カラダの“糖化”というものは、“酸化”よりもカラダにとって“老化を促進させる”悪しきものと言われているのをご存知でしょうか?
酸化よりもまだ聞きなれないマイナーイメージのワード「糖化」ですが、実は酸化よりも危険度が高くお肌やカラダにとって要注意なのです。
しかし良いニュースとしては、カラダの糖化は、毎日の食事や調理方法、食習慣に気を付けることによって、予防することができる!ということです。
今回は「老化」がとっても気になる美しい女性のあなたへ!
- 抗糖化作用がある食品20選
- 低GI食品とは
- 糖化を予防する調理方法と3つの食習慣
をご紹介していきます。ぜひ老化防止に向けしっかり対策していきましょう!
この記事の目次
糖化とは?
(1)カラダの焦げとも表現される?
活性酸素による“酸化”のことを『身体のサビ』と言うのに対し、“糖化”は『身体のコゲ』とも表現されるようになりました。
2018年の現在「糖化」は、老化の最大の原因にも成りうる悪しきものとして、とくに女性には知っておくべき要注意キーワードになってきています。
(2)糖化現象
糖化現象とは、タンパク質や脂質が、食事などから摂取し余った糖と結びついて、細胞を劣化させる現象のこと。消費されずに余った糖は、いざという時のために、肝臓や脂肪組織にせっせと貯蔵されます。しかし、貯蔵量以上に摂り過ぎて、カラダで処理しきれなかった余分な糖分が残ったり、急速に血糖値が上がって、カラダの貯蔵処理が追い付かなかったりすると、その余分な糖分が体内のタンパク質や脂質と結びついて変性が起こります。そしてその変性によって、老化促進物質が出てきてしまうのです。
◎ AGEs
この老化促進物質は、AGEs(糖化最終生成物)とも呼ばれます。このAGEsは、私たちの体内で作られる以外にも、食品自体にも含まれています。身体に悪いことだらけのAGEsは、一度カラダの中に蓄積したら排泄されにくいのが大きな特徴です。
(3)糖化によるお肌、髪への悪影響とは?
糖化が進行すると、肌の張りを保つコラーゲン繊維が壊され、肌は弾力を失ってしまいます。また、老化によって生み出された老廃物が皮膚組織に沈着し、シワやシミ、くすみとなって表れます。他にも、髪の糖化は、髪のハリや艶を失わせてしまいます。このように、AGEsが肌や髪に影響すると、年齢よりも老けた印象になり“老化”に大きく影響してしまいます。
さらに糖化が進むと病気になる?
しかし、さらに怖いのが、より糖化現象が進行してしまった場合です。
糖化はやがて、お肌や髪への影響だけでなく、体内の血管や内臓に影響を与えはじめます。それが、さまざまな以下のような“病気”として現れ始めるのです。
◆ 血管組織
血管組織が糖化してしまうと、血管がもろくなり炎症が起こりやすくなります。これが引き金となって、動脈硬化のリスクが高まり、やがては心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な疾患につながってしまいます。
◆ 肝臓組織
腎臓組織の糖化がすすむと、腎機能が低下、血液中のタンパク質が濾過しきれずに尿に漏れ、
尿たんぱくの症状が出ます。
◆ ほかにも、骨の糖化、目の糖化など
骨の糖化がすすむと、骨粗鬆症の発症につながります。目の組織の糖化では、ドライアイや白内障などの原因になります。
他にも、糖化は、アルツハイマー進行との関係も問題視されはじめており、健常な高齢者の脳と比較した実験によると、アルツハイマー病患者の脳には、約3倍ものAGEsが蓄積されていたとの報告もあるほどです。
何としても糖化は防ぎたい!抗糖化作用がある食べ物20選と低GI食品
では、摂取し過ぎまた、処理しきれずに体内に残ってしまった糖分が、タンパク質や脂質と結びつくことを防ぐには、どのように気をつけたら良いのでしょうか?
