「キムチ」は日本のお隣の国、韓国で親しまれている発酵食品。
世界的にみても、野菜を利用した発酵食品の例はあまり多くないそうです。
キムチで最もポピュラーなものは、なんといっても白菜でしょうね?他にも色々な野菜と塩、唐辛子とにんにく、魚介塩辛などを使用して作ります。
キムチは、そのままご飯と一緒に食べても美味しくいただけますが、豚肉と炒めたり、スープやチゲ鍋として楽しんだりと色々な料理に使うことができます。
そしてそのキムチの素!
これが各家庭での作り方があって、味の決め手とも言えますね。
今回は、キムチや素(ヤンニョム)の作り方、キムチの歴史や特徴などをご紹介したいと思います。
この記事の目次
キムチの歴史
キムチは、唐辛子の辛味と酸味が一番の特徴ですが、もともと本場韓国でのキムチの原型となった食べ物には、唐辛子は使用されていなかったそうです。
キムチづくりは、野菜が作れない厳しい冬の間の食料として、塩漬けして保存をするのが、そもそもの始まりだったようです。この初期のころのキムチは、単純な “野菜の塩漬け”でしかありませんでした。
12世紀になってキムチに香辛菜類が加えられるようになり、今のキムチの味に近づいたとされています。しかし、この時期でも唐辛子はまだ使用されていません。
唐辛子が用いられるようになったのは、16世紀に日本から唐辛子が持ち込まれた後のことです。今のキムチはもともと日本からの輸入品によるものというのも面白い歴史です。
諸説ありますが、豊臣秀吉が朝鮮出兵の時に唐辛子を持ち込んだとか、江戸時代になって朝鮮通信使が母国に持ち帰ったという説があります。
唐辛子が伝わったのち、しばらくたった18世紀になってから、キムチの材料として唐辛子がどんどん使用されるようになり今の形となりました。
唐辛子は古くからキムチに欠かせないベースの食材かと思っていましたが、意外にもここ数百年の話なのですね。
とっても簡単!自家製キムチと色々なヤンニョム
キムチの素をヤンニョムと呼びます。
健康効果のとても高いキムチですが、市販のキムチは保存の目的などから、添加物や塩が多く加えられています。本当に健康的なのは、添加物なし塩分控えめに作られた自家製キムチと言えるでしょう。
自家製キムチを作ってみましょう!
自宅で発酵食品を…となると、時間もかかるし難しいのかな?なんて思いがちですが、キムチは材料さえそろえば簡単な工程で作ることができ、3日くらい(漬け込み2時間という驚きのレシピもあります。)で完成しますので、是非チャレンジしてみてください。
レシピによってそれぞれ使用する調味料や工程が少しずつ違うので、ご自分の健康や嗜好に合ったものを見つけて下さいね。
基本のキムチの作り方
【1】韓国人直伝!自家製白菜キムチ
<材料>
- 白菜 1個(3kg)
- 粗塩 100g
- 水 500g
◆ヤンニョム(キムチの素)
- りんご 半分(200g)
- にんにく 1/2個(40g)
- 生姜 40g
- 長ねぎ 1本(50g)
- にら(好みで) 1/3束
- ナンプラー 50ml
- 唐辛子・粉 大さじ3
- 唐辛子・中挽き 大さじ3
- ごま 大さじ1
- 砂糖 大さじ1/2
<作り方>
- 白菜を八等分に切る
- 葉と芯の部分に分け、それぞれ一口大に切る
- 大きめのボール(ビニール袋も可)に芯のみ入れて塩を揉み込み30分程おく
- 葉も混ぜ合わせる
- しんなりしたら、落し蓋と重石をのせ2~3時間程漬ける
- 水が上がり、芯が軽く塩気を感じる程度になったら、ざるに上げて2~3時間程水切りする。
◆ ヤンニョム作り ◆
- 皮付きのリンゴをフードプロセッサ(FP)にかけ、にんにく、生姜を加えペースト状にする。(FPがなければ、それぞれすりおろして合わせる。)
- ねぎは薄い輪切り、ニラは2~3㎝に切る
- ボールに7,8と残りのヤンニョムの材料をすべて合わせる(ゴム手袋をはめてよく混ぜ合わせる。) →→→ ヤンニョムの完成!
