洋食レストランでは、もうメジャーになっているルッコラ。日本には1990年代のイタリアン料理ブームの時に広く知られるようになった比較的新しい野菜です。ルッコラは胡麻のような香りと、わずかな辛味や苦味が特徴、少しクセはあるけど栄養価が高い野菜です。
今回は、
- ルッコラとはどんな野菜?
- ルッコラが持つ栄養素
- ルッコラの食べ方レシピ(和風洋風レシピ)
をご紹介していきたいと思います。
この記事の目次
ルッコラとは?
ルッコラ(rucola)は、アブラナ科キバナスズシロ属の1種で一年草のハーブ野菜です。ルッコラは正式イタリア名で“ルッコラ・コルティヴァータ(Rucola Coltivata)”と呼ばれます。
因みに、ルッコラはフランス料理ではロケット(roquette)、英語圏でもロケット(rocket)とも呼ばれ、白に近いクリーム色の花が咲くことから日本語(和名)では「キバナスズシロ」と呼ばれています。
ルッコラの原産は、地中海沿岸で、古代ギリシャやローマなどでも食用とされて栽培も盛んでした。また、古代エジプトでも食用とされており、クレオパトラも好んで食べていたという話も残っています。1990年代のイタリアン料理ブームに乗って、日本でもルッコラの名称が広く一般的に知られるようになりました。胡麻のような香りと、わずかな辛味や苦味が特徴です。
ワイルドルッコラと呼ばれる似た野菜があって、食べ方や味なども似ていますが、植物学的にはワイルドルッコラとルッコラは別の種類になります。
ルッコラの旬は年に2回、地中海沿岸の気候に近い温暖な時期の春(4~5月頃)と秋(10~12月頃)です。
ルッコラが持つ栄養素とは
<1> ルッコラの栄養価
↓↓ 日本食品標準成分表2015年版(七訂)
食品成分 |
数値 |
単位 |
エネルギー |
19 |
kcal |
水分 |
92.7 |
g |
タンパク質 |
1.9 |
g |
脂質 |
0.4 |
g |
炭水化物 |
3.1 |
g |
灰分 |
1.5 |
g |
|
|
|
ナトリウム |
14 |
mg |
カリウム |
480 |
mg |
カルシウム |
170 |
mg |
マグネシウム |
46 |
mg |
リン |
40 |
mg |
鉄 |
1.6 |
mg |
亜鉛 |
0.8 |
mg |
銅 |
0.07 |
mg |
マンガン |
0.69 |
mg |
|
|
|
α-カロテン |
0 |
μg |
β-カロテン |
3600 |
μg |
β-クリプトキサンチン |
0 |
μg |
ビタミンD |
0 |
μg |
ビタミンE |
1.4 |
mg |
ビタミンK |
210 |
μg |
ビタミンB1 |
0.06 |
mg |
ビタミンB2 |
0.17 |
mg |
ナイアシン |
0.5 |
mg |
ビタミンB6 |
0.11 |
mg |
ビタミンB12 |
0 |
μg |
葉酸 |
170 |
μg |
パントテン酸 |
0.55 |
mg |
ビタミンC |
66 |
mg |
|
|
|
水溶性食物繊維 |
0.3 |
g |
不溶性食物繊維 |
2.3 |
g |
食物繊維合計 |
2.6 |
g |
|
|
|
オレイン酸 |
0 |
mg |
リノール酸 |
15 |
mg |
α―リノレン酸 |
54 |
mg |
日本食品標準成分表2015年版(七訂)
ルッコラ可食部100g当たりの数値
データ引用元:文部科学省 食品データベース(https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html)
<2> ルッコラの栄養素5つの特徴
① アリルイソチオシアネート
ルッコラの辛味は、アリルイソチオシアネートという成分によるもので、大根や辛子、わさびなどと同様の辛味成分です。非常に強い抗酸化作用と殺菌効果、食欲増進効果があります。また、唾液や胃液の分泌を促進させ、消化不良や腸の働きを整える効果があります。
アリルイソチオシアネートは、ルッコラに含まれる配糖体(シニグリン)と、咀嚼などにより細胞壁が壊れることで放出される酵素(ミロシナーゼ)が混ざることで生成されます。ただし、このミロシナーゼは、刻んだりすり潰したりして細胞壁が壊れていない状態で、加熱されてしまうとイソチオシアネートが生成できなくなりますので、刻んだ後に加熱するなどの工夫が必要です。