- 1つは、糖化を予防する食品や成分を摂ること
- もう1つは、血糖値の急上昇を避けること
この2つが重要です。
【1】 抗糖化作用がある食品
抗糖化作用は、実は普段の食生活の中に取り入れることのできる身近な食品の中にもたくさん含まれているのです。
また抗糖化作用のある食品は、基本的に食事の初めの段階で取る方がその効果が上がるとも言われています!
食品名 | 特徴 | |
1 | 生姜 | 生姜は、抗糖化作用のある食品の中でも、ナンバー1の抗糖化力を持っています。生姜には、抗酸化作用もあるため、アンチエイジングには「抗酸化」「抗糖化」の両面で大変優秀な食材です。 |
2 | シナモン | 生姜に引き続いて、抗糖化作用が高い食品です。砂糖の依存も抑える作用があります。 |
3 | クミン | クミンも糖化阻止率の高い食品です。クミンはカレーには欠かせないスパイス。炒め物や肉料理に使うと、エスニックな香りで食欲増進も期待できます。 |
4 | 黒胡椒 | 黒胡椒には、抗糖化作用が期待できますが、刺激が強いものなので、胃腸の弱い方は摂取方法や量に工夫が必要です。 |
5 | バジル | 乾燥バジルでも生バジルでも有効です。ジェノベーゼソースを作って、生野菜やカルパッチョなどのソースにして食べると、とっても美味しく糖化を抑えた食事ができるので、おすすめです。 |
6 | りんご | 特に皮の部分に抗糖化作用の高い物質が含まれています。他にも、りんごには食物繊維やクエン酸、ビタミンCなども豊富に含まれ、美容や健康に効果があります。しかし、果糖が含まれるので、食べ過ぎには注意して摂取するようにしましょう。 |
7 | にんにく | にんにくには、疲労回復や抗ウイルス作用などの作用のあるアリシンと呼ばれる栄養素が含まれ、この栄養素には、抗糖化作用や抗酸化作用も持ち合わせています。生のまま摂取すると効果が高いと言われています。 |
8 | アーモンド | アーモンドには、排出の難しいAGEsを体外に排出する効果があって、血糖値も下げてくれるおまけ付き! |
9 | エビ、カニ、貝類、きのこ類など | キチン・キトサン類を含むこれらの食品は、AGEsの吸収を抑える可能性があります。 |
10 | ブロッコリースプラウト | ブロッコリースプラウトを2カ月摂取すると、AGEsの生成が抑えられることが明らかにされています。 |
11 | モロヘイヤやヨモギ | モロヘイヤやヨモギには、AGEsの分解や排出を促進する作用があることが分かっています。 |
12 | クエン酸を含む、酢や柑橘類 |
身体の細胞には、ぶどう糖を燃焼するクレブス回路(TCA回路)というシステムがあります。クエン酸が多く含まれる酢や柑橘類には、このクレブス回路の働きを高める作用があります。 さらに、AGEは、酸性になると減少するということが分かっていますので、例えば、揚げ物などにレモンや酢をかけて食べるなどの工夫をすると、AGEsの生成が抑えられます。 |
13 | マンゴスチン | マンゴスチンの果皮に含まれる水溶性ポリフェノール(キサントン類やプロシアニジン類、カテキン類など)に抗酸化作用や抗糖化作用があることが明らかになっています。さらに、ロダンテノンBには、非常に高い抗糖化作用が認められ、臨床研究が実施されています。 |
【2】「お茶」にも抗糖化作用があった
お茶類の中にも、糖化を遅らせてくれる嬉しい成分が含まれています。
特に、下記にご紹介するお茶には、AGEsの生成を防ぎ、これを排出させる作用があります。
しかし、同種類のお茶でも市販のお茶だと、酸化防止剤が添加されているものが多く、これだと逆に活性酸素が反応して酸化の方が進んでしまいます。ですので、基本は自宅で入れたお茶をなるべく新鮮なうちに摂取すること! 食前や食事中にお茶を飲むと効果が出やすくなります。
食品名 | 特徴 | |
14 | 緑茶やウーロン茶、プーアル茶 | 緑茶・ウーロン茶・プーアル茶には、たくさんの茶カテキン(ポリフェノールの一種)を含有しています。高濃度の茶カテキン類は、血糖値上昇を抑え、糖化やAGEsの蓄積を予防する効果があります。 |
