あなたは、毎日のお料理で、粉末状の“だしの素”を使っているでしょうか?
もちろん!
ですよね・・
和食の決め手は“だし”!
ですが、鰹節や昆布から丁寧に出汁をとるのが一番美味しいとはわかっていても、毎日の調理では簡単な「だし調味料」があるのだから使ってしまいます。
ところが、海外の方に言わせると、これら日本のだし調味料には、健康の問題も多く、これらを使っている日本の料理店には入りたくないのだ、とも聞いたことがあります。
- その日本のだしに含まれる危険性とは、どんなもの?
- 使用されている添加物のこと
- 見落としがちな塩分量について・・
今回はこれらについて、ご紹介していきたいと思います。
この記事の目次
料理に使う出汁について、粉末だしの素とは?
(1)和食に使われる本格出汁は何から摂る?
古くから和食に使う本格出汁のベースは主に4種類
- 「かつお」
- 「こんぶ」
- 「煮干し」
- 「しいたけ」
これらが基本の出汁ベースになります。
(2)本格出汁にかわる「粉末だしの素」とは
粉末のだしの素には、以下の3パターンの商品が市場には出ているので、まずは簡単に理解しておきます。
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2-1 「天然」だし商品
「天然だし商品」とは、かつお節や昆布などの「だし原料だけ」が入ってパックされた商品。
もちろん、料理の専門家からはこれらの評価が安全性、味ともに高くなりますが、その分、お値段は高くなります。
さらに、今の調理料ふんだんの食事の味に慣れきっている方には、味が薄くて物足りなさも感じてしまったり、また自然由来の商品なので、素材の出来によって味が左右されてしまうといった弱点もあります。
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2-2 「添加物入り」のだし商品
だしの原料が中心ではあるのですが、食塩や糖分、アミノ酸など「添加物」も加えられた商品。
添加物によって味がしっかり調えられて、仕上げられたものになります。
顆粒ものやパック商品なども売られています。
自然由来だけでは物足らない味の濃さを、しっかり補ってくれている、さらに、だし原料が中心だという安心感もあります。
お値段は中くらい。ただし、添加物の量やその内容をしっかりと押さえておきたい商品です。
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2-3 「だし調味料」商品
最後に「だし調味料商品」、一般にほんだし商品などがこの分野にあたります。
こちらは、中心が「だし」原料ではなく、添加物、調味料が中心となって、その風味を再現しています。食品原材料の記載を確認すると、左側から、食塩、調味料といったもの並んでいるのがわかります。
食品ラベルの原材料は、多いものから順に記載しなければならないというルールがあります。よって、左から多いモノ順で記されているので、食塩、調味料といったものが最初に書かれていたら、この分類の商品だということがわかります。
(3)具体的に商品をピックアップしてみましょう!
◇ 味の素(ほんだし)
<原材料名>
食塩、砂糖類(砂糖、乳糖)、風味原料(かつおぶし粉末、かつおエキス)、酵母エキス、小麦たん白発酵調味料、酵母エキス発酵調味料/調味料(アミノ酸等)
◇ ヤマキ(ほんだし)
<原材料名>
ぶどう糖、食塩、調味料(アミノ酸等)、風味原料(かつおぶし粉末、そうだかつおぶし粉末、乾しいたけ粉末、こんぶ粉末)、たん白加水分解物(小麦を含む)
⇒ これらの記載をみればわかるように、糖類や食塩が先に書かれていますよね。なので、これらの商品は、(3)の「だし調味料商品」ということがわります。
続いて
◇ 素材力だし®本かつおだし 35g
<原材料名>
風味原料(かつお節粉末、かつお節エキス粉末、かつおエキス粉末、昆布粉末、椎茸エキス粉末)、でん粉分解物、酵母エキス粉末、麦芽糖
こちらは風味原料というものが先に書かれています。つまり「かつお節粉末や昆布粉末などの分量が多く、(2)の「添加物入りだし商品」の分類ということになるかと思います!
「だし調味料商品」に含まれた危険性とは?
では、だしの素製品の何が危険だと言われているのでしょうか?
