トレハロースは自然界の動植物の細胞に含まれている、天然の糖質です。
砂糖の45%程度の甘味で、上品で口当たりやわらかな味わいで人気があります。他の甘味料とよく調和するので、菓子や飲料などに用いられます。
それだけでなく食品に利用すると鮮度を維持できるほか、でんぷんの劣化やたんぱく質の変質を防ぐなどの効果があるため、食品添加物としてよく使われています。
高い保湿力を持つため、化粧品や入浴剤などに使われることもあります。
- しかし、こんなトレハロースに危険性はあるのでしょうか?
- ネットでは副作用も指摘されているようですが、心配ですよね?
そこで、今回は最近使用量が増えている人気のトレハロースの危険性について調べてみました。
この記事の目次
トレハロースの危険性について、副作用も指摘されているけど・・
今のところトレハロースは「食品添加物として安全に使用できる」とされています。
このことは米国食品医薬品局(FDA)の報告にも明言されています。
日本や台湾、韓国などでよく使用されていますが、近年EU諸国、オーストラリア、ニュージーランドでもその人気がどんどんと高まってきています。
しかし、EUおよびオーストラリアの国では、まだ「安全使用に関する長期的な歴史がない新しい食品」との注釈があります。
トレハロースの人体機能
トレハロースはエネルギーの源。1グラムあたり約4カロリーを得ることができます。
そのエネルギー量はショ糖とほぼ同じです。
トレハロースの栄養特徴
- グラム当たりカロリー= 4 Kcal
- グリセミック・インデックス (GI) = 72 (高)
- 甘味の強さ(ショ糖に対する比較) = 45%
- 炭水化物量 = 100%
トレハロースは、甘味がショ糖の45%程度。しかし、GI値が72と高い部類なので、低カロリー甘味料とは違います。
砂糖と同じ甘さを出したいと思うと、その分トレハロースの使用量が増え、高いカロリーとなってしまいますので気をつけましょう。
トレハロースには驚きの効果がたくさんあります。詳しくはこちらのページにて紹介しています。
参考記事 ▶ トレハロース驚きの効果10選
その効果を見ると良い事だらけのトレハロースに思えますが、やはり摂取量には注意が必要となります!
トレハロールの考えられる副作用
基本的にトレハロースは安全な素材です。
現時点にてトレハロースに関する危険性は報告されていません。
「急性毒性」と呼ばれる投与量、または短時間での複数回投与における毒性についても影響はなく安全とされています。
WHOなどの国際機関でも1日の許容摂取量(ADI)を設定する必要もないとの報告がなされているほどです。
しかしながら、以下の場合も考えられますので、参考にしてください。
【1】 摂取量によっては下痢を引き起こす
大量に摂取した場合に、お腹がゆるくなったという報告事例があるようです。
これは消化されないトレハロースが大腸に届いて、大腸の細菌が腹部膨満や下痢を引き起こす原因となりうるガスや刺激性のある物質に分解される可能性があるからです。
ですので、特にBIS(過敏性腸症候群)の方や消化器系が弱い方は注意が必要となります。
トレハロースの甘味料は砂糖の45%ほど。トレハロースで砂糖と同じだけの甘みを出そうと大量に使用するのは避けましょう。
あくまで砂糖を完全に置き換える食品としてではなく、砂糖の一部をトレハロースに置き換えるといった程度の使用量にしておきましょう!
■ 便秘の心配は?
トレハロースは便秘に効くといって飲んでいる人も多くいます。
トレハロースは便秘の解消にも役立つ人工甘味料としての認識もありますが、人工甘味料ではありません。砂糖の代わりではなく、むしろ摂りすぎによる下痢の方が副作用としては心配になります。
【2】 糖尿病
糖尿病の予防にはトレハロースが有効です。
それは砂糖と比べると血糖値の上昇をゆるやかにし、インスリンの分泌を抑制するため膵臓への負担を減らせるからです。
GI値で見てみると、ショ糖含有率99%のグラニュー糖が110なのに対し、トレハロースは72です。
ただしトレハロースは血糖値を上げるものなので、既に糖尿病を患っている方にとっては代替甘味料になりません。
【3】 遺伝子組み換えの心配は?
トレハロースの原料は、じゃがいもやとうもろこしです。
大量生産にかかる原料コストを考えた場合、海外から輸入されたじゃがいもやとうもろこしを使うケースが多々あります。
日本のとうもろこしなどは、ほぼ100%がアメリカからの輸入品です。
アメリカではとうもろこしの作付け面積の90%は遺伝子組み換えによって生産されているとも言われています。
アメリカだけでなくブラジル、南アフリカ産のとうもろこしも輸入されていますが、こちらの国でも遺伝子組み換えの割合が圧倒的に増えているという事実があります。
それゆえに、トレハロース自体の安全性に疑問を持つユーザ意見もあるようです。
しかしながら、トレハロースはじゃがいもやとうもろこしのデンプン分子に酵素を作用させてつくられる二糖類。
酵素の作用で出来たトレハロース構造を最終的にはデンプン分子から切り離してトレハロースをつくります。
ですので、非遺伝子組み換え作物であったとしても、どれほどトレハロース自体に影響が残るものかは分かりません。今のところ、健康被害の事例報告を待つしかないようです。
どうしても気になる方は、原料の生産国、非遺伝子組み換えの可能性を、製品メーカーに問い合わせても良いかもわかりません。
▶ トレハロース製品の最大手、商品「トレハ」を製造している(株)林原への問い合わせページ
http://treha.jp/contact/
トレハロースの摂取量
トレハロースの消化
小腸内では、トレハロースを分解する「酵素トレハラーゼ」がトレハロースを2つのブドウ糖に分解。そして吸収がされます。
「酵素トレハラーゼ」は、腸管に存在する酵素です。
健康な人が持つ酵素トレハラーゼは、1回の食事にて10〜50グラムのトレハロースを分解消化することができると考えられています。
ですので、トレハロースの使用量の上限は、1回10~15gと考えましょう。
また、トレハロースは、砂糖を完全に置き換えるものではありません。糖分の一部をトレハロースに置き換えるように考えます。
その置き換えの目安は、
- 砂糖の15〜20%ほどをトレハロースで置き換える!
これが基本であり、摂取の目安です。
また、甘みをあまり変えたくないケースには、砂糖を10%減らして、トレハロースを20%加えてみるようにしましょう。
必要以上に使用すると、味が落ちるばかりか食感も悪くなるケースもあるようです。
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その他、摂取の際の注意点
トレハロースのGI値(血糖指数)は「72」です。一般に低GI食品と呼ばれるものは、GI値が55以下のものとされていますので、高GI食品の扱いになります。
また、砂糖に比べると血糖値上昇は低く、ダイエットにも効果があると思われがちですが、
カロリーオフにはなっていませんので、この点も注意してくださいね。
トレハロース危険性まとめ
以上、トレハロースの危険性について、まとめてみました。
結論としては、
✅ 今のところ安全な自然の糖質
✅ 工業的に大量生産されるようになって人工甘味料のような扱いになっていますが、砂糖と置き換えられる人工甘味料ではない
✅ 摂取量が大切
✅ 高カロリー食品であることは忘れずに
以上がポイントになります!
トレハロースのご活用の際にぜひお役立てください♪
(By ゼウス23世)