マヌカハニーの品質!ニュージーランド政府の厳しいチェックとは?
この記事の目次
今からマヌカを買おうとしている貴方に・・
人気過剰のマヌカハニー、その人気の秘密はそのはちみつが持つ医療性能ですが、日本でも2,3年前くらいからでしょうか、マヌカハニーの市場が急速に立ち上がりましたね。インターネット通販をはじめ。今ではドラッグストア、高級食材マーケットなどをはじめ、医療薬品の店先でも数多くの製品が売られているのを見るようになりました。
既に購入したことがある、あるいは今から買ってみようかな?
そう思われている方も多いと思います。
今回は、そんな貴方に良い参考情報になるかもわかりません。
マヌカ偽装 不正が横行、ついにNZ政府も規制に動き出す
マヌカハニーは、ニュージーランドを原産とするマヌカの原木蜜をはちが集めてできたハチミツです。このマヌカが生えているエリアはニュージーランドとオーストラリアの一部だけ。オーストラリアは大きなはちみつ消費国ですので、日本を含め海外市場に向け輸出されているほとんどのマヌカハニーは、ほぼニュージーランド原産モノということになるのでしょう。
しかしながら、このマヌカハニーは想像以上に貴重なもので、1年間の生産量はたったの1,700トン。それに比べ、世界で売られているマヌカハニーの流通量は10,000トンをゆうに超えているとも言われ、実に80%が疑惑マヌカ?と言われているほどです。
あなたは偽物かも知れないマヌカハニーに高いお金を払いたいですか?
不正が増加一辺倒のこんな世界状況を受け、ニュージーランド(NZ)政府もついに動き出しました。マヌカハニーの信憑性と品質性を確保するために、流通品に対して厳しい品質テストを化するようになったのです。
以下が、こんにちのマヌカ製品に対して行われている9つのテスト項目です。
これらのテストは、ニュージランド国内においてマヌカハニー生産者、販売業者に化せられているもので、販売開始時にはもちろんのこと、店頭に並んだ後でも、消費者の誰かが申し立てれば、再テストを受けなければならないという、とても厳しいルールになっています。
テストの9項目一覧は以下のとおり。
- レプトスペリンの含有率
- DHA濃度
- MGO濃度
- HMF濃度
- MGO、NPA +、 HMFの将来予測値
- 色味&電気導電率
- 要素分析
- ツチン検知
- C4糖分
つまりこれら総ての試験にパスできた製品のみ、「マヌカハニー」としてラベルを貼り売って良いということなのです。
実はこれらの試験をすべて受けていくのにも、生産者、販売業者にとって大変な苦労がしいられます。これらのテストを受けていない販売業者もいるようですが、どうせだったらこのような基準を完全にパスした正規品(と私は呼びますが)を購入の際には選びたいものですよね?
それではもう少し一つ一つの内容を掘り下げてみましょう。
9つのテスト項目とは
▶ レプトスぺリン含有率
まずは最新技法を用いたマヌカハニーの正当性チェックになります。実はこのテストは日本人の加藤さんという方が2014年に考案した方法で、今は当ライセンスをUMFHA (ユニークマヌカファクターハニーアソシエーション)が所有しています。
マヌカハニーには、レプトスぺリンという成分が検出されます。これはマヌカ樹木のみに含まれる成分で、詳細は明かされていませんが、採取した年や時期に関係なく瓶詰め後も安定的に検出することができ、この試験を通すと、蜜源がマヌカ樹木100%の蜜源なのか、他の花の蜜も混ざっているものか、まったく別のはちみつを混ぜたものなのか、まで分かるらしいです。
マヌカ純度を確かめたり、製品の正当性を測るには、大変役に立つテストです。
▶ DHA濃度
DHAは「ジヒドロキシアセトン」の意味で、マヌカの木自体のミツに含まれる含有物ですが、ミツバチによってハチミツへと熟成された時に、MGO(メチルグリオキサール)へと変化します。
マヌカ原木に含まれるDHA濃度は、同じ場所に咲くマヌカであっても一つ一つの木によって違うそうです。
▶ MGO濃度
MGOとは、「メチルグリオキサール」の略であり、この成分の含有が、一般はちみつとマヌカハニーの違いを示す大きなものとして有名な成分です。強い抗菌性・抗ウイルス・抗癌活性などを持ちます。