たしかに、成分表示を見ても、中身がなんだかチンプンカンプン!内容がよくわからないものも多く含まれているようです。
ここでは市販の粉末だしの素に使用されている添加物に関して、危険だと指摘されている(単なる可能性になりますが・・)ものの代表的な3つをご紹介します。
【1】調味料(アミノ酸等)
化学調味料である「調味料(アミノ酸等)」、化学調味料というのは、主に以下の4つに分類されます。
- アミノ酸系・・グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸カリウム、グルタミン酸カルシウムなど
- 核酸系・・・イノシン酸、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸、グアニル酸ナトリウムなど
- 有機酸系・・コハク酸、コハク酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム
- 無機塩系
調味料(アミノ酸等)と記述されているものは、これら4つの化学調味料のうち複数を組み合わせて使っています。
◇調味料(アミノ酸等)の危険性・症例
海外で一番知られている化学調味料による症例は、MSG(グルタミン酸ナトリウム)の症例です。
(1)中華料理店症候群と偏頭痛の危険性
1968年、アメリカの中華料理店で食事をした人が頭痛や歯痛、体のしびれなどの症状を発症し、調査したところ「グルタミン酸ナトリウム」が原因と判明。この症状を中華料理店症候群と言います。
2006年には、アメリカ健康情報サイトで、グルタミン酸ナトリウムを含む食品が偏頭痛を引き起こす原因の1つとなっていることを発表しました。
(2)脳神経への悪影響の危険性
グルタミン酸は、脳神経への悪影響が心配されています。特に胎児や乳幼児の脳が形成される間のMSG摂取は影響が大きいとも言われています。
米国のFDA(食品医薬品局)では、妊娠中にグルタミン酸ナトリウムを摂取する場合、医師のアドバイスを受けるように勧めています。
(3)味覚への影響
調味料(アミノ酸等)が添加された食品を食べ慣れてしまうと、しだいに食品本来の自然な味わいが感じられなくなり、味覚障害が出ることが恐れられています。
アメリカでは、幼児がグルタミン酸ナトリウムの調味料摂取することを「禁止」しています。
(4)痛風の発症
尿酸値の高い人が、イノシン酸ナトリウムやグアニル酸ナトリウムなどの核酸系の調味料を過剰摂取すると体質によって痛風を発症しやすいという危険性が指摘されています。
(5)加熱による発がん性物質の発生
化学合成で作られ精製されたグルタミン酸は、250℃以上に熱されると「発がん性物質」が発生するとされています。さらには、揚げ物や炒め物など油を使って調理する場合には180℃でも焦げてしまうことで発がん性物質の危険性が増します。
ですので、唐揚げや天ぷらなどの下味にグルタミン酸ナトリウムが含まれる場合はとても危険だと言われています。
(6)緑内障の原因となる可能性
2002年に弘前大学のラットの動物実験より、グルタミン酸ナトリウムを過剰摂取した場合、緑内障の原因になる可能性があると発表されました。
【2】酵母エキス
調味料(アミノ酸等)などの化学調味料を使っていません! と謳われた食品でも、意外にその代用として、この「酵母エキス」を使用したものも少なくありません。
“酵母”と聞くと、パンやビールの酵母菌、発酵食品などをイメージしやすいのでしょう。体に悪いものという印象があまりありません。むしろ、自然食品に近い感じもします。
しかし、粉末だしなどに入っている“酵母エキス”は、“酵母”とは全くの別のしろものなのです。
酵母エキスは、酵母原料からの抽出物をエキスにしたもの。精製処理をしていないので、酵母エキスは食品添加物ではなく食品の分類に入れられます。
しかし、その酵母原料は、パンやビールを製品化する過程で出来た酵母の「残りカス(産業廃棄物になるもの)」を使用しています。また、その製造過程を見る限り、人工的な食品添加物とあまり変わりないことが指摘されています。
◇酵母エキスの危険性
(1)食品アレルギーの発症
酵母エキス自体には毒性はありませんが、製造過程で除去できなかった不純物が多いために出るアレルギー問題です。
不純物というのは、ビール酵母の死骸や製造過程で生まれた不純物などを指します。
この不純物に対して、イーストコネクションと呼ばれるアレルギー症状を発症してしまう方がいます。
