食材の旨みを引き出したり、風味をよくする「燻製」。
時間のある休日などに、自宅でも作ってみたくなることはありませんか?自宅で作る自家製の燻製は、市販品の燻製とは比較にならないほど絶品です。
今回は、燻製の作り方、燻煙材の特徴と食材の相性、ベーコンやチーズの燻製の作り方をご紹介したいと思います。
この記事の目次
まず知っておきたい燻製の作り方、大きな3つの方法とは?
【1】時間と温度でわかれる燻製の作り方3選
燻製の作り方には燻煙時間と温度によって3つに分けられます。
(1)熱燻(ねつくん)
80℃以上の高温で1時間程度燻煙していきます。深めのフライパンや土鍋などで代用可能。
キャンプなどのアウトドアでも、この方法で燻製が楽しめます。素材の水分が多く残る燻製方法で、とてもしっとりジューシーな仕上がりになります。そのため、保存性を目的とせず、風味や旨味を楽しむことが一番の目的となる燻製方法です。
(2)温燻(おんくん)
3つの燻製方法の中では、一番ポピュラーな燻製方法になります。
50~80℃の温度で1~6時間程度燻煙させます。熱燻よりもジューシーさは劣りますが、保存が数日から1週間程度効くようになります。
(3)冷燻(れいくん)
25℃以下の低温のまま、長時間燻煙させていきます。ほとんどの水分が抜けとてもドライに仕上がり、結果、長期保存が可能となります。日本では、春~秋の季節には、外気や燻製器の中が25℃を軽く超えてしまうため、寒い時期にしか作ることができない燻製方法になります。大きな燻製器を使用しますが、段ボールなどで代用することも可能です。
【2】 燻製の作り方、基本的な工程
本格的な燻製は、1日で完成するものは少ないため、計画的に行うことが必要です。 “下処理~塩漬けと塩抜き~風乾~燻煙”というのが、燻製の基本的な工程になります。
<下処理>
魚であれば、内臓やエラ、血合いなどを取り除きます。肉なら、余分な脂肪や血管、筋などを取り除いていきます。仕上がってからの保存にも影響してくるので、この工程は丁寧に行います。
<塩漬けと塩抜き>
塩漬けには、直接塩を塗り込む“ふり塩”という方法と、調味料やスパイスを加えた塩水の“ソミュール液”に浸すという2種類の方法があります。
塩漬けは、食材から余分な水分を抜き腐敗予防をすることと、食材の旨みを凝縮することが目的になります。塩漬けが終了したら、次は塩抜きです。
塩抜きは、余分な塩分を取り除くこと、塩漬けすることで食材からあふれ出た余分な成分を洗い落とすことが目的になります。
<風乾>
風に当てて、食材を乾かしていきます。風乾することで、食材の腐敗を防ぐこと、そして食材をしっかり乾燥することで、燻製の煙が絡みやすく色付きをよくすることを目的とします。風乾が不十分だと、色も味も悪くなります。
<燻煙>
食材の風乾が終わったら、いよいよ燻煙の開始です。
燻製用のチップやウッドなどを用いて食材をスモークしていきます。煙に含まれている成分により、香りを付けたり、旨味を引き出したり、また殺菌の効果もあります。燻煙後は、少し時間を置いた方がスモークの香りがより食材に馴染み、美味しくなります。
知っておきたい!燻製材の特徴と食材の相性
燻煙材種類 |
特徴 |
相性の良い食材 |
サクラ |
割と強い香りが付き、クセのある食材向き |
豚肉、羊肉、さんまなど |
リンゴ |
香りが甘くやわらかく上品 |
クセのない白身魚や鶏肉など、たんぱくな食材 |
クルミ |
香りにクセが無く、色合いも無難 |
肉類・魚類など幅広い食材 |
ナラ |
優しい香りを付け、色付きも良い |
魚類、チーズ |
ブナ |
色付きが良い |
魚類、ハム・ソーセージ |
ヒッコリー |
北米で古くから使われる個性的な香り |
肉全般、ハム・ベーコン、スモークサーモン |
ホワイトオーク |
ウイスキーの古樽を燻煙材に使用するため、ウイスキーの甘い香りとほのかな渋みのある香り |
クセのない白身魚や鶏肉など、たんぱくな食材 |
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ベーコンの燻製の作り方
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<材料>
- 豚ばら肉ブロック(できるだけ脂身の少ないもの) 1000g
- A 塩 35g
- A 三温糖 10g
- A黒コショウ(あらびき) 10g
- Aオールスパイス 小さじ1
- Aセージ 小さじ1
- Aナツメグ 一振り
- Aシナモン 一振り
- Bローレル 5~10枚程度
※塩・黒コショウ・三温糖・ローレル以外のスパイス類はお好みで大丈夫です。
<必要な道具>
- スモーカー 小型~中型
- 燻煙材 ヒッコリーやサクラなど
- 熱源 電熱器や炭など
- 肉刺し器 フォーク、金串で代用可
- ジップロック 肉の入る大きさで。無い場合はポリ袋で代用可