15 | ドクダミ茶 | 十薬(じゅうやく)という名前で、漢方の分野でも使用されるドクダミ。クエルシトリンなどのポリフェノール類のAGEs生成抑制作用は、糖化反応阻害薬として開発がすすめられていた成分のアミノグアニジンの約100倍と言われています。 |
16 | 甜茶 | エラグ酸などの甜茶ポリフェノール類がAGEsの生成を防ぎます。また、体内には、OPHという酵素が備わっており、酸化したタンパク質やAGEsを分解・排出する能力があります。甜茶はこのOPHの活性を高める効果があります。 |
17 | ルイボスティー |
ルイボスティーは、コラーゲンの糖化を防止すると言われています。抗酸化力が強いのも特徴です。タンパク質が酸化するとより糖化が進むので、ルイボスティーの抗酸化作用が相乗効果となり、より糖化しにくくなります。 甜茶と同様に、ルイボスティーにもOPHの活性を高める効果があります。 |
18 | カモミールティー | カモミールティーにもルイボスティー同様に、コラーゲンの糖化を防止すると言われています。ポリフェノールのカマメロサイドを含んでいます。 |
19 | 柿の葉茶 | ビタミンCを豊富に含み、タンニン(脂肪の分解作用のあるポリフェノール)がたくさん含有されています。 |
20 | ごぼう茶 | AGEを排出する作用があります。 |
【3】 糖化を抑制する話題の食品 ~低GI食品とは?~
身体にAGEsが溜まってしまう状況は、血糖値と大きく関係しています。体内で血糖値が上昇し、血糖値が高い状態が続くとAGEsが“生成されやすく”なります。
AGEsができやすいのは、食後1時間の間。食事をしてから30分~1時間の間に血糖値が上昇するので、それにより糖化が起こりやすくなります。
糖化を防ぐには、食後の血糖値に大きく関係するので、急激に血糖値を上げない食品を選ぶようにすることも、違う側面で重要になります。
GI値とは?
GI値(グリセミック・インデックス値)とは、ぶどう糖による血糖上昇率を100と設定し、その食材によって、どれくらい血糖値が上昇するのかを数値化し、比較したものになります。
GI値が低い食品ほど血糖値が上がりにくいので、できるだけ低GI値の食品を選ぶようにしましょう。低GI値の食品を多くすることで、間接的に糖化を抑制することができます。
低GI値(49以下) | 中GI値(50~79) | 高GI値(80以上) | |
主食 | パスタ(全粒粉)、おかゆ(玄米)、麦 | 胚芽精米、玄米、そば、おかゆ(精白米)、もち米、クロワッサン | 食パン、ロールパン、フランスパン、精白米、もち、うどん |
野菜類 | さやいんげん、玉葱、トマト、長ネギ、キャベツ、ピーマン、大根、ブロッコリー、ナス、小松菜、きゅうり、レタス、もやし、ホウレン草 | 南瓜、山芋、トウモロコシ、里芋、さつまいも、ぎんなん、そら豆 | じゃがいも、人参、グリーンピース |
果実類 | りんご、ミカン、レモン、柿、いちご、モモ、メロン | パイナップル、スイカ、バナナ | |
魚類 | マグロ、カツオ、サバ、アジ、イワシ、真だこ、いか、しじみ、あさり | ウニ | |
肉類 | 牛肉、豚肉、鶏肉 | 牛レバー | |
きのこ類、海藻類 | しいたけ、えのき、エリンギ、しめじ、なめこ、生ワカメ、のり、ひじき、昆布 | ||
菓子類 | クッキー、カステラ、ポテトチップス | チョコレート、ホットケーキ、ドーナツ、キャンディ | |
乳製品・卵 | 牛乳、プレーンヨーグルト、バター、プロセスチーズ、鶏卵 | ||
調味料類 | 味噌、ケチャップ、ウスターソース、マヨネーズ、醤油、食塩、米酢、穀物酢 |
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参考記事
▶ 糖質制限ダイエットに覚えておきたいGI値の意味とは?低い食品ベスト30!