このMGOの含有量は、変換式を用いて一般にマヌカのグレードを表す非過酸化活性(NPA)やユニークマヌカファクター(UMF)値に変換されます。
しかしながら、DHAとMGOの関係性においては、大きな一つの問題が分かっています。それは、温度条件や時間経過の条件によってMGOの数値が変わってしまうという事です。
獲れたてのはちみつにはDHAもMGOも入っていますが、はちみつを加熱することで、強制的にMGOを上げることができるのです。ですので、販売価格を吊り上げたい一部の養蜂家達はMGOを上げる加熱処理に走りました。
この問題を防ぐため、試験では以下のMGO予測値を含め総合的にMGO判定されています。
▶ HMF濃度
HMF(ヒドロキシメチルフルフラール)は、糖の分解系から生成されるもので、熱処理及び老化の指標として用いられます。
ヒドロキシメチルはハチミツの糖分から作られるものですが、熱を加えたり、収穫後に時間がたつと、このヒドロキシメチルフルフラールがはちみつ内で増加します。つまりはちみつに熱処理をしたのか、また保存状態は適格なのかがわかります。上記のMGOを高くするための加熱処理の不正も判断することができます。
この数字はマヌカに限らず、全てのはちみつの鮮度を示す指標として使われています。 CODEX(食品安全性に関する国際規格)では、自然蜂蜜中におけるHMF含有量は40mg / kg以内であること、との規定があります。
▶ 予測MGO、NPA +、 HMF
MGO= メチルグリオキサール、MGとも略されます
NPA= 非過酸化活動性 * [UMF(ユニークマヌカファクター)としても換算]
HMF= ヒドロキシメチルフルフラール
すべてのこれらのマーカーは、時間の経過とともに変化します。
ですので、試験では、当初の含有量をベースとしながらも、貯蔵する温度や時間経過でどうこれらの数字が変化していくかを想定し、算出をします。
▶ 色味&伝導性
このテストは、どこの蜜源からとれた蜂蜜かを決定するために、色や水分含有量、そして電気伝導率を測ります。このテストもマヌカに限らず全はちみつで共通して行われているテストです。
▶ ミネラル、微量元素&重金属
このテストは、ハチミツ中に存在するミネラル分、アルミニウム、アルミニウム、ヒ素、銅、クロム、鉄、水銀などの金属類など、広い範囲の含有物の分析を行います。
▶ ツチン毒性の分析
ニュージーランド蜂蜜はその72%が北島の東海岸で摂れますが、そのエリアで”ツチン”と呼ばれる強い神経毒がはちみつ内に混入していて問題になりました。2008年には22人が中毒症状を訴え入院しました。
このツチンは、アルボレアと呼ばれるニュージーランド特有のチュティ低木の樹木汁に交じります。ミツバチがこの樹液を混入させてしまう可能性があります。
よってこの事件の後、ニュージ―ランド政府はマヌカを含む全はちみつ製品におけるツチン濃度の食品安全基準を定めました。最大で、0.7mg /kg までという規定です。この法整備がなされ施行に移されたのが、2015年3月です。
では、2015年3月以前に瓶詰め売られている製品はどうのなの?
なんとこの問題に対し、NZ政府は市場の混乱を恐れたためか、それ以前の販売製品に関しては、2.0mg/kgまでは認められるということになっています。0.7と2.0では随分とかい離がある気がしますが・・
▶ C4糖分
蜂蜜が、砂糖を混ぜられていたり、濃縮シロップなどが混ぜられていないかのテストになります。サトウキビや、高ショ糖を有するトウモロコシなどからの糖分が含まれていなか検知します。
マヌカハニー品質確保へ!ニュージーランド政府の厳チェックまとめ
この厳しい政府検査を通ったはちみつは真のマヌカハニーと呼べるのではないか、と個人的には思っています。ですが、この試験の適応率がどれほどのものなのかも未だわかっていません。特に海外向け出荷品に対して。。
一般のはちみつにも強い健康効果があります。ですが、これをマヌカハニーだとラベル付けされ高い価格を払わされるのはまっぴらご免ですよね。
早くこの不正問題の全面的な解決法が見つかることを強く願います。
今年からニュージーランド政府はパッケージ表示基準も厳しく見直すとも言っています。私たち消費者に正しいマヌカハニーがきちんと届くように、今後も不正を取り締まる動きがどんどん加速して欲しいものですね♪
( By ディオニソス)