天然の甘味料として人気なのが「メープルシロップ」と「はちみつ」です。
はちみつは、花の蜜を集めてきたものですが、メープルシロップって何?って聞かれると意外とわからないものなのではないでしょうか?
はちみつとメープルシロップは性質が全く違います。原材料も違えば、栄養素、効能や甘味成分まで違います。
- どう違うの?
- どちらがどう優れているの?
今回は、はちみつとメープルシロップの違いについてご紹介していきます。
この記事の目次
「メープルシロップ」とは?「はちみつ」とは?
◆メープルシロップとは
カエデの樹液を集めて、煮詰めたものです。
北米原産のカエデ科の木などから樹液を採取して、それを人工的に煮詰めてつくります。40リットルの樹液から1リットルのメープルシロップを作ることができます。
その主成分は「ショ糖」になります。
◆はちみつとは
花の蜜からミツバチによって作り出される自然の食べ物です。ミツバチが花の蜜を採取し、ミツバチの体内酵素によって糖分が分解してできるものです。
蜜を集めてきた段階では、ショ糖が中心なのですが、ミツバチの体内酵素によって、そのショ糖がブドウ糖と果糖へと分解されます。
はちみつは「天然の転化糖」とも表現されるのもそれ故です。
最終的なはちみつの主成分は「ブドウ糖」と「果糖」で合計70%、そしてわずかなショ糖が残ります。
花の蜜からミツバチによって作り出される自然の食べ物です。
成分、栄養素比較について
100グラムあたりの栄養価・成分 | |||
メープルシロップ | はちみつ | ||
エネルギー | 261kcal (1,093 kJ) |
304 Kcal (1,273 kJ) |
|
水分 | 32.1g | 17.1g | |
灰分 | 0.6g | 0.2g | |
炭水化物 | 67.1g | 82.4g | |
(糖分) | 59.5g | 82.1g | |
食物繊維 | 0g | 0.2g | |
タンパク質 | 0g | 0.3g | |
脂質 | 0.2g | 0g | |
ビ タ ミ ン |
ビタミンC | – | 0.5 mg |
ビタミンB3(ナイアシン) | – | 0.1mg | |
葉酸 | – | 2.0μg | |
コリン | 1.6㎎ | 2.2mg | |
ベタイン | – | 1.7mg | |
ミ ネ ラ ル
|
カルシウム | 67.0mg | 6.0g |
鉄分 | 1.2mg | 0.4㎎ | |
マグネシウム | 14.0mg | 2.0㎎ | |
リン | 2.0mg | 4.0㎎ | |
カリウム | 204mg | 52㎎ | |
マンガン | 3.3mg | 0.1㎎ | |
ナトリウム | 9.0mg | 4.0㎎ | |
亜鉛 | 4.2mg | 0.2㎎ | |
銅 | 0.1mg | – | |
セレン | 0.6mcg | 0.8mcg | |
フッ化物 | – | 1.7㎎ |
出展:http://nutritiondata.self.com/
メープルシロップ、はちみつの成分特徴は?
- カロリー量は、メープルシロップが若干はちみつより下回りますが、その分糖分量ははちみつの方が上回ります
- はちみつは水分量が20%を切らないと良質なはちみつとは言えません。現に天然はちみつの輸入基準は、水分量上限が20%です
- メープルシロップには水分量が30%以上と多めです
- メープルシロップは、カリウムやカルシウムなどのミネラルが豊富です。特にカルシウム分ははちみつの10倍以上含んでいます
- ビタミンなどの栄養素は、はちみつの方がすぐれています。ビタミンC,ビタミンB3(ナイアシン)、葉酸、コリン、ベタインをはちみつは含んでいます。
効果の違いは?
◆メープルシロップの効果
GI値、(血糖値の上昇指数)は、メープルシロップの方がすぐれています。なので、糖尿病が気になる方の甘味料としては、メープルシロップの方が使い勝手が高まりますね。
また、ミネラル、ポリフェノール類も高く、アンチエイジング効果も期待できます。
◆はちみつの効果
はちみつの栄養素は、消化もされやすく、体内に取り込まれてから素早くエネルギー源として働いてくれます。ですので、疲労回復にもとても効果的です。
また、強い殺菌作用があり、昔から民間療法においての薬としても扱われてきました。
風邪の予防や、喉の痛みの緩和、傷ややけどの治癒力を高めるなどなど、さまざまな使い方があります。さらに美肌つくりなど美容効果も期待できます。
甘味料として働きは?
単純な糖分の量は、大きな開きはありませんが、甘味ははちみつが上です
糖分量(100gあたり): メープルシロップ(59.5g) はちみつ(82.1g)
ですが、メープルシロップとはちみつの糖分の内訳が違います!
- メープルシロップ → ショ糖が主成分
- はちみつ → ブドウ糖、果糖が主成分
の違いがあります。
甘味成分としては、果糖が一番甘く、ショ糖の1.2倍~1.5倍程度の甘味成分をもっています。よって、果糖の含有量の高いはちみつが甘味としては強いということになります。
保存方法など注意点
◆メープルシロップ
メープルシロップは、はちみつとは違って傷みやすく、冷蔵保存でもなるべく早く食べるようにしないとすぐにカビが生える場合がありますので、注意が必要です。
◆はちみつ
はちみつ自体に殺菌力があり、そのため常温で保存していれば、実は賞味期限もまったくありません。(100%天然はちみつの場合)
生産量から見る唯一の懸念とは?
メープルシロップの原料となるサトウカエデは非常に地域性の高い樹木です。
メープルシロップも全世界の生産量 の80%をカナダ東部地区ケベック州が占め、残りはほとんどアメリカ合衆国のカナダ寄り北部という「稀少な」甘味料商品です。
日本の輸入量も増えてはいますが、まだはちみつに比べると絶対的な流通量が違います。そのため、100%ピュアメープルシロップで良質なものは金額も高くなります。
購入の際には、他の成分が入ったいないかも含めて、ラベルなどチェックすることが大切です。
メープルシロップ、はちみつの違いまとめ
以上のような特徴のある、はちみつとメープルシロップですが、どちらもこの地球の大自然の恵みです。それぞれの甘味を楽しんでください。
最近ではアガぺシロップやてんさい糖も人気ですが、注意点もあります。こちらの記事にまとめてあります。
▶ アガベシロップに害がある?知っておきたい果糖の秘密!
▶ 【悲報】てんさい糖に害疑惑が発覚!本当に安全な砂糖は無いのか?
あっ、食べ過ぎは注意しましょう。砂糖に比べれば安心ですが、糖分の摂りすぎには注意してくださいね!
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(By ディオニソス)