わらびとの違いは?ゼンマイが持つ栄養素の特徴、効能、食べ方まで!
山菜がお好きな方の中にはご自身で山に入って採ってくる方もいますが、そうでなければ、なかなか山菜の違いってわかりにくいですよね。
山菜そばやおひたし、煮物やてんぷらなど、いろいろな和食に調理される山菜。
その中でも歯ごたえがよく、クセが少ないゼンマイは、人気の山菜の一つです。
そして、ビタミンやミネラルなどの栄養も豊富と、栄養面でもとても優れているんですよ。
今回はそんなゼンマイについて
- ゼンマイとは
- ワラビとの違い|項目別
- ゼンマイが持つ栄養素の特徴
- ゼンマイの美容・健康効果
- ゼンマイの代表、人気の食べ方、レシピ
について、ご紹介していきます。
この記事の目次
ゼンマイとは?ワラビとの違いについて
形も似ていて区別がつきにくいゼンマイとワラビ、一体何が違うのでしょうか?
【1】ゼンマイとワラビ、学術的な分類は?
- ゼンマイは、ゼンマイ科 (学名:Osmundaceae)の植物。
- ワラビは、コバノイシカグマ科の植物になります。(学名:Pteridium aquilinum)
(写真)↑ ゼンマイ
このゼンマイ科もコバノイシカグマ科も、ともにシダ植物の1種になりますので、大分類としては同一ということになります。
ワラビは、春から初夏の間、まだ葉の開いてない若芽(葉)を採取して「スプラウト」として食用にします。また、根茎から取れるデンプンを「ワラビ粉」として活用していきます。
【2】ゼンマイとワラビ、実は形状も違う!
ゼンマイは漢字では“薇”と書きます。葉の先端を巻きこんだ形でくるくると丸まっており、表面には綿毛が生えています。茶色や濃い緑色をしています。
(写真)↑ ワラビ
ワラビは漢字で“蕨”と書きます。ゼンマイはくるくると丸まっていますが、ワラビは人のこぶしが集まったような形と表現され、緑色もしくは紫色をしています。
【3】ゼンマイとワラビ、採れる場所が違った
ゼンマイは日陰で湿気の多いところを好むため、山野の渓流のそばや水路の脇でよく採れます。
そしてワラビはゼンマイと正反対で、日当たりがよく乾燥したところでよく採れます。
【4】ゼンマイとワラビ、お料理にはあく抜きが必要?
そしてゼンマイは実はアクが非常に強いので、アク抜きが必須の山菜です。アク抜きをしたあと、揉んで乾燥させ、またアク抜きをして・・・と、何度か繰り返す必要があるほど、アクが強いんです。
スーパーなどでは乾燥もしくは水煮の状態でよく売られていますが、実はたべられるようになるまでとても手間がかかっているんですね。
ワラビはゼンマイほどアクがないので、あく抜きの後はすぐに食べることができます。
【5】さらにワラビには注意点が・・
ただしワラビには“プタキロシド”と呼ばれる発がん性物質が含まれているんです。そのため、熱湯に重曹や小麦粉、塩などを入れてアク抜きをして、しっかりとこの発がん性物質を取り除くよう気を付けましょう!
参考記事
▶ わらびにあく抜きは必要?その理由と正しい下処理方法5選とは!