イーストコネクションの症状としては、皮膚の荒れや痒み、下痢など。また神経伝達にも支障が出る場合には、常にイライラ、怒りっぽくなり、鬱症状や記憶力低下なども引き起こすとされています。
(2)味覚障害
酵母エキスを多量摂取した場合、味覚障害を引き起こす可能性があることが指摘されています。
【3】 発酵調味料類
発酵調味料は食品添加物の分類ではなく、食品素材と呼ばれます。
発酵調味料は、お米や小麦、サトウキビなどの糖質を原料に、酵素や細菌によって発酵させたもの。味のベースを作るために添付される素材料です。
◇発酵調味料類の危険性
(1)抗生物質成分の使用
2005年セブンイレブンのサンドイッチに、ナイシンという抗生物質を乳酸菌発酵調味料として添加されていました。
食品衛生法では、抗生物質の食品への使用は禁止されており、発酵調味料という名前に覆われて使用されていたという例になります。
粉末だしの素による塩分量と一日の塩分摂取目安について
粉末だしの素には、使用される添加物以外にも、落とし穴があります。
それが「塩分量」
一般的な粉末だしの素は、主要成分のほとんどが塩分、糖分、化学調味料で占められています。そこに風味原料である「かつおエキス」や「かつお粉末」などが付け加えられています。
【1】粉末だしの素の平均的な塩分量
メーカーによって、その比率割合は様々なのですが、平均してみると、およそ塩分30%、糖分が25%、化学調味料が30%、その他15%とも言われています。
粉末だしの素の成分内容とその構成 (平均値)
「塩分」 「糖分」 化学調味料 その他
30% 25% 30% 15%
(注意1)『ナトリウム=塩分』ではありません
様々な食品パッケージの裏側に、原材料名や栄養成分表が表示されています。
栄養成分表の項目内には、ナトリウム量も記載されていますが、ナトリウムは、イコール塩分ではありません。ナトリウム量から食塩相当量を算出するには、計算が必要です。
<ナトリウム量からの計算式>
ナトリウム(mg)×2.54÷1000=食塩相当量(g)
【味の素のほんだし製品の例】
お味噌汁1杯に、ほんだし1.0gを使用した場合、ナトリウム含有量が160mgですので、食塩相当量に換算すると、およそ0.41gとなります。
(注意2) グルタミン酸ナトリウムに含まれる塩分量
グルタミン酸ナトリウムにもナトリウムが含まれています。外食をしたときに喉の渇きを強く感じることはありませんか?
これは、単に食べた食事の味付けが濃いというだけではなく、食塩の3倍料もの塩分を持つグルタミン酸ナトリウムを食べたことにもよります。
グルタミン酸ナトリウム1gには、ナトリウム分0.12gが含まれていて、上記の換算式に当てはめると、食塩相当量が0.31gということになります。
グルタミン酸ナトリウムは、食塩と同じナトリウム成分ですが、塩辛さをあまり感じないために、知らず知らずに、塩分の過剰摂取につながってしまう危険性があります。
高血圧や心臓病などの疾患がある方は、純粋に食塩量だけでなく、グルタミン酸ナトリウムのナトリウム量にも注意を向ける必要があります。
【2】一日の食塩摂取量目安とは?
生活習慣病の発症と重症化を予防するために、厚生労働省では、2015年4月より「1日の食塩摂取量目安」を設定しています。
それによると、、健康な成人男性で、1日の摂取量が8.0g未満、健康な成人女性で7.0g未満と定められています。
さらに、高血圧治療を要する方は6g以下、腎臓疾患患者の場合には、3~6g以内とされています。
塩分摂取において世界基準では、1日あたり5gとされており、実は日本の塩分摂取量目安は世界よりもさらに甘い基準となっているようです。
粉末だしの素(ほんだし)の危険性、塩分量まとめ
近年、食に関する研究がどんどんと進んできており、以前は安全だとされていた成分が、突然危険物とみなされるケースも少なくないようです。
油の分野でも、以前は積極的に摂取するよう言われていたオメガ6脂肪酸が今では悪者扱いになっています。
コンビニ弁当や加工食品に含まれる食品添加物はいろいろ多く問題が指摘されるようになってきていますが、 粉末だしの素や調味料は意外と見落としがちかもわかりません。
今一度、ご自宅にある粉末だしの素や調味料類、私たちがいつも買い物をするスーパーの食材など、原材料はよく調べてみた方が良いかもわかりません。
いかにも“天然由来”、“無添加”といった言葉には注意が必要かもわかりませんね。
(By ゼウス23世)