食用グレープシードオイルをお勧めできないこれだけの理由!
グレープシードオイルは、調理をはじめクレンジングやボディケア、美容液、ヘアケア、それからなんとまつ毛ケアまで出来るとあって、とても人気の高いオイルです。
その人気の理由は
- 発煙温度が高いので加熱調理にも使える
- オリーブオイルやココナッツオイルと比べても値段が安い
- アンチエイジング効果がある
といったところが主な人気の理由なのですが・・。
ちょっと待った!!
実は調理に使うという点では何点か気になるところがあるのです。食用としてすべての植物オイルがカラダに良いものとは限りません。今回はあなたにも知っておいてもらいたい食用グレープシードオイルの懸念点をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
ワイン農家が喜ぶグレープシードオイル
グレープシードオイルとは
ブドウ科、ブドウの実の種子をそのまま圧搾して抽出する植物オイルが「グレープシードオイル」。ワイン製造に使われる幅広い一般的なブドウの種子から取れるので、今までワインを作る過程でも大量に捨てられていたものから採れるとあって、ワイン業者さん、グレープ農家さんにとっては嬉しい副産物になりますよね。
その人気の秘密は何と言っても抗酸化成分と保湿性
グレープシードオイルには「ビタミンE」と「ポリフェノール」が豊富に含まれていて、どちらもその含有量はオリーブオイルの2倍となっています。これらの成分は体を酸化から守ってくれる強力な抗酸化として働いてくれるので、アンチエイジングへと今もてはやされている超健康・美容成分です。
また、グレープシードオイルは肌の質感を軟化させ、有用成分や水分をしっかりと閉じ込めてくれるという作用も持っています。そのために、グレープシードオイルをお肌や髪に使用うと、髪の潤い、ドライスキンでお悩みのあなたの肌へハリや弾力性、しっとりとしたうるおいまで与えてくれます。
しかも、他のオイルと比べても、油っぽさが少なくサラッとしていて無臭。ですので、いろいろな用途で使いやすいというおまけ付きです。
っと、ここまでご紹介するととっても良い油のように見えますよね・・
しかし、手放しでは喜べない最大の懸念があった
ガーン、Σ川 ̄▽ ̄;川
はい、こんなにヘルシーかつ安価で使い勝手のよさそうに思える植物オイルですが、食用として使用するには少し課題が多いのも事実なのです。それはグレープシードオイルに含まれる栄養成分や、その製法に起因しています。
では、それらを1つ1つご説明していくことにします。
【懸念点1】オメガ脂肪酸比率
まずは、成分情報から見えてくるグレープシードオイルにおける最初の懸念点。それは、オメガ6脂肪酸(リノール酸)比率が極端に高いことです。
グレープシードオイル成分表 (参照元:Wikipedia USA)
100グラムあたりの栄養価(3.5オンス) | ||
---|---|---|
エネルギー | 880 Kcal (3,700 kJ) |
|
発煙温度 | 216 °C (421 °F) | |
飽和脂肪酸 | パルミチン酸 | 7.0% |
ステアリン酸 | 4.0% | |
不飽和脂肪酸 |
αリノレイン酸(ω 3) | 0.1% |
リノール酸(ω 6) | 69.6% | |
パルミトオレイン酸(ω 9) | 0.3% | |
オレイン酸(ω 9) | 15.8% |
オメガ6脂肪酸は現代の私たちの食生活においては、特に意識しなくともコンビニ弁当、惣菜をはじめ、外食やおやつなどの間食で、すでに充分に必要量が摂取できていると言われています。
あえて、このグレープシードオイルを調理用に使用すると、オメガ6脂肪酸のリノール酸を過剰に摂取することになり、その健康なオメガ脂肪酸バランスを保つためには、過剰なボリュームのオメガ3脂肪酸が必要となります。
また、オメガ9系脂肪酸とのバランスも崩すことになるでしょう。
最適な脂肪酸のトータル摂取量を考え、さらにそのバランスを摂ることが現代病予防に向けた常識となりつつある今、あえてグレープシードオイルを調理用として摂取することは避けなければなりません。
