はちみつはほうっておくと、いつの間にか固まって結晶化することがありますよね?
家族で楽しむために、大きめの瓶にたっぷりと入ったはちみつを買ったはいいけど、寒い冬を越した瞬間に固まってしまった。
- 賞味期限がすぎちゃったのかな、痛んじゃってもう食べられないの?
- 栄養成分が変わってしまったのかしら?
- 温めても戻す方法はないの?
などと困った経験があなたにもあるのではないでしょうか?
実ははちみつが固まるのは天然の100%純粋はちみつの証拠なのです。また痛んだわけではないですし、栄養成分なども変わりません。同じように食べられますし、気になる方はまた液体に戻せば大丈夫。
今回は、はちみつが固まる理由や、固まりやすいはちみつの種類は?固まった後の戻し方などを含めてご紹介していきたいと思います。
この記事の目次
どうしてはちみつは固まるの?(結晶化の話)
はちみつが固まることを「結晶化」と言います。冬場の寒い時期、気温が15度以下になると、結晶化が始まってしまいます。はちみつの結晶化は自然の現象で、品質にはまったく問題はありません。
なぜ、はちみつの結晶化する理由を説明する前に、まずははちみつの成分のお話から少し触れていきます。
はちみつの一般的な成分比率
蜂蜜は高濃縮な糖分の液体です。糖分全体で70%以上になります。他に水分が約20%含まれています。
■はちみつの主成分
- 水分 約20%
- ブドウ糖(グルコース) 25~40%
- 果糖(フルクトース) 30~44%
となっています。他は数%づつですが、その他糖分、ビタミン、ミネラル、酵素、食物繊維などが続きます。
はちみつが結晶化する原因とは
① 主成分の比率
実は、この3つの主成分の比率によって、結晶化しやすい「はちみつ」、結晶化しずらい「はちみつ」というのが決まってくるんです。結晶化に向けたスピード(期間)が変わってきます。
☑ 結晶化しやすいのは
- 水分量の比率が少ない
- ブドウ糖の比率が高い(果糖の方がより水溶性が高いため)
☑ 結晶化しずらいのは
- 水分量の比率が高い
- ブドウ糖の比率が低く、果糖の比率が高い
という様に区分され、すべてはこの3つの主成分のバランスが結晶化の大きな原因となっています。
また、それ以外の原因として、
② はち花粉の量、ワックス分の量
結晶化の核となりやすいはち花粉、ワックス分(蜜蝋)などがはちみつに多く含まれていると結晶化しやすくなります。これらはちみつの混ざる不純物は、はちみつの中で結晶化の核となり、結晶化のスピードが高まってしまいます。
つまり、以上、なぜはちみつが結晶化するのか、その原因をまとめると
- はちみつの中の水分比率
- 果糖、ブドウ糖の割合
- 蜂花粉、ワックスが多く入っている
これらが結晶化の速さを決める要因になっています。
結晶化は100%天然はちみつの証です!
(1)水分量についての補足
はちみつの水分量はその「熟成度合い」を図る指標とも言えます。ミツバチ達は、巣の中で自分たちの蜜を熟成するために、最後に自分たちの羽をバタバタと仰ぎつづけて水分を飛ばしていきます。
女王様のため、仲間のために、体力の限りを尽くして羽を仰ぎつづけて水分を飛ばすのです。
水分量が多いというのは、はちみつが熟成されていない段階で摂ってしまった可能性もあり、すべてではないのですが、まだ未完成なはちみつかもわかりません。
ちなみに、天然はちみつの判断基準において、日本では
- 国産はちみつの水分量 22%以下
- 輸入はちみつの水分量 20%以下
であることと定められています。
国内の養蜂家を守るためか、輸入はちみつの方により厳しい基準を課しているのです。
(2)ハチ花粉、ワックスについての補足
はちみつ業者の多くは、より長く店頭に並べていても結晶化しないはちみつにするために、瓶詰めの前に極端な加熱と冷却の処置を行ったり、高度なろ過装置ではち花粉やワックス分を取り除くような処理がなされている場合もあると聞きます。
商品としては、その方が売りやすいからでしょうが、天然のはちみつは加熱してしまったら、貴重な成分やせっかくの酵素たちが失われ、健康効果も期待できなくなってしまいます。、
(3)ブドウ糖、果糖比率についての補足
このブドウ糖が多い少ないの比率は、はちみつの元となる花の種類や摂れる場所によって変わります。ですので、ブドウ糖比率が高いから良い悪いの判断はできません。
ただ、ブドウ糖比率が少ないはちみつは結晶化しにくい性質があり、アカシアやトチのはちみつは結晶化しにくいと言われています。
結晶化したはちみつは、食用に問題はないの?
