エッセンシャルオイルは、自然の植物の花や葉、木部、果皮、樹皮、根、種子など非常に多くの種類から抽出され、たくさんの香りが存在しています。その香りの違いはもちろんのこと、心や身体、美容面など様々な分野で多くの効能があります。
今回は、エッセンシャルオイルの8つの分類別におすすめの香りをご紹介したいと思います。
この記事の目次
エッセンシャルオイルの種類
現在、知られている精油は1500種類と、非常にたくさんあり、その香りや効能はそれぞれ異なっています。中でもアロマテラピーとして利用する種類としては、約200種類に及びます。アロマテラピーというのは、植物の持つ香りの成分を利用した自然療法のことで、心理的・精神的にも身体的にも癒しの効果があります。
エッセンシャルオイルの代表的な分類とは?
エッセンシャルオイルの種類には、8つの代表的な”香り”の分類があります。(※分類法はいろいろありますが、・・海外での多くの分類を参考にしました)
- 華の香り(フローラル系)
- 柑橘(シトラス系)
- ハーバル(ハーブ系)
- ミント系
- 樹木(ウッディ―系)
- スパイス系
- 樹脂(バルサム系)
- エキゾチック(オリエンタル系)
の8種類です。
<こちらも参考!>エッセンシャルオイルの香り効能、使い方をまとめてみました!
参考記事
▶ エッセンシャルオイルの香りの効能といろいろ使い方まとめ17選!
分類別、おすすめの代表的なエッセンシャルオイルリスト!
次にエッセンシャルオイル初心者向けのものを中心に、8つの分類別のおすすめエッセンシャルオイルをご紹介したいと思います。
【1】華の香り(フローラル系)
(1)ラベンダー
最も人気の高いエッセンシャルオイルの一つで、初心者にもお勧めのオイルです。
スパイク、ラバンジン、フレンチの3種類があります。ラベンダーは、希釈しなくても肌に直接付けることができる数少ないエッセンシャルオイルです。
ラベンダーには、自律神経のバランスを調整する働きがあり、リラックスしたい時、寝つきが悪く安眠したい時などに効果があることはよく知られています。それ以外にも、頭痛や筋肉痛、月経痛などの身体の痛み緩和の効果や、免疫力を上げてくれる効果が期待されています。
加えて、抗炎症、鎮痛、消毒の作用もあり、軽度の火傷や傷などの応急処置にも使えます。
(2)ゼラニウム
ローズに似た香りを持つことから、“ローズゼラニウム”とも呼ばれるエッセンシャルオイルで、初心者の方にも扱いやすくておススメのオイルです。
自律神経のバランスを調え、ストレス緩和などメンタル不調に作用してくれます。さらに、ホルモン分泌を安定させることから、月経痛やPMS(月経前症候群)、更年期障害などの症状緩和にも働きがあるとされます。美容面でも、血行促進やシミやシワ予防などスキンケアに効果あり。
(3)カモミール・ローマン
カモミール・ローマンは、りんごのような甘い香りが特徴のエッセンシャルオイルです。作用が穏やかなので、子どもから大人まで幅広く安心して使用できるのが大きな魅力です。
カモミール・ローマンには、心を鎮め、リラックスしたり不眠解消といった効果があります。
お子さんの寝つきが悪い時や、癇癪を起しているときにも作用してくれます。
身体作用としては、頭痛、歯痛や腹痛など痛み緩和、消化器系不調にも役立ちます。さらに、月経不順や更年期障害などの女性特有の体調不良にも効果があります。
(4)その他のフローラル系 ▶▶ ジャスミン、ローズ、ネロリなど
【2】柑橘(シトラス系)
(1)オレンジ・スイート
オレンジ・スイートは、オレンジ果皮から抽出される、果実そのままの、みずみずしくて甘酸っぱい香り漂うエッセンシャルオイルです。年齢を問わず多くの方に馴染みが深い香りで、初心者の方にも扱いやすいおススメオイルです。作用も穏やかなので、子どもさんに安心して使うことができます。
オレンジ・スイートには、リフレッシュ効果、リラックス効果があります。
メンタル面では、ストレス、うつ、不安や緊張などの緩和など、気分を前向きにする効果が期待できます。フィジカルでは、下痢や便秘など胃腸の不調、食欲を高めてくれる効果が期待できます。さらに、美容面では、発汗を促したり、血行促進、老廃物の排泄など、お肌のデトックス効果が期待できます。
(2)グレープフルーツ
