わらびにあく抜きは必要?その理由と正しい下処理方法5選とは!
春過ぎになると収穫出来る人気の山菜「わらび」
他の旬山菜と一緒に、山菜ごはんにしたり、おひたし・煮びたし・単純な炒め物に使ったりと、色々な料理が楽しめます。
ただ、わらびは「あく抜き」がうるさく言われる事が実に多い山菜です。
- その理由は何故なのでしょうか?
- 正しいアク抜きの方法は?
- 一般的なアク抜き方法、便利なアク抜き方法とは
などについて、ご紹介したいと思います。
この記事の目次
わらびってどんな食材?
わらびは「春から初夏」にかけて収穫される代表的な山菜です♪食用に出来る時期が限られていて、まだ葉が開いていないスプラウト、すなわち新芽の状態で食べられます。
また、わらびの根茎からとれるデンプンを使用し、「わらび餅」が作られます。
わらびは、ます。山菜の中でも特に灰汁が多く、あく抜きの処理が必須とされています。あく抜きをしたわらびは、おひたし、味噌汁の具、サラダなども多岐に渡って調理することが可能です。
わらびにはあく抜きが必要だとされている理由としては、苦みや味覚の問題以外にも、含まれている成分にも関係しています。
どうしてあく抜きの必要があるの?
苦みや風味の問題以外にも、わらびのアク抜きが必要な理由は、特に強い毒性があるからです。
しかし、毎日大量に食べない、また正しい下処理を行なっていれば、わらびは、問題なく食べる事が出来ます!
アク抜きをしていない「わらび」を生で食べた場合、全身が出血状態となる「ワラビ中毒」を引き起こすことが指摘されています。また、「プタキロサイド」といった発癌性物質も含んでいるため、毒性をまずは処理する必要があります。
その毒性を処理する方法として必要なのが「あく抜き」です。
正しいわらびの「あく抜き」の方法を学んで、美味しく春の味「わらび」をいただきましょう♪
わらびのアク抜き方法5選とは!
(その1)わらびの最もポピュラーなあく抜き方法
わらびのあく抜きに一番使用されるポピュラーなものは「重曹」を使ったアク抜き法です。
重曹とは化学名で、炭酸水素ナトリウムまたは、重炭酸ソーダのことを指します。お菓子を作る時に使用するベーキングパウダーの主成分にもなっています。
この重曹と熱湯を用いてあく抜きをするのですが、重曹の量の加減が大切なポイントになります。
「重曹の量は加える熱湯の量の1%以下」とする必要があります。
つまり、加える熱湯の量が1ℓならば、1kgと同じ。なので、熱湯1kg=1000gとなり、その1%は10gとなります。
重曹のような粒子状の物は、小さじ1杯が2gから3gと考えられるため、10gの重曹ならば、小さじ3杯程度になります。
粒子の大きさにも異なってきますが、1%を超えないように、入れすぎに注意が必要です。
次に加える熱湯の量ですが、わらびの量の2倍程度が適量とされています。わらびの量が1kgだとするとその2倍の2kgが必要。熱湯の量は、2㎏=2ℓ必要になります。
- わらびがきっちり入る鍋を用意して、重曹を入れた熱湯を鍋に入れます。入れる熱湯は、沸騰したばかりのグツグツしている状態ではなく、少し待って荒熱を取ったものが良いでしょう
- この状態のまま半日から一晩置いておきます。半日ほど経ったら、わらびを付けている水がアクで真っ黒になります。この水を2回から3回交換してあげる事で、次第に水が澄んできてあくが取れてきます。渋みやピリピリ感がなくなれば「あく抜き完了」です!
このアク抜きの方法は難しい手順ではありません。ただ知らなければ出来ないあく抜きの方法ですよね。重曹を入れすぎた場合、わらびが柔らかくなりすぎたりするので、重曹は入れすぎないように注意してください。
(その2)小麦粉を使ったあく抜き方法
時として「重曹がない!」ということもあるでしょう。そんなときは、小麦粉と塩だけを使って「あく抜き」をすることもできるのです。
水はわらびの10倍の量、すなわち100gのわらびに対して1ℓが必要となります。
それに対して、小麦粉を大さじ4、塩を大さじ2ほど用意します。
手順としては、
- 水に分量の小麦粉と塩をよく溶かした後、沸かして沸騰させます
- 沸騰したらわらびを入れて、弱火で3分間ほど煮ます
- 煮終わったわらびを流水に10分ほどさらし、重曹の場合と同じように、苦みなどが感じられなくなったら、あく抜きは完了です!
これだと一晩以上、寝かせてといった面倒な手間が省けるため、急いでアク抜きしたい時にはおすすめの方法です♪
他にもこんなものを使ってあく抜きが出来ます♪
(その3) 灰
木灰や藁(わら)灰を使用します。
重曹によるあく抜きのように分量違いでわらびが柔らかくなり過ぎてしまうような事がなくなるので、覚えておくと便利な方法です。
灰をわらび全体に揉み込むようにまぶし、わらびがしっかり浸かる程度の鍋に入れます。
その鍋に沸騰したお湯を入れ、一晩漬けておきましょう。わらびが浮かんでこないように上から落としブタなどでフタをします。一晩置いてから流水にさらしたらあく抜き完了です。
(その4) 米のとぎ汁
実は一番使用しやすいのがこれ、「米のとぎ汁」です。
お米をとぐだけで出るものなので、一番身近で安く使える方法かもわかりません。
- 鍋にお米のとぎ汁を沸騰させます
- わらびを入れ、弱火で10分程度ゆでます
- 冷めるまで放置した後、わらびを流水でよく洗えばあく抜き完了です。
- お米のとぎ汁は濃いものが良いので、1回目のとぎ汁を使用しましょう。
(その5) 米ぬか
灰と同じ要領で米ぬかをわらび全体にまぶしてからあく抜きをします。重曹とは違って、しっかり漬け込んでおかないとアクが抜けきらない事もあるので、少し多めくらいにまぶしてあげましょう。
わざわざ買いに行かなくても、漬物などを作るために米ぬかをおうちで使っている方にとっては、便利なアク抜きの方法です♪
わらびのアク抜き方法まとめ
アク抜きをしていないわらびは、大量に食べると「ワラビ中毒」を引き起こす可能性もあるため、しっかりとアク抜きをしてから調理するようにしましょう。
あく抜きをマスターしておけば、春の旬味覚を、大いに楽しむ事が出来ますね。
少々苦みが残ってしまったとしても、天ぷら・揚げ物・炒め物に使用すればわらびの苦みはそこまで気にならないと思います。
ぜひ、今年の美味しい春の山菜を楽しむためにも、収穫したての新鮮なわらびで、上手にあく抜きの方法をマスターしてみてくださいね!
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(By ゼウス23世)