はちみつが固まるのは、はちみつ本来の性質なので、食べるにはまったくもって問題はありません。品質や栄養分なども変わりません。腐ったわけでは決してありませんので、安心してお召し上がりください。
むしろ、結晶化するのは100%純粋な無添加、無加工のはちみつ製品ということですので、むしろ専門家の間では結晶化は喜ばしいことと感じる方も多いのです^^
結晶化したはちみつを上手く溶かす方法は?
それでは、結晶化したはちみつを元に戻す方法をご紹介しましょう。
【1】湯せんで戻す <ガラス瓶>
鍋に水を入れ、そこにはちみつをフタをとった状態で瓶のまま置きます。水の量は、はちみつ瓶より少なくしないと安定しませんし、倒れてしまいますので注意しましょう。
鍋を火にかけ、40度少しまで温度が高まったら一旦火を止めます。そして、はちみつをかきまぜながらゆっくり結晶を溶かしていきます。はちみつは40度以上の熱で成分が変化するので、お湯の温度には気をつけてください。
結晶が完全に溶けたら、瓶を取り出して自然に冷ましていきましょう。
ハチミツの量や結晶状態によって溶ける速さは変わりますが、30分ほどで元の状態に戻りますよ。
【2】湯せんで戻す <プラスチック容器>
プラスチック容器に入ったはちみつを湯せんすると鍋の熱などで変形したり、容器が溶けたりする危険性がありますので、面倒でも瓶に移しかえてから、湯せんする方が安心です。
それでも面倒だという方は、40℃にお湯の温度を設定したシャワーをかけ流すという方法もあります。
【3】電子レンジで溶かす
湯せんで溶かすのが面倒で、もっと早く溶かしたいという方は、電信レンジを使うという方法もあります。
ただし、対策として
- 使う分だけ耐熱容器に入れて電子レンジにかける
- 蓋をあけた状態で、少しづつかきまぜながら行う
- 使用する電子レンジに温度設定機能がある場合は「40℃」に設定する
ことに気をつけましょう。
結晶化したはちみつを一度溶かせてしまえば、またしばらくは結晶化しません。ですが溶け残りの結晶が残っていたりすると、その部分を中心にまたすぐに固まってしまう傾向にあるので、溶かす場合には完全に溶けるまでじっくり湯せんしてくださいね。
はちみつの結晶化を防ぐ保存方法のヒント
湯せんで結晶化したはちみつを溶かすのはやっぱり手間がかかります。ですので、結晶化しないような保存法を心がけるのも大切です。
はちみつは15度以上、できれば18~24℃くらいの常温で保存するようにします。そして、湿気の少ない場所、また直射日光にあたらない場所で保存するようにしましょう。
結晶化したはちみつの人気の利用法とは?
結晶化したはちみつをそのまま食べるのも一つの方法です。結晶化したはちみつをそのまま食べる人気の食べ方をご紹介します。
- ちょくせつパンに塗って食べる
- あえて、ジャリジャリした食感をそのまま楽しむ
- クラッカーやチーズと一緒に食べる
- 甘味料として砂糖代わりに使う(紅茶、コーヒーの甘味料として、煮物に入れて食べる)
- カレーの隠し味に入れる
といった方法もあります。個人的にはチーズやクラッカーにのせて食べるのがおススメですので、一度あなたもお試しあれ^^
まとめ
美容や健康に大人気のはちみつ。すぐ結晶化してしまうのは高級ではない、100%天然ではないのでは、などと言った認識をもつ方もいるかもわかりませんが、むしろ逆。
結晶化するのは良いはちみつ、100%天然のはちみつなのです。
今回ご紹介した戻す方法などを使って、ぜひ天然100%のはちみつライフをお楽しみください♪
(By ディオニソス)
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