グレープフルーツの香り成分「リモネン」という成分は、全体の95%も占めています。
グレープフルーツもオレンジ・スイートと同じく、多くの方に馴染み深く、高い人気を誇っています。初心者の方にもお勧めしやすいオイルです。気分が沈んでいる時に、前向きな気持ちや幸福感をもたらせてくれます。
グレープフルーツは脂肪燃焼する効果もあって、ダイエットにも使えます。また、肝臓を強化し消化を促してくれるため、二日酔いの解消にも効果がありますね。美容面では、皮脂分泌を抑えて、ニキビや吹き出物を予防してくれるといった効果が期待できます。
(3)ベルガモット
ベルガモットも、オレンジやレモンと同様、ミカン科の柑橘類になります。
果実は、苦味が強くて食用にはされないので、馴染みが薄いものになっています。しかし、香水や紅茶の香り付けなどには広く利用されています。柑橘系のフレッシュな香りが好みの方にお勧めになります。
ベルガモットは、精神的効果がとても大きく、イライラやストレスを和らげ、気持ちを安定させてくれます。また、気分が落ち込んでいるときに、幸福感をもたらしてくれる作用もあります。ベルガモットにも香り成分「リモネン」が含まれるため、消化器系の不調に良く、食欲増進や胃腸のトラブルへの効果が優れているとされます。美容面では、ストレス性の肌荒れに効果ありです。
(4)レモン
レモンのフレッシュな香りは、頭や気分をスッキリさせてたい時におすすめです。勉強や仕事などに集中したい時、集中力や理解力を高めたい時、レモンの香りを活用しましょう。
殺菌作用や消毒作用にも優れているので、空気の浄化、感染症予防にもつながります。
フィジカル面では、血行促進、体を温め冷えやむくみの解消が期待できます。また、リモネンも含んでいます。
(5)その他のシトラス系 ▶▶ ライム、タンジェリンなど
参考記事
▶ あんず油とゆず油の違いとは?性質やヘアケア効果もどう違う!?
【3】ハーバル(ハーブ系)
(1)ローズマリー・シネオール
ローズマリーには、産地によって異なる3種類があります。「ローズマリー・シネオール」、「ローズマリー・ベルベノン」「ローズマリー・カンファー」の3種類です。
中でもローズマリーシネオールはモロッコ産のローズマリーになります。
ローズマリーの葉は、肉料理の臭み消しとしてよく利用されるハーブの一種。疲れた気分を元気にしてくれたり、精神的に疲れているときは活力を、集中力や高めてくれたりする効果が期待できます。
また、フィジカルでは、血液循環の促進、筋肉疲労やリュウマチ、冷えなどにも効果があります。
美容面では、抗菌・収れん作用により、ニキビや吹き出物の予防改善効果が期待できます。その他、髪の成長やフケ、脱毛予防なども見込めます。
(2)クラリセージ
クラリセージは、ナッツのような甘さと、ほんのりスパイシーで苦みのある深い香りが特徴です。
不安感やストレス、気持ちの焦りやプレッシャーなどの感情を和らげてくれ、心を落ち着かせてくれます。
同時に幸福感、明るい気持ちにしてくれる効果もあります。フィジカルの作用としては、女性ホルモンのエストロゲンに似た構造を持つスクラレオールを含んでいて、月経不順や更年期障害などの症状に効果を発揮するとされます。また、頭痛や肩こり、筋肉痛などの痛みに対して鎮痛作用も。
美容面では、髪の成長をサポートしてくれたり、頭皮の健康維持の効果が期待できます。
(3)その他のバジル系 ▶▶ メリッサなど
【4】ミント系
(1)ペパーミント
ペパーミントは、歯磨き粉やガムなどのお菓子類にも使われるメントールの香り成分が含まれます。清涼感のある刺激的な香りで、リフレッシュ効果は絶大です。朝起きた時、乗り物酔いで気分がすぐれない時、花粉症などの不調、イライラを切り替えて、シャキッとした気分にさせてくれます。ペパーミントの効能はとても多く、頭痛、筋肉痛などの鎮痛作用、消化不良や便秘、二日酔いなど消化器系不調の改善、咳やのどの痛み、鼻づまり、花粉症などの呼吸器症の改善など、幅広く活躍してくれます。美容面でも、日焼け後のクールダウンに、またお肌の炎症、ニキビや吹き出物のケアにも使えます。
(2)その他ミント系 ▶▶ ヒソップ(ハッカ)、スペアミント
参考記事
▶ ハッカ油以上の効果!自家製ペパーミントオイルの作り方3選!