糖化を予防するための調理方法
調理方法によっても、糖化が進みにくい順番があるようです。
1.茹でる→ 2.煮る→ 3.焼く→ 4.油で揚げる
という順番で、糖化が進みやすくなり、さらに高温調理になるほどにAGEsの生成が増えてしまいます。「高温による揚げ物」はカラダの糖化にとっては良くないのですね。
また、見落としがちなのが電子レンジ調理です。
電子レンジ調理では、焼き色が付きにくくわかりにくいのですが、電子レンジはマイクロ波で食品分子を振動させ高温状態にするため、焼き色がついてなくても高温で焦げ目をつけたのと同じ状態になっているので、注意が必要です。
糖化を予防するために気をつけたい3つの食習慣!
さらに食習慣によっても、糖化を予防できる元気なカラダに保つことができるので、老化を防ぐ食習慣もぜひ、身につけましょう!
【1】 朝食は抜かないようにする
朝食を抜くと低血糖状態が長時間続き、インスリン拮抗ホルモンが大量に分泌されます。その状態のまま昼食を摂ると、昼食後の血糖値が上昇しやすく、その血糖値を下げるためにインスリンが大量に分泌されるようになります。血糖値の上がり下がりの振れ幅が大きいと、糖化の促進スピードが早くなってしまいます。
【2】 ゆっくり噛んで食べましょう
食後に急に眠たくなることはありませんか?これは、食事を早く食べることによってインスリンが急激に分泌されることが原因の一つとされています。
ゆっくりと食事をすることで、血糖値の上昇が緩やかになり、糖化予防につながります。
また、食事開始から20分ほど経つと、脳の満腹中枢が刺激され満腹感が得られるようになります。食べるのが早いと、満腹感を得られる前に必要以上に食べてしまい、要らない糖質を摂ってしまうことにもつながります。
【3】 ベジタブル・ファーストを心がける
ベジタブル・ファーストとは、食事の初めに野菜やキノコ類から食べはじめることを言います。野菜に含まれる食物繊維のおかげで糖質の吸収スピードが抑えられ、血糖値の急激な上昇も抑えることができます。
実は和食の伝統料理はこの面でも良くできています。
懐石料理を食べる順番のように、食物繊維(野菜、キノコ類など)→タンパク質(肉・魚類など)→糖質(主食のご飯やパンなど)の順番に摂取することによって、結果として糖化予防につながります。
抗糖化作用がある食べ物、調理方法、食習慣のまとめ
肌荒れを始め、老化、恐ろしい病気に至るまで、“糖化”、“AGE s”が大きく関わっていることをはっきり認識している方は、まだまだ少数派のようにも思います。しかし、近年の研究や雑誌の掲載によって、この糖化やAGEsに関する記事も目につくようになってきました。
糖化というとても恐ろしい現象も、身近にある食品で防ぐことができます。また、糖化は血糖値上昇と大きな関係性がある。よって、食品のGI値に意識をむけることも大切です。他にも調理方法を工夫したり、健康的な食習慣の実践!
これらによって、最大限の糖化現象を防ぐことができるようですので、ぜひ実践するようにしましょう。5年後、10年後あなた自身が後悔しないために。。
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(By ゼウス23世)