純粋はちみつ知っておきたい本物の選び方とは?国産が良い?
ネイチャースイートソースが人気になりつつあります。
カラダに悪い砂糖に変わる『天然の甘味料』の意味ですが、健康と自然派を志向する流れから再び100%ナチュラルな純粋はちみつにも注目が集まってきています。
ですが、売られている「はちみつ」の商品って、古くから馴染みがあるわりに、まだまだその基準があいまいな商品でもあるようです。
世の中が求める自然派志向の流れに追いついてないところもあるように思えます。
100%混じりけのない「純粋はちみつ」を安心して求めることはできないものでしょうか?
この記事の目次
はちみつの種類3タイプ
売られている「はちみつ」は、厳密に以下の3つの種類にわけられます。
- 「純粋はちみつ」
- 「加糖はちみつ」
- 「精製はちみつ」
『純粋はちみつ』は、一切加工処理をしていない天然そのもの100%のはちみつです。
それに対し『加糖はちみつ』は天然のはちみつに「水あめ」や「ブドウ糖」などを加えたもの。そして『精製はちみつ』は加熱した後に、減圧釜などにより「脱色脱香」したものです。
この中で最も品質が良いとされるのが「純粋はちみつ」。
みつばちが草花から採取した蜜を、自らの手で水分を蒸発、濃縮させて水分量を20%以下(国際基準)まで熟成させたものがこれに該当します。
加糖はちみつや精製はちみつには、はちみつ本来が持つ栄養分は含まれていません。
純粋はちみつの定義
輸入関税の上では純粋はちみつは、以下のように厳しく審査されています。
純粋はちみつは、
- 「ショ糖分含有量が全重量の5%以下、果糖含有量が全重量の30%以上かつ全糖分中に占める割合が50%以上のもの」
- 加えて「原産地と蜜源花の種類を明記された輸出国の公的機関が発行する品質証明書と当該品の性状・分析結果等を総合的に勘案して純粋はちみつと認められるもの」
- 「ただし、輸入申告にあたって輸出国の公的機関発行による成分分析表が提出されていると同分析表の値が認められる」
と規定されています。(JETROホームページhttps://www.jetro.go.jp/world/qa/04M-010972.html より)
他に、 国際基準で100g中の水分量が20%以下という規定もあります!
国際取引における「天然はちみつ」の国際基準は、水分量が20%以下のものです。よって、輸入通関時にも、この水分量のチェックが入ります。20%以上であれば嫌がおうでも「加糖はちみつ」扱いとなり、さらに高い関税が課せられるようになっています。
一方、国内品の取引基準を定める日本養蜂はちみつ協会の基準は 22%となっています。
つまり要約すると、海外産のはちみつ製品に対しては、はちみつ100gに対して
- 水分量は20%以下
- ショ糖は5%以下
- 全糖分における果糖の比率が50%以上
- かつ全重量に対する比率が30%以上
という条件に合致しないと「純粋はちみつ」とは認められません。チェック項目は、水分量、ショ糖量、果糖量、ブドウ糖量の成分比が100%純粋はちみつかどうかを決める基準ということになっています。
本物の選び方
ではどうやって売られているはちみつが純粋はちみつかどうかを見分けられるのでしょうか?
残念ながら、パッケージだけで判断ができるのは、商品名だけになります。売られている商品の裏面の食品表示が「加糖はちみつ」や「精製はちみつ」となっていれば、それは100%天然はちみつではない、ということがわかります。
しかし、問題は「名称:はちみつ」とだけ書かれている場合です。(実際には、この手の表示が一番多いのですが・・)
本物を100%見分けることは難しいですが、今回ご紹介する以下のチェックすることで疑わしいものを避ける可能性は高まるのではないか、と思われます。
【1】 はち花粉(透明度)
本物の純粋はちみつには花粉などが含まれていたり、酵素が発酵し続けているために透き通っていません。アカシア蜜など明るい色のはちみつでもよく見れば透き通った感じはしません。何かはちみつ自体が生きている感じさえあります。
【2】 結晶化するか
これは冬の寒い時期にしか通用しませんが、結晶化するかしないかは大きな確認方法の1つです。
純粋はちみつであれば温度が下がると白く結晶化してはちみつが固まります。アカシアなど花蜜の違いによって、結晶化する温度に違いが若干ありますが、固まりやすい種類は室温が14~15℃程度で、結晶化がはじまります。また底の方から固まり始めるという現象が起こります。
結晶化の条件など記事はこちらに詳しく紹介しています。
▶ はちみつの結晶化はなぜ起こるの?本当の原因と戻し方とは!