【懸念点2】オイル抽出方法について
2つの目の懸念点は、このグレープシードオイルの抽出方法です。もともと、オリーブオイルやアボガドオイルと違って、ブドウの種子自身には油分が少なく、その圧搾方法に疑問点が残ります。”コールドプレス”(低温圧搾法)が一番安心安全で最良なのですが、少なくとも”エクスピラープレス”(化学品を使わない機械による圧搾)でなければなりません。最悪なのは、化学溶剤を使った油分の抽出法になります。
実際に、国内で売られているグレープシードオイルの製法について見てみましたが、特に何も記載がないようです。
そこで、海外サイトでも、いろいろ調べていったところ・・
“ブドウ種子は油分が少なく、やはり抽出には化学溶剤を使ったものが多い”との情報を得ることができました。
参照サイト:https://authoritynutrition.com/grape-seed-oil/
http://butterbeliever.com/is-grapeseed-oil-healthy/
圧搾方法について記載がないから化学溶剤を使った圧搾である、と決めつけるのは早計だとも思われますが、ここはあえてリスクをとる必要もないように思われませんか?
【懸念点3】売っているボトル、酸化が心配!?
3番目の懸念は、売られているボトルの形状です。
価格的にも安価な植物オイルということもあって、楽天やAmazon.co.jpで売られているグレープシードオイルを見ても、透明ガラス瓶、またはプラスチックボトルで販売されているものがほとんどです。これでは、今までさんざん話題となってっきた水素添加されたサラダ油や、天ぷら油と変わりませんね。
酸化については、その発煙温度に関係がある、と主張されている記事も見かけますが、酸化と発煙温度は一切関係がありません。植物オイルの酸化は空気接触と光、紫外線、熱(温度差)によって起こります。
同じく発煙温度の高いオリーブオイルに関する記事ですが、遮光瓶の必要性についてはこちらも見て下さい↓
▶ 【品質劣化】 100%植物オイルはとっても繊細、売ってる○○にも気をつけて!!
【懸念点4】おまけ
近頃ではワイン製品もその一部がオーガニック認定を受けたものが登場してきました。であれば、そのオーガニック認定ワイン用に栽培されてきたブドウと種子があるのでは?と思いますよね。
少々値段は高くなるとは思いますが、オーガニックで栽培された種子から摂れるオイルだったり、その製法や保存瓶がしっかりしているようであれば、まだ食用にも試していけるかもわかりませんね。
ただし、オメガバランスの問題は残ったままではありますが・・
やはり食用では控えた方が無難?
グレープシードオイルは、美容ユースで使うのならOK、食用ではあまりおススメはできない!
というのが今回ご紹介したい内容になります。
もちろん、グレープシードオイルは、その抗酸化成分や保湿力により、美容のための使用や、アロマ、セラピーなど当然ながらキャリアオイルとしての利用価値は充分にありますので、それらの活用については否定するものではまったくありません。
こちらに万能”美容オイル”としての「グレープシードオイル」の使い方をまとめてあります。
▶ 髪にもお肌にも!万能グレープシードオイル美容法、使い方7選!
グレープシードオイルまとめ
ワインやブドウにも多く含まれているポリフェノール。当然、そのブドウの種子にも多く含まれています。人気のオリーブオイルの2倍ものポリフェノールや、抗酸化成分のビタミンEが含まれているというのですからその成分をそのまま食用としてインナーヘルスに活用したいという気持ちもよく分かります。単純に私もそう思っていましたから・・。
しかし、その成分や安全性を考えると現段階ではまだ常食には向かないかな?ということがお分かりいただけたのではないでしょうか?
多くの植物オイルが出てきていますが、よりよく選んで必要量を用途にあわせて摂っていくように心掛けていきたいですよね♪
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(By ゼウス23世)