きな粉や黒蜜をかけて食べるのが美味しい、夏のお菓子である「わらび餅」!
わらび餅はわらびが練り込まれているのではなく、「わらび」から作る「わらび粉」でつくられるので、その名前がついています。
「わらび粉」はとても貴重な粉で、実は純粋な「本わらび粉」はなかなか手に入れられないとも言われています。おまけにとっても値段が高い!
今回は、そんな希少価値の高いわらび粉とは?わらび粉の手作りの方法も含めてご紹介していきます。
この記事の目次
わらび粉とは?
わらび粉とは、わらびの根から取り出したデンプンを乾燥して作られます。
1kgのわらびから採れるわらび粉は、わずか7gから8gと、とても希少価値のある高級食材。
しかも、製造には最低半月もかかります。わらび粉は希少性が高いうえに、作るのに手間暇がかかるので、おのずとそのお値段も高いものなのです♪
そのため、実はスーパーで普通に売られている「わらび粉」は、残念ながらほぼわらび粉100%のものではありません。
芋類やタピオカなどから採れたデンプンと混ぜ合わせて、人工的に作られています。
業界でも、純粋な100%わらび粉は、なかなかお目にかかれない食材なのだそうです!
似たようなものにくず粉や片栗粉がある!
わらび粉と同じ奈良の名産品として「くず粉」があります。
葛(くず)という植物根から採れるデンプン粉で、こちらもわらび粉と同じくくず粉は、とても希少性が高いもの。
また葛100%で出来たものは本葛粉と呼んでおり、こちらもわらび粉と同じく、純粋なものはなかなかお目にかかれないのだとか。
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わらび粉もくず粉もデンプン質なので、あんかけのようなとろみをつける働きがあります。なので簡単に代用できる安価なものとして「片栗粉」も人気になっています。
しかし、わらに粉やくず粉とは栄養素や風味がくらべものになりません。
ただ料理として「とろみ」効果を求めるだけの場合は、片栗粉が便利だという訳です。
本わらび粉の定義は?高純度のわらび餅を見付けるには…
本葛と同じように、100%純粋わらび粉は、「本わらび粉」と定義されるべきですが、現在のところ確かな定義がないのが問題のようです。
本わらび粉とうたいながらも、他のデンプン粉とブレンドされている物が多く売られていていま流通の間で問題視されています。
消費者としても、希少なわらび粉だと思って購入したのに、100%でないのはショックですよね。
そこで、なるべく100%に近い本わらび粉を選ぶのはどうしたら良いのでしょうか?
参考までに判断方法をお教えします♪
【1】本物は色が濃い
わらび純度が高いものほど、わらび粉の色が黒色・琥珀色に近い色をしています。
単なるでんぷんから摂れたものは白に近い色味になります。
そのため、まずは、わらび濃度が高いわらび粉を選ぶには、白くない濃い色をした粉を選ぶようにします。
【2】本物は消費期限が短い
純度の高い本わらび粉の消費期限は2,3日しかありません。
粉にした直後から劣化が始まると言われており、早めに消費する必要があります。
消費期限の表示が長いものは、純度が低いと判断するようにしましょう。
本わらび粉にもランクがあるって本当?
高純度の100%わらび粉のお値段は、およそ100g当たり1,500円くらいします。
本わらび粉のでんぷん質をつくる時に、わらびを沈殿させるのですが、その沈殿層の順位によっても質がかわるのだとか。
極上のわらび粉は、最上位層にできるもの。同じ製造工程でつくるわらび粉であっても、更に質によるランク分けがなされてしまうのですね。
- 本わらび粉にも製造の過程でランク分けがなされる
- さらには、イモや馬鈴薯由来のでんぷん粉をまぜたものでグレードがある
ということを覚えておきましょう、
わらび粉の作り方は?
純度の高いわらび粉からつくるわらび餅は、冷たく、つるんとしたのど越しと上品な甘みが特徴。
お金をかけず、こんな美味しいわらび餅を食べてみたい!っていうあなたには、家でつくるわらび粉がおすすめ。
時間と手間はかかりますが、作り立ての極上わらび餅が楽しめますよ♪
① 原料となるわらびを探しに行きます!
わらびをシャベルを使って掘り出します。他の根と絡んでいる場合も多いので、丁寧に収穫しましょう。
② 収穫してきたわらびを、流水で丁寧に洗って泥や汚れを落とします
③ わらびを細かくします
すり鉢ですり潰したり、ミキサーにかけたりとご自身がやりやすい方法で細かくします。細かくつぶしたわらびは、水分が少なくパサパサしているので、少量水を加え揉みこんであげます。
④ ガーゼを使ってわらびを、ろ過します
ガーゼでしっかり絞ってろ過します。茶色く濁った水分が絞られます
⑤ 絞った水分を冷蔵庫に入れて半日以上放置
底にデンプン質の沈殿が見られてきます。上澄み液部分だけをゆっくりと傾けて捨てます。
⑥ これにまた水分を加えて、冷蔵庫で再度1日以上放置します
1回目に比べると上澄み液が綺麗に感じられます。この上澄み液を捨てて、底に沈んだデンプンだけを乾燥します。
⑦ そのままの容器で数日放置していると、カリカリに乾いてきます
この乾燥物を細かく削り取って粉末状にしたものが「わらび粉」になります。
純度の高いわらび粉は、濾過を1,2回だけでなく、数回も繰り返し行い、不純物を限りなく少なくしているので、余裕があれば、濾過の工程は複数回行なってあげると良いでしょう。
時間は少しかかりますが、このようにわらびから、わずかなわらび粉を作ることができますので、ぜひチャレンジしてみてください。
けど、できあがる粉の量が少ないからって驚かないでくださいね。
それほど、わらび粉の希少性が高いことがわかると思います。夏休みの自由研究にもぜひ!
わらび粉は高カロリーなものが多い?ダイエット中の方は注意!
純度が高い本わらび粉のカロリーはタンパク質、脂質も低く、低カロリーだと言われています。
しかし、一般にスーパーなどで売られているわらび粉には、ほかデンプンに加え、うまみを出すための糖質も添加されているものが多いので、高カロリー。
なかには、100g当たり380kcalという高カロリーなわらび粉も売られているようなのです。
そのため、ゼラチン質でダイエットにも良いのではと思いがちな、わらび餅ですが、原料のわらび粉自体が高カロリーなものが使われていては逆効果。
カロリーチェックに加えて、わらび粉の原材料に何が使われているのかは、確認するようにしてくださいね。
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わらび粉作り方まとめ
純度の高いわらび粉をつくるには多くの時間と手間がかけられていて、本物のわらび粉にはなかなか出会えないことがおわかりいただけたかと思います。
ある程度のわらび粉でつくったわらび餅でも、美味しいものではありますが、本来のわらび粉ならさらに違った味わいが楽しめます。
わらびが旬の夏の時期には、家庭でつくるわらび粉、わらびもちづくりにチャレンジされては如何でしょうか?
お子様の自由研究ついでなら、さらに楽しく挑戦できるかもしれません♪
(By ゼウス23世)