もち麦にもグルテンアレルギー!?大麦小麦アレルギーの違いとは?
日本には食物アレルギー体質をもっている方がたくさんいます。
自身でアレルギーに気づいていない方もいらっしゃるので正確な人数を出すことが難しいと言われていますが、だいたい全人口の1~2%の方には何らかの食物アレルギーがあるとも考えられています。
その試算は、乳児だけに限った場合においても、約10%もの人数になってしまいます。
そして今、何かと問題となっている小麦グルテンアレルギーについて
- もち麦だとグルテンアレルギーの心配はいらないのでしょうか?
- 小麦アレルギーの無い私が、逆にもち麦や大麦アレルギーになることはありのでしょうか?
について疑問を持つこともあると思います。
はい、私もそこは大きな疑問で関心があります!
そこで、今回はこれらについて調べてみましたので、整理ご紹介してみたいと思います。
この記事の目次
小麦、大麦、グルテンアレルギーを分類すると
小麦が原因でなるアレルギー分類
- ①グルテン⇒ セリアック病
- ②グルテン⇒ 「非セリアック病グルテン過敏症|Non-Celiac Gluten Sensitivity (NCGS)」
- ③小麦アレルギー
大麦が原因でなるアレルギー分類
- ①グルテン⇒ セリアック病
- ②グルテン⇒ 「非セリアック病グルテン過敏症|Non-Celiac Gluten Sensitivity (NCGS)」
- ④ホルデイン⇒ セリアック病
- ➄大麦アレルギー
以上が、簡単に原因と症状の分類になります。
小麦によるアレルギー
① グルテン⇒ セリアック病とは?
小麦に含まれる「グルテン」
多くのアミノ酸がつながって構成されたタンパク質を「グルテン」と呼びますが、これはセリアック病の原因になります。
セリアック病とは小腸の組織や絨毛を損傷してしまう病気のことです。食べたものの消化や栄養の吸収が上手くいかなくなるので、下痢や腹痛を引き起こしてしまうほか、ひどいケースではうつ病やパニック障害になってしまうこともあります。
はっきりとした因果関係はまだ証明されていないのですが、特有の遺伝子をもった人がグルテンを摂取するとこの病気が発症すると言われています。
日本での具体的な数値はありませんが、米国では人口の約1%がグルテンによるセリアック病患者であると推定されています。
② グルテン⇒ 「非セリアック病グルテン感受性|Non-Celiac Gluten Sensitivity (NCGS)」とは
セリアック病ではないものの、グルテンに過敏なためにIBS(過敏性腸症候群)の症状を発症してしまうケースです。
IBSとは、主として大腸の動きや分泌機能で異常が起こってしまう病気です。下痢や便秘、腹痛、ガスが溜まるなどの症状が起こってしまいます。
米国では人口の6%がこの非セリアック病グルテン過敏症|NCGSであると推計されています。
(出展:宇野良治先生のコラムより)
③ 小麦アレルギーとは?
小麦は日本でもそうですが、世界的にも常に上位に入るアレルギー食品の一つです。
小麦アレルギーはグルテンの場合も含みますが、これに限定しない小麦タンパク質のいずれかによって起こる免疫症状になります。
子供に多く、嘔吐や下痢、蕁麻疹や発疹、鼻づまり、目の痛み、そしてひどい場合にはアナフィラキシーとして知られる重度の呼吸困難が起こることもあるようです。
大麦によるアレルギー
もち麦や大麦にもグルテンが含まれているのか?
【1】 まずは、まずは小麦と大麦の違いについて
【小麦】 小麦はイネ科コムギ属に分類される一年草です。
一般に小麦と言われた場合には「パンコムギ(英名:Triticum aestivum (bread wheat))」のことを指します。小麦はとても古くから栽培されていて、今では全世界中で最も生産量が多い穀物です。
米、トウモロコシとならんで世界三大穀物のひとつにもなっています。
【大麦】 大麦はイネ科オオムギ属の一年草です。
小麦と同じく古くから栽培されてきました。小麦より低い気温の地域でも育ちますし乾燥にも強いので、ライ麦と共に小麦の生産が困難な地方で栽培されることが多い作物になります。
大麦は世界三大穀物には入りませんが、4番目に多く世界で栽培されている穀物です。
大麦は、麦自体が食用になるのはもちろんのこと、発芽させた種子は「麦芽」としてビールの原料として使われます。
【2】 もち麦は大麦の一種です!