ゼンマイが持つ栄養素5つの特徴
(1)食物繊維
ゼンマイには不溶性食物繊維が豊富に含まれています。不溶性食物繊維の一番の特徴はデトックス効果です。
不溶性食物繊維は名前の通り、水に溶ないという性質があります。腸内で水分を吸収し膨らみ、便をかさまししてくれます。そのかさましされた便が腸内を刺激し、便秘を解消してくれるのです。
また、腸内では有害物質も吸収し、便として排出されるため、デトックス効果が見込まれ、さらには大腸ガン予防にも効果があると言われています。
この不溶性食物繊維は、摂取しすぎると便のかさがふえすぎて、かえって便秘になってしまうこともあります。最近では食物繊維不足の方が深刻ですが、やはり何事もバランスが大切ですね。
(2)ビタミンA
ゼンマイにはビタミンAも豊富に含まれています。
ビタミンAには粘膜の細胞分裂を助ける働きがあります。そのため、粘膜を正常に保つことにつながり、結果としてウイルスから身を守り、風邪予防にも効果があります。
また、お肌や口の細胞分裂も助けるため、美肌効果や口内炎予防にも効果があります。
(3)葉酸
ゼンマイにはほかの山菜より多くの葉酸が含まれています。
葉酸は妊娠中の方や妊活中の方は多く取るように勧められている栄養素のため、女性にとって大切な栄養と思われていますが、実は男性にとっても良い働きが期待できます。
まずは、うつ症状の改善効果です。うつ病の患者さんに葉酸を与えた場合、与えなかった場合よりもうつ症が改善したとの実験結果もあります。そのためストレスを感じやすい方にオススメの栄養素です。
(4)ビタミンC
ゼンマイには比較的多くのビタミンCが含まれています。
ビタミンCはコラーゲンの生成に欠かせない栄養素です。コラーゲンと聞くと美肌に効果的とイメージされる方も多いと思いますが、お肌だけでなく、血管や粘膜、骨を形成する働きがあるため、骨粗しょう症予防や免疫力UPの効果も期待できます。
(5)カリウム
ゼンマイにはカリウムが豊富に含まれています。
カリウムには余分な塩分を体外に排出する働きがあるため、むくみを解消する効果があり、夕方になると足がむくんでしまう方には欠かせない栄養素です。
美容・健康効果にもゼンマイを!
① 自然食から目の健康を!
ゼンマイが持つビタミンAは目の健康に欠かせない栄養素のため、視力低下やドライアイを防ぐ働きがあります。寝る前のスマホ操作や日々のパソコン業務など、現代の私たちの生活の中ではどうしても目が疲れがちです。目薬に頼りばかりではなく、ビタミンAを摂取して、体の中から改善していきましょう!
② 生活習慣病にも!
ゼンマイには心臓病や動脈硬化、高血圧といった、血液に関わる生活習慣病の改善に効果がある葉酸がたくさんふくまれています。
葉酸はタンパク質を合成する働きもあり、お肌のターンオーバーを促進させることから、美肌効果も期待できます。
また、葉酸は血液を作るのに欠かせない栄養素のため、葉酸をしっかり取ることで血行が促進され、代謝のアップにつながります。そのため、痩せやすい体になり、ダイエットにつながるとされています。
③ 美白対策にも!
日常のサブメニューとしてゼンマイ料理を添える工夫も!
ビタミンCは、シミの生成を防ぐ働きがあるので、シミ予防や美白効果も期待できます。
ビタミンCは水溶性のビタミンのため、体内に蓄積することができず、毎日こまめに摂取することが望ましいとされています。
④ 疲れにくいカラダへ
ゼンマイに含まれるカリウムは、余分な塩分を排出してくれることから、高血圧予防にも効果があるとされています。
ほかにも、カリウムには筋肉の収縮をスムーズにする働きもあり、疲れにくくなる効果が期待できると言われています。
代表的なゼンマイの食べ方
(写真はワラビ)
- 煮つけ・和え物
- 炒め物
- 山菜ご飯(ゼンマイ)
といった食べ方が代表的なゼンマイの人気レシピ。
楽天レシピサイトには、ゼンマイを使ったナムル、キンピラというのもありました。ぜひ挑戦してみたいな、と思ったレシピでしたね。では、そのナムル、キンピラのレシピをご紹介します。
【1】簡単!ごはんが進むぜんまいのきんぴら
<材 料(4人分)>
- ぜんまい水煮 1袋
- 糸こんにゃく 1袋
- 油揚げ 1枚
- にんじん 1/2本
- ごま油 適量
- 醤油 適量
- 白ごま 適量
詳細ページ ⇒ 楽天レシピ
【2】ぜんまいの簡単ナムル
<材 料(4人分)>
- ぜんまい水煮 1袋
- 水 50cc
- 鶏がらスープの素 小1
- 醤油、酒 小1
- 砂糖 小1.5
- 唐辛子、ごま 各小1/2
参考レシピ ⇒ 楽天レシピ
ゼンマイとは?ワラビの違いまとめ
ゼンマイの旬は春先ですが、乾燥ゼンマイだったら今や一年中、購入が可能です。
おひたしやナムルなど、簡単に調理できる美味しいゼンマイレシピも沢山調べるとありますね!
普段あまりゼンマイなど、山菜を食べないという方も、美味しい春先には日本の季節の味を楽しんでみたいですよね~!
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