ひじきは栄養豊富な上に低カロリーなので人気の食材です。
しかし2004年に、英国食品規格庁からひじきには無機ヒ素が多く含まれているためあまり食べ過ぎないようにという報告が出されました。
無機ヒ素とは発がん性物質です!
日本ではあまりこのことは知られておらず、普通に食べられていますが実際のところひじきの大量摂取はどのような影響をもたらすのでしょうか?
有毒な無機ヒ素がたっぷり!?
そもそもヒ素は、ひじきに限らずいろいろな食品に含まれています。
ただ大抵の場合は有機ヒ素であり、無機ヒ素に比べると有機ヒ素の人体に対する影響は少ないと言われています。
ひじきに多く含まれるのは無機ヒ素になります。無機ヒ素を長期的に摂取し続けると、ガンを発症する可能性があるという説もあります。
特に妊婦は食べ過ぎに注意です。
無機ヒ素は胎盤を容易に通り抜けるため、胎児に悪い影響を与えてしまいます。
動物実験でも母体が大量にひじきを摂取すると、脳障害が起きたという事例もあります。
(英国の勧告)
カナダ食品検査庁(Canadian Food Inspection Agency:CFIA)の報告をうけて、英国食品規格庁(Food Standards Agency :FSA)はロンドンで販売されている海藻類31検体における、総ヒ素量と無機ヒ素濃度を測定しました。
海藻類は乾燥されたものが販売されているのがほとんどなので、それらを水戻しを行って調査測定を行いました。
結果、すべての海藻からヒ素が検出されましたが、とくにひじきにヒ素が多く含まれていることがわかりました。
有機ヒ素にくらべ、無機ヒ素は人体への健康被害が問題視されており、よって、FSAは以降、ひじきをあえて食べないことを勧告しています。
安全にひじきを食べるためには
【1】 水戻し
乾燥ひじきを使う際には水戻しをします。この水戻しで、ヒ素が溶け出して濃度が減ると言われています。
実際には、芽ひじき1.3mgを30分水につけて戻すと、ヒ素が0.48mg。60分の水戻しによって、0.89mgが溶け出すと研究されています。
長ひじきの場合は、30分で0.37mg、60分で0.74mgが溶け出すとのこと。
【2】 茹でる
(東京都福祉保健局データより)
産婦人科調査によりひじきを煮ものだけでなくサラダにして食べる方が多かったため、ひじきを茹でることにより、どれほどのヒ素量が減少するのか測定。
- 乾燥ひじきを30分水戻し、5分間茹でる
- 乾燥ひじきを60分水戻し、5分間茹でる
- 水戻しなしで、そのまま5分間茹でる
の3パターンの測定において、水戻しした方が、ヒ素が溶け出す量が多かったことがわかりました。
無機ヒ素は水に溶け出しやすいという性質を持っているので、基本的に、水戻ししてから茹でるとより安心です。
乾燥ひじきを重量の40倍の水(20℃)に30分つけておくことによって、総ヒ素量の50〜66%が溶け出すことがわかりました。
ですから、乾燥ひじきは食べる前に水洗い、水戻し、ゆでこぼしをするようにしましょう。
戻し水は摂取しないで、捨ててください!
一日の摂取量を守る
世界保険機関(WHO)は、体重50キロの人で、一週間に毎日乾燥ひじきを4.7g以上摂取するのは危険だということを規定しています。(乾燥ひじきを水戻ししての想定)
日本人の1日あたりの海藻摂取量は14.6g、うちひじきは平均0.6gなので、バランス良い食生活をしていれば健康上のリスクはあまり高くないと、厚生労働省HPでは発表されています。
乾燥ひじきと生ひじき
以上のことから、ひじきに含まれるヒ素は水戻しによって、減らせることがわかりました。
<ひじきを調理する際の注意点>
- 茹でるときは、水戻ししてから茹でるようにします
- 戻しに使った水は調理には使わず、水戻しした後もボールに入れた水で2~3回洗い流してから、水気を絞るようにしましょう
- 生ひじきや缶詰のひじきの場合は改めて水戻ししなくても大丈夫ですが、調理する前に水でよく洗ってから使うようにしましょう
ひじきには栄養素がたくさん
ひじきの栄養素(食材100g当たり)
- 鉄分が55mg
- カルシウムが1400mg(牛乳の10倍以上)
- 食物繊維が43.3g (ごぼうの7倍)
も含まれています。他にもマグネシウム、マンガンが含まれているので、歯や骨を丈夫にする効果があります。
■ 鉄分
鉄分は、血液に必要なミネラル。貧血の改善に役立ちます。野菜などのビタミンCと組み合わせると吸収率があがることも!
■ 食物繊維
食物繊維も水溶性の食物繊維なのでダイエット食品としても優秀ですし、糖分の吸収速度をゆるやかにしてくれるなどの効果も期待できます。
■ ヨウ素
新陳代謝の活発化を助けるヨウ素も豊富に含まれているので、肌や髪、爪を健康な状態にしてくれる効果が期待できます
■ タンニン
さらに、ポリフェノールの一種であるタンニンも含まれていて、これは紫外線から肌を守る働きをするため、ひじきは美容にもぴったりの食材です。
ひじきに発がん性?まとめ
今回は、気になるひじきの安全性についてまとめてみました。
日本の農林水産省や、行政の発表では、乾燥ひじきを調理する際には、十分水戻しをしてかつ茹でることが奨められています。
そして、現状の日本人の平均摂取量では問題ないとの報告も。
しかしながら、イギリスの食品規格庁では、あえて食べないことを勧告しています。
ひじきは栄養素がたくさん含んだ食材ですが、まだまだその無機ヒ素の含有量ことを考えると、更なる調査を待った方が安心なのと、食べる際にも、調理法や、摂取量については十分気をつける必要があるのかな、と言えると思います。
ご参考になれば幸いです。
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(By ゼウス23世)