを加え、塩胡椒で味を調えたら出来上がりです。
参考レシピ ⇒ E・レシピ
【4】簡単!かぶの挽肉トロトロあんかけ
冬の料理の定番煮物、カブの挽肉あんかけです。鍋に酒、砂糖、醤油、顆粒だし、水を入れ、8等分にカットしたカブの根と葉、挽肉を入れて煮込みます。煮えたら水溶き片栗粉で絡めて完成です。味のしみたカブがとても柔らかく、ほっとする和の煮物です。
参考レシピ ⇒ クックパッド
【5】豚バラとかぶの塩炒め
調味料は、塩、コショウ、酒のみ、シンプルな味付けで、素材の味が十分に楽しめる一品です。まず、食べやすい大きさにカットして、酒と片栗粉をまぶしておいた豚肉をフライパンで炒めます。次にカブの根を入れてサッと炒め、酒を入れてこんがりと焼き上げます。カブの葉も加えてサッと炒め、塩とコショウで味をつけたら完成です。豚肉の旨みをカブが吸い込んだ絶妙な味わいです。
参考レシピ ⇒ レタスクラブ
【6】カブのクリームグラタン
カブは皮を剥いて3mmの輪切りに、ベーコンは2cmにカットします。生クリーム、塩コショウ、ナツメグを合わせてソースを作ります。グラタン皿にバターを塗り、カブ→塩コショウ→チーズの順に2段繰り返し、3段目にカブを並べ、生クリームのソースを注ぎ、チーズを振り掛け、オーブンで焼きます。生のカブをそのまま使いますので、カブは薄めにカットし、3段以上は積み上げないことが、失敗しないコツです。チーズとクリームとの相性抜群なカブならではのグラタンです。
参考レシピ ⇒ 日本テレビ
【7】ベーコンとかぶのクリームパスタ
豆乳を使った、あっさりとしたクリームパスタのご紹介です。フライパンにカットしたベーコンを炒め、次にいちょう切りにしたカブを炒めます。茹でたスパゲティと、豆乳・小麦粉・コンソメ顆粒、パスタの茹で汁を加え、全体に混ぜ、塩とコショウで味を調えたら完成です。小麦粉を入れることで、ソースにとろみが付き、スパゲティに良く絡みます。ベーコンの旨みをたくさん吸収したカブが絶品です。
参考レシピ ⇒ クックパッド
【8】かぶの葉とじゃこのふりかけご飯
カブの葉やじゃこ、ごまを使った栄養たっぷりのふりかけのレシピです。
フライパンに油を熱し、小口切りにしたカブの葉を入れて炒めます。始めに酒・水を加え少し煮込んだ後、じゃこと削り節、薄口醤油とみりんを加え汁けがなくなるまで炒めます。最後にいりごまを加えて完成です。常備菜として、作って置いておくと、とても便利ですね。ご飯が何杯でも食べられそうです。
参考レシピ ⇒ オレンジページ
【9】かぶの葉の煮びたし
カブの葉は3~4cmの長さに切り、ごま油でさっと炒めます。鍋にカットした油揚げ、出し汁、砂糖、醤油を入れ煮汁が半量になるまで煮詰めます。そこに炒めておいたカブの葉を入れて、さっと温めたら完成です。意外と難しいのが煮びたしの煮込み時間。こちらのレシピでは、炒めておいたカブの葉を、煮汁に入れてサッと温めるだけの作り方を紹介していますので、煮込み過ぎの失敗を防ぎ、カブの葉の食感が程よく残るおいしい煮びたしが簡単に作れます。
参考レシピ ⇒ レタスクラブ
【10】かぶの葉のにんにく炒め
カブの葉のみを使った青菜炒めです。スピード料理なので、忙しい時のあと一品におすすめです。にんにくと赤とうがらしを弱火で熱して、オイルに香りを移します。次にねぎを加え、カブの葉を火通りの悪い茎から順番に炒めます。塩・こしょう・出し汁、酒を加え水気がなくなるまで炒めます。最後にごま油を振り掛けて完成です。
参考レシピ ⇒ レタスクラブ
カブの栄養素、人気レシピまとめ
根の部分も葉の部分も食べることのできるカブは、捨てるところのない万能野菜です。
普段調理する際に処分してしまうことの多い葉ですが、実際には、根(胚軸)部分よりもはるかに豊富な栄養が詰まっていますので、上手に活用し使い切りたいですね。
根の部分は、アクが少なく加熱せずに食べることのできる料理にも向いていますし、火を通せば甘く柔らかいので、とても美味しく頂けます。
一方、葉の部分はアクが強いため、加熱して食べることが基本となりますが、栄養が豊富ですので、是非食べて頂きたい部分です。炒め物やお浸し、汁物などに使うことができますので、いろいろな料理に使って余すところなく栄養素を摂取したいですね。
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(By ディオニソス)