【3】 香り
どの純粋はちみつも適正水分量のものであれば、自然な独特な香りがあります。個体差があるのか?と思われるぐらい、花蜜の種類のほかにも、とれる地域、季節によっても香りが違うから面白いものです。
蓋をあけて香りがまったくしない無臭のものは、加熱もふくめて何らかの加工がされている可能性があります。
【4】 泡立ち
持ち運んだ際に、表面に少し泡が浮くことはありますが、液体の中の部分まで泡が立つものは避けた方が無難でしょう。
何らかの成分が発酵して泡が立つなどということは、純粋はちみつではありえません。
【5】 公正取引マーク
この公正取引マークがついていれば安心だとする情報サイトも見受けられます。
ですが、実は全国はちみつ公正取引協議会の検査は甘く、会費を払えばどこの業者でも入れるという噂もあります。
【6】 価格
他の例えばオリーブオイルのように、極端に安いものは避けましょう!と言いたいところですが、実際に中国産のはちみつ製品は安いものも多く、安いから本物かどうかが疑わしいとうことは一概に言えないようです。
【7】 余談ですが・・
その他、ブレンドものも多く見受けられますが(産地のブレンドも含め)、純粋はちみつの場合、なぜブレンドする必要があるのか?その真意が見えないと感じることもあります。
例えば、中国産だとイメージが悪いので、他国のものを混ぜるとか?安い商品を混ぜることによってコストを下げるとか?
そういった場合、そのブレンド比率もきちんと明記していただきたいものです。
知っておきたい水分量のこと
あまり知られていませんが、ミツバチが巣に持ち帰って体内の転化酵素によって糖を分解したばかりの”出来立てはちみつ”には、水分量が50~60%も含まれています。
ミツバチ達は、そこからバタバタと懸命に羽を羽ばたかせて、水分を飛ばし、はちみつを熟成させていきます。
最終段階まで熟成されたハチミツの水分量は20%程度まで落ち、糖分量が80%程度に上がります。その熟成された段階で、ハチ達は、蜂の巣セル(六角形の貯蔵庫)のフタをして完熟ハチミツの完成となります。
この段階で糖度が77.5以上ないと自然界に存在する酵母の力でアルコール発酵されてしまいます。
はちみつの栄養
はちみつには豊富な栄養素が含まれており、自然界のサプリメントと言われることもあります。
はちみつの主成分はブドウ糖と果糖ですが、そのほかにもビタミン類、カルシウム、カリウム、鉄などのミネラル、アミノ酸、クエン酸、ポリフェノールなど150種類以上にものぼる栄養成分が確認されています。
ミネラルだけでも27種類、アミノ酸は22種類、酵素は80種類と、かなり栄養価の高い食品です。
これらの天然成分が私たちに豊富な栄養と健康効果を与えてくれるのです。
はちみつは加熱してはダメ!
そんな純粋はちみつの栄養素は、加熱すると壊れてしまいます。
はちみつは45℃くらいから成分が変化していき、65℃ではすっかり壊れてしまいます。ビタミン類も加熱で変化してしまいますので、はちみつを加熱するのはおすすめしません。はちみつの風味や香りもとんでしまいます。
国内産がよいのか?それとも海外産?
本物の純粋ハチミツを選ぶ一番簡単な方法は、実際の地元の養蜂家や農家さんと仲良くなって、そこから採れたてのハチミツを買うのが一番おススメの方法かもわかりません。
道の駅などにも、地元の養蜂家さんのはちみつが良く売られています。
その他、ネットにおいても、成分分析表、輸入品であれば現地国発行の公的証明書などしっかり提示してくれているなど、信頼性のあるサイトのものを選びたいものです。
また、海外の輸入製品に対しては水分量20%以下、また輸出国の品質証明と意外と厳しく条件付けがなされていることから、個人的趣向とはなってしまいますが、審査基準のあいまいな国産品より、信頼がおけるものもあるのだろうと思ってしまいます。
純粋はちみつのまとめ
自然派志向の高まりとともに、質のよい純粋はちみつがより求められる時代となりました。
少し古いイメージのあったはちみつ業界ですが、最近では、はちみつ専門店なども出現しはじめ、業界全体で、さらに市場が活性化されていくことが予想されます。
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良質な純粋はちみつが安心して買えるようになれば嬉しいですね。一生けん命にはちみつを作っているミツバチの世界を知ってますます、そう感じるようになりました。
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(By ディオニソス)