トレハロース驚きの効果10選!甘味料、添加物、化粧品にも使用!
メタボリックシンドロームの予防のために、食品業界では低カロリー志向がどんどんとすすんでいます。
アセスルファムカリウムのような甘さの強い糖類由来でない甘味料も多く利用されていますが、やっぱり砂糖と同じようなテイストにはなりません。
加えて、砂糖が本来持つ機能性もないことから、あらためて砂糖が見直されてきています。
そんな中、砂糖と同じ機能性を有しながら、性質の良い「夢の糖質」とも呼ばれる「トレハロース」という添加物が生まれました。
安全性もたかく、評価がどんどんとあがっている「トレハロース」
今回は”トレハロースが持つ驚きの効果10選”をご紹介していきます。
この記事の目次
天然の甘味料トレハロースとは?
トレハロースとは、ブドウ糖(グルコース)が結合してできる二糖類の1種です。1832年、ライ麦の麦角から発見されて、1859年にゾウムシが作るトレハラマンナから分離されたことから、トレハロースと名付けられました。
原料にトウモロコシやジャガイモを使用し、でんぷんから酵素を使ってトレハロースは生成されます。
トレハロースは抽出する方法が非常に難しく、高価なものだったのですが、でんぷんを原料とした酵素法による生産技術がある企業による開発され、安価で多くの供給が可能になりその後は様々な用途に用いられるようになりました。
トレハロースは人工甘味料とよく間違われますが、もともとは動植物の細胞内にも存在している天然の糖質。安全性もたかく、添加物としても様々な食品に利用され、食品業界では大変重宝されているものです。
自然界にも存在するトレハロース
そもそもトレハロースは自然界の動植物の細胞内にも存在していて、特にエビや昆虫類、キノコ類、ひまわりの種子、海草類など多く含まれています。
さらに多くの動植物はカラダの中でトレハロースを自然合成することができ、エネルギー源としても使用されています。
開発したのは岡山県のあるバイオ企業
今まで大量生産できず高価な素材だったトレハロース。
1990年代に岡山県のバイオ企業が技術開発に成功。価格も下がって食品添加物としても多く使われはじめるようになりました。
その会社が株式会社林原(はやしばら)です。
トレハロースの栄養成分の特徴
- グラム当たりのカロリー 4Kcal
- 水への溶解度が砂糖の約3分の1
- 甘味がショ糖の約45%
- GI値 72
- 炭水化物量 100%
トレハロースは、低カロリー甘味料ではありません。砂糖と比べるとあっさりとした上品な甘みになっています。常温常圧で白色の粉末状の結晶体です。
非還元性糖といって、砂糖と同じように、加熱による褐変を起こしません。
甘味がショ糖と比較して約45%なので、砂糖と同じ甘さを出したい場合には、大量のトレハロースが必要になり、かえって高カロリー、高GIとなってしまいます。
そのため、甘みとしての使用よりむしろ、食品の品質保持や品質の向上のために使われています。
トレハロースの効果10選
【効果1】 高い保水力、保湿性で美容に効果
トレハロースは砂糖よりも高い水和特性を持つため、水分量の多い食品のしっとり感や柔らかさを保持する目的でも使われます。
メレンゲに使用すれば、分離しにくく気泡が安定。ゼリーなどの水菓子に使用すれば離水を抑えることができます。
この水和の性質は食品だけでなくスキンケアや化粧品の分野でも利用されています。
乾燥肌の方がトレハロース配合の化粧水を使えば、細胞を保護してくれる効果。またその保湿力が脂性肌も解消することができるといった効果も期待できます。
【効果2】 野菜の水分を保持、加工・加熱時の鮮度も保持します
トレハロースは野菜の水分保持に役立ちます。
保水力によって野菜のシャキシャキとした食感やみずみずしさが保てるようになります。
ジャム、コンフィチュール、パート・ド・フリュイなどフルーツや野菜を加熱して作る料理に、トレハロースを加えれば風味や色が落ちるのも防ぐこともできます。
【効果3】 加熱・加工臭を抑制