【4】樹木(ウッディ―系)
(1)ユーカリ・グロブルス
ユーカリは、ペパーミントよりも刺激が強く、シャープな香り。
思考が定まらない時や精神的に追い込まれた時など、頭をクリアにし、集中力や記憶力を高めるのに効果があります。
また、優れた消毒、抗炎症作用を持っており、アロマテラピーとして使用することや、室内の空気清浄なども可能になります。
身体的な作用としては、花粉症や、鼻水・鼻づまりを解消する作用、咳を鎮める作用などがあります。免疫力強化も期待でき、風邪などの初期症状に作用して回復が早まるとされます。
(2)ティーツリー
ティーツリーは、スパイシーで清潔感のある香りがあります。リフレッシュ効果に優れ、気持ちが落ち込んでいるときに使いたいオイルです。
ティーツリーには、殺菌効果もあり、戦時中には、消毒薬としても使われていました。
皮膚消毒をはじめ、化膿止めにも、入浴時に用いれば、体臭の原因を取り除くこともできます。
ティーツリーはラベンダーと同様、肌に直接付けることができる数少ないエッセンシャルオイルの一つです。ニキビや吹き出物、虫刺されなどに直接塗ると、優れた殺菌効果と抗炎症効果で早く治すことができます。
【5】スパイス系
(1)シナモンリーフ
お菓子やパン、お茶などで馴染みのあるシナモンは、ニッキの香りとして日本でも古くから親しまれています。世界でも甘くスパイシーな香りとして人気です。
元気が出ない時に、シナモンの香りは気分を高揚させてくれる効果があります。
また、消毒作用もあるため、風邪やインフルエンザなどの感染症予防にもつながります。
加えて、消化不良や腹痛、下痢など消化器系の不調時にも効果が見込まれます。
美容面では、収れん作用がありますので、肌の引き締め効果が期待できます。
(2)ブラックペッパー
ブラックペッパーは、ピリッと来るスパイシーな胡椒の香りが特徴。初心者の方にもお勧めしやすいエッセンシャルオイルです。
辛いこと、悲しいことがあった時、やる気が起こらない時にエネルギーを与えてくれ、カラダだけでなくメンタル面でも温まる効果があるとされています。
フィジカル面では、末梢の血流を増やし、局所的に温めてくれる効果があり、冷え性や肩こり、腰痛などによく使われます。その他、胃腸を活発にする、消化促進などの効果があります。
(3)その他スパイス系 ▶▶ アニシード、カルダモン、コリアンダー、クミンなど
【6】樹脂(バルサム系)
(1)フランキンセンス(オリバナム)
スパイシーさとウッディーな香り、さらにかすかにレモンのような清涼感ある香りもするエッセンシャルオイルで、初心者の方にも向いています。
イライラや不安、心の乱れなどを取り除き、心を落ち着かせる効果があります。
呼吸を深めて、心が穏やかになります。
フィジカル面では、のどや鼻の粘膜を落ち着かせ、風邪、喘息、気管支炎などといった、呼吸器系のトラブルを緩和する働きが見込まれます。
美容面では、アンチエイジング効果に優れていて、しわやたるみの改善し、皮膚再生を活発にしてくれるなどの効果があります。
(2)その他バルサム系 ▶▶ セダーウッド(ヒノキ)、パインなど
【7】エキゾチック(オリエンタル系)
(1)イランイラン
イランイランは甘く濃厚な香りを持ち、とてもエキゾチックな印象を受けるエッセンシャルオイルです。
イランイランとは、マレー語で“花の中の花”という意味があり、花の美しさも香りも格調の高いことが伺えます。
イランイランには、不安や緊張、恐怖などマイナス感情を安定させ、気分をリラックスさせ幸福感や楽しい感情をもたらす効果があります。また、甘い香りには、催淫効果があるとされています。身体的な作用には、血圧を下げたり、緊張をほぐしたり、ストレスによる動悸を沈めたりします。ホルモンバランスを整える働きもあり、女性特有の疾患、子宮を強くし生殖機能を高める、不妊改善などにも効果があると言われています。
(2)その他オリエンタル系 ▶▶ ジンジャー、パチョリなど
エッセンシャルオイルの種類まとめ
今回ご紹介したエッセンシャルオイルは、ほんの代表的なもので、全体の一握りの種類です。
香りをかぐことで、精神的な作用のみならず、身体にもたくさんの効果が見込まれます。
アロママッサージやバスタイムの入浴剤として使うと、エッセンシャルオイルの薬効成分が皮膚から取り込まれ、血流によって全身に運ばれます。
エッセンシャルオイルを選ぶときには、自分好みの香りを選ぶことが第一ですが、その効果などもいろいろ調べてみましょう。エッセンシャルオイルの楽しみ方がぐんと広がりますよ。
さらには、エッセンシャルオイルをご自分でブレンドして、オリジナルオイルをつくってしまうという、上級者としての楽しみ方もありますね。
私もいつか自分のオリジナルオイルを作り出してみたいと思っています。
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(By ティア)