② カルシウムやマグネシウム
ルッコラは、カルシウムやマグネシウムなど、一日の所要量を満たすことができず、不足しがちなミネラルをたくさん含みます。カルシウムは、骨や歯の形成に関係しますが、それだけでなく精神の安定やホルモン分泌を調整、代謝活性や免疫力を高めるなど様々な働きがあります。また、マグネシウムは体の中で、約300種類もの酵素反応に関与するなどの働きがあり、不足すると体内の化学反応が円滑に行われなくなり疲労やイライラ等の症状の原因となります。どちらも必須ミネラルで、摂取しなければ、身体の不調を起こしてしまいます。
③ β—カロテン
ルッコラにはβ—カロテンが非常に豊富に含まれています。β-カロテンは、美肌効果、ガン予防、夜盲症の予防や改善、活性酸素の抑制などの効果があります。
ルッコラには、他にもビタミンC、Eなどを含み、身体の酸化を防ぐ効果があるため、β-カロテンとの相乗効果で優れた抗酸化作用を発揮します。
④ ビタミンC、E、K、その他のビタミン類
ルッコラに含まれるビタミンCはホウレン草の約2倍で、風邪予防や疲労回復効果が期待できます。他にも、ビタミンKなども豊富に含まれています。ビタミンKの主な作用は、出血時に血液を固める作用や骨にカルシウムが沈着するのを助ける作用です。
またルッコラは、β—カロテン、ビタミンC、E、その他のビタミン類を豊富に含むため、美容効果の高い野菜として有名です。古代エジプトの女王クレオパトラも、美容のために好んでルッコラを食べていたという話も残っているそうです。
⑤ 硝酸塩
ルッコラは、硝酸塩濃度が高くレタスなどと比較すると2倍程度あると言われています。そのため、EU(欧州連合)などでは1日の摂取目安量を50gまでとしています。ただ、ルッコラは、妊婦さん、妊娠したい方、お子様などどのような方でも摂取しても健康に影響はありませんので、他の食品とのバランスを考えながら適量を摂取するようにしたいですね。
ルッコラを使った和風洋風レシピ12選
サラダやパスタなどの洋風イメージが強いルッコラですが、他にも、お浸しや胡麻和えなどの和食など、色々な分野の料理に使用できる食材です。今回は、サラダをはじめ、加熱調理するレシピなど、様々な調理方法でご紹介いたします。
(1)ルッコラのサラダ
ルッコラのみのサラダも美味しいですが、他の野菜を混ぜてもとても美味しく頂けます。ルッコラの苦みが苦手な方にオススメの食べ方です。レタスなどを一緒に合わせたり、ドレッシングにオイルやチーズなどを使ったりすることで、ルッコラの苦みが和らぎます。ルッコラに豊富に含まれている、β-カロテンは、脂溶性のビタミンなので、ドレッシングなどのオイルと一緒に摂取することで、効率的に摂取できます。
参考レシピ ⇒ E・レシピ
(2)ルッコラとツナのサラダ
ツナを使った満足感も味わえる定番のサラダです。ルッコラは、食べやすい長さにカットし、汁を切ってほぐしたツナ缶、ごま油、酢、塩胡椒を和えます。即席で作ることができるので、時間がない時のあと1品に最適です。
参考レシピ ⇒ レタスクラブ
(3)ルッコラのニンニク炒め
ルッコラ、オリーブオイル、にんにく、塩・胡椒というとてもシンプルな組み合わせの炒め物です。ルッコラは、オリーブオイルやにんにくとの相性も抜群で、炒めることで辛味などはほとんどなくなっていきます。炒めることで、嵩が少なくなりますので、ルッコラがたくさんあって、サラダでは消費しきれない時などにもおすすめです。野菜をたくさん食べることができます。
参考レシピ ⇒ クックパッド
(4)ルッコラのおひたし
3分で完成する嬉しいお浸しです。ルッコラはイタリア料理や洋風料理だけでなく、和食にも使用できる食材です。火の通りが早く、熱湯に入れて30秒ほどで湯を切ります。その後、手で水分を搾り、ポン酢と和えます。最後にかつお節とお好みで大根おろしを乗せれば完成です。さっぱりとしたポン酢とルッコラがよく合います。
参考レシピ ⇒ クックパッド
(5)ルッコラを和風に。胡麻和え