乳成分独特の臭いを抑える効果もあります。
ほかにも肉や魚の臭いも抑えてくれるので、下処理に使用される方もいらっしゃいます。
【効果4】 でんぷんの硬化、パサつきを抑える
トレハロースは糖類の中で、高いでんぷん老化抑制力を持っています。
ご飯などを長時間放置しているとでんぷんの老化によってご飯がパサパサになったり硬くなったりするのですが、トレハロースを加えてお米を炊けば、これらも抑えられます。
ですので、時間が経ってから食べるもの、冷蔵・冷凍する食品に使うと美味しく召し上がれるという効果も。
こういった理由で、コンビニ弁当やスーパーのお惣菜、スポンジケーキなどに多く使われるようになっています。また甘みを抑えることもできるので、甘さ控えめの焼き菓子などにも便利です。
【効果5】 タンパク質の変性を抑える
卵の半熟状態をキープしたり、食感のよいだし巻き玉子を作るときにもトレハロースが使われています。
トレハロースが持つたんぱく質の変性を抑える効果によって、たんぱく質が縮まなくなる理由からです。たんぱく質が豊富に含まれる卵をふんわり柔らかい状態に料理したい場合にとても便利。同様に肉や魚を柔らかい状態に保つためにも使われます。
【効果6】 脂質の変質を抑える
トレハロースには脂肪酸の酸化を緩やかにする効果もあります。
油脂分の多い菓子や食肉加工品など脂質が多い食べ物が劣化すると、その油脂分から嫌な臭いが発生しますが、トレハロースを加えると酸化を防ぐ効果があるので、食べもの品質保持にも役立ちます。
ただし香ばしいにおいも抑えてしまうので、使用量には注意が必要です。
【効果7】 冷凍保存(冷凍時の組織を保護)
食品を冷凍すると味や食感が落ちます。
しかし、トレハロースには氷の結晶が成長するのを抑える力があるので、冷凍による変質を防いでくれるのです。解凍しても食感が変わりにくくなります。
そのため冷凍食品にはトレハロースは超便利。多くの食材に利用されています。
【効果8】 菌を抑える
トレハロースには、水分活性を下げ、細菌の発育や増殖を抑制する力も期待されています。
【効果9】 野菜・果実の褐変の抑制
野菜・果物はすぐに変色します。しかし、トレハロースを加えることによって、アボカドやリンゴなども、時間が経っても変色しにくくなります。
【効果10】 過酸化物質の発生を抑える
上記の効果以外にも、クロロフィルの退色の抑制、過酸化脂質や揮発性アルデヒドの発生の抑制などの効果があるという研究報告もあります。
トレハロースの商品への応用
<食品へ>
乾燥食品、冷凍食品、フルーツ食品、ジャム、インスタントラーメン、米、ホワイトチョコレート、砂糖の食感を持つ食品のコーティング剤、安定剤、ベーカリークリーム、加工魚介類およびフルーツジュースなど多種多様に使われています。
<化粧品へ>
トレハロースが化粧品に多く利用されているのは、その優れた水分保持、保湿力です。また保湿性に加えて抗炎症作用もあると言われています。
また、天然の糖類でお肌にも安心。値段が一番のネックでしたが、大量生産技術が(株)林原によって確立されたことをきっかけに、一気に化粧品業界にも使用がひろがりました。
そんなトレハロースに危険性は無いのか?こちらにまとめています。
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トレハロース驚きの効果まとめ
よく知らなかったのですが、トレハロースはいまや私たちの身の回りの食品や化粧品には欠かせないものだったのですね。
また、血液の保存など医療の現場でも使われ始めているのだとか・・
しっかし、日本がほこる岡山県のバイオ会社の林原ですが、会社更生法を適用して、今は長瀬産業の子会社となっているようですね。
こんな素晴らしいものを開発した会社がなぜ経営難に陥ったのか不思議な気もしますが。
これからもこの安全な食品添加物の「トレハロース」に注目してくださいね♪
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(By ゼウス23世)