柔らかく煮た「栗の渋皮煮」は甘いもの好きにはたまらない一品ですよね♪
作業自体は同じ事の繰り返しですが、調理には少々時間がかかります。失敗しないで美味しい渋皮煮を作るにはどうすれば良いのでしょうか?
今回は、
- 栗の渋皮煮って何? 甘露煮との違いとは
- 基本的な栗の渋皮煮の作り方
- 失敗しないための注意点
- 栗の渋皮煮を使ったアレンジレシピ
などなどを御紹介していきます。
この記事の目次
栗の渋皮煮とは何?甘露煮とは何が違うの?
栗には一番外側のかたい皮の他に、栗の表面についている薄い皮があります。外側のかたい皮を鬼皮と呼んで、薄い皮を渋皮と呼びます。そしてその渋皮をつけたまま甘く煮たものが「栗の渋皮煮」
それに対して、渋皮もきれいに剥いてしまってから、甘く煮込んだものを「甘露煮」と呼んで区別しています。甘露煮は栗の実の色のままキレイな黄色なのが見た目の特徴です。
栗の渋皮には「タンニン」と呼ばれる大事なポリフェノールの一種が含まれています。ポリフェノールには活性酸素を取り除く働きがあるため、甘露煮ではなく、栗の渋皮煮の方には抗酸化作用が大きく期待されています。抗酸化作用がある食べ物を摂ることで、カラダが錆びるのを防いでくれ、アンチエイジング・老化防止に繋がります。
抗酸化物質は今いろんな食べ物や製品でも話題の注目成分です。
栗の渋皮煮の基本的な作り方は?
(1)栗の平らになっている部分(座と呼びます)を残して栗の鬼皮を剥きます。
(2)水に重曹を入れてから煮ます。あくを取りながら、沸騰後は弱火にして10分弱煮ます。
(※重曹はアルカリ性で食べ物に使っても安心なものです。さまざまな食材のあく抜きや、渋皮取りの時に使います。あると繊維質を柔らかくしてくれるので、時間短縮になります。)
(3)一度ザルにあけ、再び重曹を入れて二度目の茹で処理を行います。お湯が黒くなったらザルにあけましょう!
(4)水の中で残しておいた座の部分の鬼皮の外れるだけの筋を剥きます。
(5)お湯が綺麗になるまで何度か、重曹を入れて茹でる作業を繰り返します。目安は5回前後。 その際に筋が自然に取れてくるので、筋を取り除いていきます。
(6)最後には重曹を入れないで茹でます。
(7)栗が浸るくらいの水・砂糖を加え、蓋をしてコトコト煮込みます。「煮込んだら冷まし、再度煮込む」の作業を繰り返して、栗が飴色になるまで続けます。
(8)煮上がって冷めたらリキュールを加え、冷蔵庫で2日から3日保管してできあがりです。
ご覧のように何度か茹で処理を行なうので、時間はかかりますが同じ作業の繰り返しです。ずっと張り付いて見ていなくても大丈夫なので、何かしながらでも調理出来ますよ♪
詳しいレシピはこちら ⇒ 楽天レシピ
栗の鬼皮の上手な剥き方は?渋皮煮を失敗しないコツとは…?
栗の渋皮煮を作る際に、よく失敗談として挙げられるのは「鬼皮が上手く剥けなかった~」というものです!そうならないように、剥き方のコツを覚えておきましょう。
まず、栗を熱湯に30分ほど浸しておくと鬼皮が剥きやすくなります。最初から全ての鬼皮を剥かないのは、薄い渋皮も剥がれてしまう事を防ぐためです。渋皮が剥けてしまったら「甘露煮」になってしまうので、座の部分は2回目の茹で作業が終わるまでは残しておくようにします!
煮崩れしてしまった時のおすすめ対処法!
次に多いのが「煮崩れしてしまった~」というもの!
こちらは残念ながら渋皮煮とはなりませんが、栗をペースト状にしてあげることで、別の料理として利用することもできるんですよ。
渋皮も取り除いて中の実を取り出します。厚めの鍋に、栗・牛乳・バター・砂糖を入れて火にかけます。弱火でゆっくり混ぜ、栗が柔らかくなってきたら潰します。この生地を裏ごしして、全体を均一に混ぜたら出来上がり♪ペーストにしたものを、ケーキやプリンに混ぜ込んで食べると美味しいですよ!勿論そのまま食べても甘くて美味しい♪
詳しいレシピはこちら ⇒ クックパッド
栗の渋皮煮の保存方法
【1】冷蔵保存する場合
粗熱をとってから、密封できる容器に入れて保存します。冷蔵庫に入れて1週間程度が目安です。密封容器を煮沸して真空状態で保管する時には、1年程度は持ちます。開封してしまわない限りは結構長持ちするものです。
【2】冷凍保存をする場合
冷凍した栗は通常より柔らかくなってしまうので、崩れてしまう事も多いです。それも承知の上で冷凍するなら冷凍しましょう。冷蔵と同じく、密封容器に分けて冷凍します。解凍の際には自然解凍、もしくはジップロックなどで流水解凍が良いでしょう。保存期間の目安としては1ヶ月ですが、シロップごと冷凍するともう少し保存期間が増えるのでおすすめです♪
栗の渋皮煮のアレンジレシピ2選!
栗の渋皮煮を多く作り過ぎた時、ちょっとアレンジして使いたい時がありますよね。
そんな時に超おすすめなのがスイーツレシピです。
スイートポテト
さつまいもや栗の渋皮煮の甘みだけで、他には砂糖と油を使わないスィートポテトが出来上がります。ブランデーやシナモンの香りで、ちょっぴり大人の雰囲気も漂いますよ♪
<作り方> さつまいもは蒸して皮を剥き、マッシャ―などで潰しておきます。これに戻したレーズンを戻し汁ごと加え、塩・メープルシロップを入れます。豆乳を少しずつ加えて甘さを調節します。最後にラム酒・栗の渋皮煮を加え、アルミカップなどに入れます。シナモンを振って、180℃のオーブンで20分弱が焼き時間の目安です。
詳しいレシピはこちら ⇒ オーシャンナディア
甘酒入り 栗の渋皮煮プリン
ひんやりと甘いものが食べたい時にはプリンがおすすめ!どこの家庭にもありそうな材料を使って、簡単な手順で作れちゃいます。料理が苦手な方でも挑戦してみてくださいね♪
<作り方> フードプロセッサーでペースト状にした栗の渋皮煮に、生クリーム・甘酒を加えてさらに攪拌します。ふやかしたゼラチン液を湯煎にかけて溶かし、フードプロセッサーの液に加えます。容器に入れて冷蔵庫で冷やせばできあがりです。仕上がりに生クリーム・栗をトッピングして下さい!
詳しいレシピはこちら ⇒ ペコリ
栗の渋皮煮まとめ
時間をかけてやっと完成した「栗の渋皮煮」だからこそ、愛情もひとしお!
毎年苦労してつくるので、最後の一滴まで、アレンジしたりペーストにしたりで、大切に使いたいものです♪
余ってしまったら、煮沸してから密封容器に保存、また冷凍保存ならば、賞味期限も延びるので安心ですね。
手順さえ覚えてしまえば難しい作業ではありませんので、是非栗の渋皮煮、作ったことがないあなたも今年は挑戦してみてはいかがでしょうか?
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