- 干しかご 風乾用のもの。他のもので代用しても良い
<作り方>
~ 1日目 ~
- ① 豚バラ肉を水洗いし、終わったらペーパータオルなどで表面の水分をしっかり拭き取ります。(燻製までの間に雑菌が繁殖しないように、血液などが残らないように丁寧に洗います。)
- ② 塩がしみ込みやすいように、フォークなどを使って肉に穴を開けます
- ③ Aの塩・三温糖・スパイス類をよく混ぜ、②の肉にムラなく全体に揉み込むようにして刷り込みます
- ④ ③の肉をジップロックなどの袋に入れ、Bのローレルを細かくちぎりながら肉と一緒に袋に入れます。ジップロックをしめるときは、腐敗防止のために空気が入らないようにします
- ⑤ 冷蔵庫に入れます。
~ 5~7日目 ~
- ⑥ 冷蔵庫で5~7日程度ねかせ、熟成させます(1日1回程度、肉の上下をひっくり返します。)
~ 燻煙前日 ~
- ⑦ ⑥の肉を流水で2~3時間程度塩抜きします。水につけるだけの場合は、時間を長めにとってください(塩の抜き加減は、肉の隅を加熱して味を見ます。少し薄いくらいの味がちょうど良いです。)
- ⑧ 塩抜き後の肉の水分をしっかりと拭き取ります
- ⑨ 干しかごなどに入れて風通しの良い日陰で6時間くらい乾燥させます。(肉の表面がサラッとしたら完成です。)
~ 燻煙当日 ~
- ⑩ スモーカーの温度を50℃くらいにして、煙を当てずに1時間乾燥させます
- ⑪ ⑩の乾燥後、燻煙材を使用して燻煙を始めます。温度は50~70度未満、時間は4時間程度です。(時間は、色づきを見ながら判断します。)
- ⑫ 完成です!(もちろん、このまま食べても美味しいですが、スモーク直後は少々煙くさいですので、1日寝かせると落ち着いた味になります。)
~ 保存 ~
- 保存期間は、冷蔵保存で1週間程度、冷凍保存で1カ月程度です。
参照サイト ⇒ 燻製ガイド
【2】もうちょっと手軽に燻製ベーコン作りを楽しみたいあなたへおススメの作り方
燻製ベーコンを作ってみたいけど、特別な道具を揃えたり、色々な段取りに手間取るのはちょっと気が重い。。自宅にある道具や材料で、気軽に燻製ベーコン作りを楽しみたい方におすすめの作り方をご紹介いたします。
手づくり♪超簡単自家製燻製ベーコン♪
<材料>
- 豚ばら肉ブロック 300~500g
- 塩 肉重量の2.5%(1.5%)
- 胡椒 適量
- ローリエ 1枚
- 燻製チップ(麦茶パックでもOK) 大さじ1~2
<必要な道具>
- 蓋付きの深めのフライパンや土鍋
- ジップロックなどの袋
- アミ
- アルミホイル
<作り方>
- 豚ばら肉に塩・胡椒を揉み込み、ちぎったローリエを貼りつけジップロックなどの袋で密閉させます。
- 塩の濃度5%の場合は、5~7日、1.5%の場合は2日間熟成させます。
- フライパン(または土鍋)に燻製チップを敷き、その上にアルミホイルをのせて、網を置きます。(この時使用するフライパンは、燻製の臭いや焦げがついてしまうため、燻製専用のものを使用して下さい。燻煙時に肉汁がチップに落ちると煙が出なくなるため、アルミホイルをのせます。)
- 網に②の肉をのせて、蓋をします
- 極弱火で20~30分くらい燻します
- 完成です!
参考サイト ⇒ クックパッド
燻製チーズの作り方
チーズの燻製は、下味をつける手間もなく、燻製作り初心者でも、気軽に試すことができる食材の一つです。
今回紹介する方法では、スモーカーなどの燻製用器具を使いますが、家庭にある蓋付きフライパンや土鍋でも作ることができるので、燻製作りの第一歩として是非チャレンジしてみましょう。
<材料>
- プロセスチーズ(基本的にどのようなチーズでもいいですが、とろけるチーズのような融点の低いものは不向きです。)
- スパイスやハーブ お好みで
<必要な道具>
- スモーカー 中型
- 燻煙材 お好みで
- アミ 網目から下に落ちないもの
<作り方>
- お好みのチーズにスパイスやハーブ類をお好みで振り掛ける。
- ①のチーズを金網に載せます。
- 温度が上がり過ぎないように注意しながら燻煙します。燻煙時間は2時間程度です(他の食材と同時に燻煙しても良いです。燻煙時間が長すぎると乾燥してしまうため、注意します。)
参照サイト ⇒ 燻製ガイド
燻製の作り方、燻製ベーコン、チーズのレシピまとめ
家庭でも気軽に作ることのできる燻製の作り方がありましたね!
特に人気のベーコンやチーズ、まずは燻製づくりにチャレンジする方にもおススメの食材です。
チーズは、下処理に手間と時間はかかりますが、下味の処理が不要で、難しい工程もなく、ベーコンも初めての燻製づくりにもピッタリ楽しめます。
工程をシンプルにしたレシピも出ているのでぜひ参考にしてみてください。自分で作った自家製燻製の味や香りはまた格別!市販品とは違った逸品になること間違いなしです!
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(By ゼウス23世)