『もち麦』は大麦の一種。厳密にもち麦は、大麦の中の「はだか麦種」のうちの“もち性”がある品種です。
大麦の主なたんぱく質はグルテンではなく、「ホルデイン」ですが、グルテンも含有量がゼロではないのです。
したがって、大麦もグルテンを含む穀物の1つとなります!
そのため、大麦ベースで製造されている加工食品にもグルテンタンパク質が含まれていることになります。グルテンを完全に避ける食事をしたい人にとっては、大麦ベースの食品も避けなければいけません。
さらに「ホルデイン」自体もセリアック病にかかわる可能性もあるとされています
セリアック病は小麦アレルギーとイコールのように思われていますが、正しくは異なります。それくらい日本ではセリアック病についてあまり知られていないのです。
もしセリアック病が心配で小麦グルテンを避けるのであれば、大麦たんぱくの「ホルデイン」にも気を配らなければいけません。
セリアック病は、小麦のグルテンのほかにも、トウモロコシに含まれるゼイン、ライ麦に含まれるセカリン、大麦に含まれるホルデインといったタンパク質も、深くかかわっているとされています。
日本の食品表示法では大麦の表示義務なし!
消費者庁「アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック」によると、「小麦」はそば・えび・卵などとならんで、アレルギー表示対象品目7品目のうちの1つですが、大麦は、推奨18品目の中にも実は入っていません。
なので、大麦には、食品ラベル上のアレルギーリスクを表示する必要はありません。
これもアレルギーと言うと「小麦」のイメージが付いている原因なのでしょう。
もちろん、小麦アレルギーの患者さんの人口の方が圧倒的に多いため、このような注意喚起になっているのでしょうけど、だからと言って大麦が安全ということではないのです!
大麦は加工食品にもよく利用されています!
大麦はしばしば加工食品中の甘味料としても使用されます、コーンフレークなどの穀類は、これの良い例です。
さらに、キャンディーバー、クリスピーなど、大麦の麦芽を含んでいます。
小麦/大麦アレルギーを予防するためには
こちらも良く言われていることですが、まずはあなた自身が何に対するアレルギーをもっているのか、原因を特定、理解していくことからはじめる他ありません。
(1) 原因を理解しましょう
アレルギー対策の根本は、何が原因でアレルギー症状が起こっているのかを特定することです。小麦なのか、小麦花粉なのか、大麦だけなのか、小麦/大麦両方なのか
(2) 原因麦のシャットダウン
特定麦が原因だと言うことがわかったら、その原因物質の摂取を制限しなければいけません。麦主原料の食品はもちろん、成分が混ざった食品も避けるようにする必要があります。
(3) アレルギー検査
血液検査による特異的IgEの検査が受けられます。主に「卵白」「小麦」「そば」といったものになります。
この検査に対しては、賛否いろいろな意見が混在しており、完璧に除外するには手間やお金がかかり過ぎるという意見もあります。
正確なところはさらなる研究の進行が待たれる状況ではあると思いますが、まずはお医者さまとの会話の入口としては食物アレルギー検査が必要となるでしょう。
もち麦グルテンまとめ
もち麦は小麦ではないので、グルテンアレルギーの心配がいらないとか、アレルギー懸念が少ないとか言われます。
それほどに、小麦=グルテン、グルテンフリー製品!という風潮が強いためにそのようなイメージを抱いてしまいます。
しかし、正確には、小麦アレルギーに懸念のあるあなたは、「大麦」にも、もちろん「もち麦」にも注意を払っていく必要があるようです。
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(By ゼウス23世)