もう一品、定番和食の副菜のご紹介です。ルッコラは、生でも食べることのできる食材なので、湯にサッと晒すような感じで湯がけば完了です。後は、水分を搾り、すり胡麻・醤油・砂糖で作った和え衣と和えればできあがりです。ルッコラの方が、ほうれん草や菜の花などよりも調理しやすく扱いやすいかもしれませんね。
参考レシピ ⇒ クックパッド
(6)刻んで混ぜるだけ|ルッコラごはん
ルッコラで作る菜飯です。こちらのレシピでは、生のルッコラを使っています。調味料には、コンソメ、パウダー状のにんにく、パウダー状の生姜、塩胡椒とオリーブオイルを使います。洋風の味付けで、ピラフのような感覚です。生のルッコラを使用するため辛味や苦味が残りますが、苦手な方は、刻んだルッコラと調味料、オリーブオイルとを炒めた後、ご飯と合わせると辛味や苦味も和らぎます。
参考レシピ ⇒ 楽天レシピ
(7)生ハムとルッコラの巻き寿司
ルッコラと生ハムを使用した洋風の巻き寿司です。生ハムの塩気があるので、味付けは粒マスタードのみです。フワフワとした葉物野菜を巻き込むときは、指先でギュッと押さえて巻き込むと、カットした時に綺麗で、形も崩れません。酢飯とルッコラと生ハムという新しい組み合わせを是非お試しください。
参考レシピ ⇒ E・レシピ
(8)ルッコラとチーズのイタリアン風たまご焼き
ルッコラと卵の相性は抜群で、オムレツなどにルッコラを使用することもよくあります。こちらのレシピでは、チーズとオリーブオイルを合わせてイタリアン風にしたたまご焼きです。色合いもとても綺麗なのでお弁当にも最適です。いつもの卵焼きに飽きたら、チーズとオリーブオイルを使ったイタリアン風たまご焼きはいかがですか?
参考レシピ ⇒ クックパッド
(9)ルッコラのロケットスープ
炒め玉ねぎと、ルッコラ、ブイヨン、お湯、お好みで牛乳などをミキサーに入れて撹拌します。鍋に入れて生クリームと塩胡椒で味を整えたら完成です。ルッコラは、生のまま使用していますので、冷静スープにする場合、熱に弱い栄養素も全て摂取することができます。もちろん、寒い日は温かくして召し上がっても美味しく頂けます。スープスパゲティ用のスープとしても、リゾットにしてもアレンジもたくさんできます。
参考レシピ ⇒ クックパッド
(10)ルッコラのパスタ
サラダ感覚で頂けるパスタです。ルッコラの茎の部分は、火を通し、葉は生のまま頂きます。にんにく、オリーブオイル、アンチョビ、白ワインで作ったソースに、ルッコラの茎を入れます。そこに、表示時間の1分程度短く茹でたパスタと茹で汁を加え絡めます。最後にルッコラの葉と、チーズを散らして完成です。
参考レシピ ⇒ オーシャンナディア
(11)超簡単!ミニトマトとルッコラのパスタ
ルッコラとミニトマトを使ったアーリオオーリオです。オリーブオイルとにんにく、鷹の爪をフライパンに入れ、弱火でじっくりとオイルに香りを移します。ミニトマトを入れて炒め、パスタが茹であがる直前に茹で汁を入れて合わせておきます。そこに、茹であがったパスタ、ルッコラを加えて素早く混ぜ合わせて出来上がりです。サッと作ることのできる、簡単なスパゲティ、時間のない時におすすめです。
参考レシピ ⇒ クックパッド
(12)ルッコラで絶品ソース~ジェノベーゼ風
使い道も幅広い、ルッコラで作るソースです。材料は、ルッコラの葉、オリーブオイル、パセリ、ミックスナッツ、にんにく、塩、パルメザンチーズです。ルッコラの葉は、柔らかいものなら生で、硬めならば湯がいて使います。全ての材料をミキサーに入れ、撹拌して出来上がりです。パスタソースとして、パンの生地に混ぜたり、ピザソース、サラダソース、魚料理のソースなどアレンジ自在です。作り置きしておくと、心にゆとりができそうです。
参考レシピ ⇒ クックパッド
ルッコラとは?栄養素、人気レシピまとめ
洋風イメージが強いルッコラですが、お浸しや胡麻和えなど和食の食材として、試してみたいレシピがたくさんあります。
ルッコラは、生で食べることも出来て、火の通りも良いため、調理の扱いが簡単、即席で作ることができます。栄養価も高く、不足しがちなミネラルやビタミンが豊富なので、お子様にもおススメです。
是非積極的に摂取してみませんか?
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(By ディオニソス)