もち麦|大麦押し麦との違いは?知っておこう分類、種類と特長!
人気のもち麦ですが、もち麦って何?押し麦との違いや、大麦の中でもどんなものなのか、今一つその分類や違いがわかりにくいと思いませんか?
今回は大麦の種類ともち麦の位置づけ、また押し麦との違いなどについてご紹介していきます。
この記事の目次
もち麦って何?その分類および各大麦の主な用途は?
麦の種類には、大きく「大麦」「小麦」「ライ大麦」「エン大麦」があります。日本では主に大麦と小麦が栽培されています。
大麦と小麦の違いは後述するとして、ここではさらに「大麦」の種類の分類について表にまとめます。
「もち麦」とは、はだか麦の一つの品種になります。
はだか麦には「うるち性」といって、モチモチ食感が少ない「うるち麦」。そして、炊き上げるとデンプン質がモチモチした食感のもち性の「もち麦」の2種類があります。
はだか麦は、皮麦とならんで六条大麦の一つの種類です!
皮麦(かわむぎ)は皮がしっかりと着いた麦なのに対して、はだか麦は、お米の籾(もみ)にあたる麦の表皮の部分が剥がれやすいタイプの六条大麦で、突然変異により皮麦から生れました。
二条(にじょう)と六条(ろくじょう)というのは、その穂の形です。
上から見ると、2列に実がついている種類と6列に実がついている麦にわかれ、それぞれ二条大麦、六条大麦と呼ばれています。
二条大麦は粒が大きい。六条大麦は小粒ながら、6条に実るので、その分、量がたくさん獲れます。
二条大麦は主にビールの原料として、六条大麦は食用、味噌、麦茶などにも利用されていきます。
大麦と小麦の違い
麦は世界で一番多く生産されているイネ科の穀物です。
小麦、大麦、ライ麦…と種類も豊富にあります。
大麦は秋に畑に直接種をまいて栽培されます。
小麦よりやや短い幅で広い葉をつけるので、大麦の名前が付いたといわれます。
実の大きさは小麦も大麦もあまり変わりません。成分も似ています。
しかし、小麦のほうがやや灰分、カルシウム、鉄分、ビタミンB1、ニコチン酸、繊維などが多く含まれています。
では何が違うのでしょうか?
特徴が違うので、用途が違うのですね。
小麦にはパンや麺にするとふっくら膨らんでくれるグルテンが多く含まれています。
一方、大麦にはグルテンを含んでいない(正確には“少ない”)ので、パサパサして、パンや麺作りには使えません。
パンには使えませんが、吸水率が良いので麦ごはんとして食べるのに向いているのです。
- 欧米では小麦が中心⇒ パンやパスタ作りに最適
- 日本では大麦が中心⇒ 麦ごはんや味噌として使える
ということに歴史上もなっていたのですね!
はだか麦
はだか麦は大麦の一種なのですが、実と皮が付着していないことからこの呼称が使われています。脱穀で簡単に皮を取り除くことができます。
はだか麦は野生種であった皮麦からの突然変異で生まれましたが、その栽培の歴史は古く、中央アジアで紀元前6,000年頃にははだか麦も栽培されていたとされています。
日本では大正以前から「お米の代用品」として使われ、昭和初期からは製麦産業も広く定着、麦を挽いて粉にした「はったい粉」などが多く作られるようになりました。
醸造酒の原料として利用されることもあります。
最近ダイエットで人気の「もち麦」も、このはだか麦の一種、モチ種のはだか麦です。
もち麦は、もち米をつくるのが難しかった九州や四国などで主に栽培されてきました。
九州、四国では「もち麦」のモチモチ食感を活かして、もち米の代わりにお餅やおこわ、団子などを作っていたそうです。
押し麦って何だ?もち麦と押し麦の違い
押し麦とは
押し麦も大麦の一種ですが、もち麦とは違って「うるち性」の品種です。
押し麦は外皮を完全に取り除いてから蒸気で加熱し、ローラーで押し潰して平たく加工して作ります。
うるち性なので、そのままでは吸水性が悪く消化にも悪いためこのような加工がされます。
こうして押し麦に加工するとうるち性であっても白米と一緒に食べやすく、食感もよくなるのです。
栄養素では、もち麦の方が食物繊維のβグルカンをやや多く含むといった特徴があります。
まる麦っていうのもあるよ
まる麦(丸麦)とは
まる麦とは、精白しただけで押麦のような加工がされていない大麦です。
熱処理がされていないので麦本来の風味を味わうことができます。
食物繊維が豊富に含まれているのが特徴で、食べれば美容や健康に効果を発揮してくれます。
スープにしたり小豆粥などにされることが多いです。
白米と一緒に炊く時は浸水時間を長めにする必要があります。
いろいろあって分かり辛いですが、麦ごはんは、非常に栄養のバランスが良いので、生活習慣病を予防してくれます。
白米を主食とする文化は江戸時代に定着しましたが、その頃ビタミン欠乏による脚気障害が増え、大きな庶民病にもなりました。
日露戦争時にも同様に脚気障害が原因とされる死者が多くでたことから、軍部では麦ごはんを主食に用いて兵士たちの健康を管理していたそうです。
(まめ知識1) 「うるち」の意味とは?
粳(うるち)とは、イネやオオムギなどで「アミロース」を多く含む品種です。
反対語が「糯(もち)」品種で、もち品種には、アミロースがほとんど含まれていません。
アミロースを含むものを粳(うるち)といいます。
うるち種ともち種では、アミロースを含むでんぷん(グルコース)の構造が違うと覚えておきましょう!
(豆知識2) はだか麦は西日本で多く生産
もち米を育てづらい九州や四国で、もち麦の生産が増えました。
その理由に加えて、はだか麦自体が通常の大麦の中でも寒さに弱いので、日本では四国・中国・九州などが中心となって栽培されています。
また、雨が少なくても十分に育つので、瀬戸内での生産はうってつけですね。
生産量、生産額が最も多いのは愛媛県、次いで香川県です。
人気のもち麦で国産ものを選びたい人はこの地域のことは頭に入れておくと良いかもですね!
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大麦の中でも今とっても人気のある「もち麦」
お米に慣れ過ぎた現代人にとっては、食感がよくて麦の栄養価が摂れるとあって少々高くても人気になったのですね。
けど、麦そのものは健康やダイエットに有効!
βグルカンの特徴もありますが、食物繊維も白米にくらべても豊富に含まれています。
また小麦はグルテンの問題もあって、いっそう大麦に注目が集まっています。
あなたも、麦ごはんを食べて、ヘルシーライフを加速させましょう♪
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(By ゼウス23世)