◆ 本漬け ◆
- ヤンニョムのボールに6.の水切り済み白菜を加えて全体がなじむまでよく混ぜ合わせます(辛さはここでちょうせつする)
- ジップロックやタッパーなど密閉容器に移し冷蔵庫でよく熟成させます(漬けた直後から食べられますが、食べごろは3日以後です。)
参考レシピ ⇒ クックパッド
このレシピだと、白菜の水切りなど、少し時間のかかる工程がありますが、基本的に難しいことはありません。火を使うなどの工程もいりませんので、材料がそろえば、簡単に作ることができますよ。
【2】わが家オリジナル!本格キムチの作り方
このレシピでは、白菜のほか、大根や人参の千切りをヤンニョムの中に加えます。そして、アミ(あみエビの塩辛)を加え、一層本格的な旨みが味わえるようになっているんですね。
日本では塩辛はイカが有名ですが、韓国では実にたくさんの魚介類を塩辛にして食べるようです。魚介類の塩辛には、乳酸菌が豊富に含まれていて、腸内の消化サポート、余分な脂肪を分解してくれるなどの効果が期待できますね。
参考レシピ ⇒ クックパッド
【3】本格☆自家製キムチ
白菜の水切り工程の前に、天日干しを行うというレシピです。
天日干しを加えることによって、白菜の旨みが凝縮、更に美味しいキムチに仕上がるのだとか。
こちらのレシピも、ナンプラーやアミの塩辛、糸昆布などなど、旨味成分がたくさん詰まった材料をふんだんに使用しています。
【4】漬け込み2時間!意外なうまみ食材で作る「自家製キムチ」
白菜1/4株から作るお手軽レシピです。
ヤンニョムを作る際に、市販の出しパック、塩麹、細切り昆布を使って、旨みが引き出されたレシピになっています。
白菜の水分を抜くときに、多めの塩を使うことで、水抜きが短時間で済み、漬け込み時間もたったの2時間で完成!というのは、驚きの速さですね。
限られた時間で作ってみたい方には超おススメのレシピです。
参考レシピ ⇒ FOODIE
キムチと優れた乳酸菌ダブルの健康効果
(1)キムチの健康効果
キムチは美味しいのはもちろん、健康効果も高いことでも良く知られています。
2006年アメリカの健康専門月刊誌『ヘルス』では、世界5大健康食品を紹介!日本の大豆、スペインのオリーブオイル、ギリシャのヨーグルト、インドのレンズ豆とならんで、韓国のキムチもその5大健康食品に入っています。
“キムチのおかげで、韓国には太った人がいない”とも言われていますよね。
キムチの健康効果について、もっと詳しく知りたい方、興味のある方は、こちらもご覧ください!
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(2)とても優れた乳酸菌~他の発酵食品とも比較して優れているキムチ~
キムチには、白菜やニラなどの野菜を餌として増殖する「P.ペントサセウス」という植物性の乳酸菌が含まれています。この乳酸菌は、とても強力で、胃液にも負けずに生き残り、腸にまで届きやすい性質をもっています。 その数も多く、1gあたり8億個含まれているとも言われています。
日本人が動物性乳酸菌に触れ始めたのは明治時代以降。まだまだ馴染みが浅いものです。
一方、植物性乳酸菌はぬか漬けによって古くから親しまれてきています。
キムチの乳酸菌も、日本の伝統的な発酵食品の「糠漬け」と同じ植物性乳酸菌。
植物性乳酸菌は日本人にとって馴染み深く、体に合っていると言われていて、そのためキムチの風味もスムーズに取り入れられるようになったのかもわかりません。
自家製キムチ、キムチの素(ヤンニョム)の作り方まとめ
韓国が誇る発酵食品のキムチ。
キムチには胃液にも負けないほどのパワーをもった乳酸菌が含まれているのですね!またその数も驚異的です。
自家製キムチだと、塩分も控えめにつくることができます。また、大量の塩分は乳酸菌の増加も抑制するので、塩分控えめに作ることで乳酸菌の数も増やすことができます。
市販のキムチは、塩分や添加物が多く、キムチは大好きだけどちょっとね、と気になる方にとっても、ぜひ、是非自家製キムチづくりにチャレンジしてみて下さい!
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(By ディオニソス)