神様の食材

まだ国産派!?国産亜麻仁油を調べ続けてわかった3つのこと!

この記事の目次

一番大切なのは食の安全性

毎日口にするものだから、食品の安全性って一番気になるところですよね。

こんなニュースが起こるたびに、ホント、食は生活の基本なのに、ちょっと許せない感情が沸いてきます。

えごま油だってそう。

今年の1月、国民生活センターの調べで、アルファリノレン酸の含有量が極端に低い通常の半分くらいしか入っていない混ぜ物の疑いのある“えごま油”が普通に売られていて、問題になりました。
▶ 2016年1月国民センター調べの記事

製造販売者のモラルについては言いたいことがたくさんありますが、それより何よりも食に対する安全性について、選ぶ側の私たちにも、もうちょっと良く見れる観点はないものでしょうか?

そこで、今回はえごま油と同じく、アルファリノレイン酸の高含有率からとても人気のある「亜麻仁油」について、その生産地と製造工程の観点から、私なりの品質・安全性について考える一つの見解(非常に個人的ですが)を述べさせていただきたいと思います。

純国産の生産物が手に入るならそれが一番

商品を見る目を持てって急に言われても、私たち消費者側ですべての商品の製造プロセスや製造業者の裏側なんて、調べられるはずもありませんよね。

出来ることと言えば『危険性を出来るだけ排除する』という ”リスク排除論” の考えを持つことくらいだよな~と思います。

大手だから安心。日本人は嘘つかないから安心。日本企業は消費者を騙すようなことをしないはずだ!

といった今や幻想イメージかもわかりませんが、まだこういう感情をもつのは私たちの大多数だろうと思います。それを信じたい気持ちもありますしね。だから、日本国産の商品があるのならば、それに越したことはない。少しくらい高くても日本国産の商品を選びたい。私もよくそう思っています^^。

今回の亜麻仁油だってそう。。

私はアレルギー体質がひどくって、春には毎年極度の花粉症をわずらっていました。

しかも年々症状や続く期間もひどくなって・・

そこで知人に紹介されたのが、「亜麻仁油」です。

とにかく騙されたと思って、花粉症がはじまる2、3カ月前からティースプーン1杯づつ飲むといいよ!と植物油に詳しいその彼は私に強く奨めてくれました。

そして亜麻仁油のことも色々ネットで調べるようになったのです。

そしたら、亜麻仁油の原料となる「亜麻の種子」って、日本でまったく採れないわけじゃない。北海道では一部栽培、亜麻仁油の直接販売も行っているというじゃありませんか!?

ならば、それらを買っておけばまずは安心だね!

っという気持ちで、国産の亜麻仁油をネットで探し回ったのでした。しかし・・

純国産とは?私なりの定義

少し話が脱線しますが、まず最初に植物オイル製品において、私なりの『日本国産の定義』があるので、そちらを少しだけ、紹介させていただきますね。

植物オイルを製造するには、

と、この3つの工程があると思うのですが、これら3つの工程がそれぞれ何処の国で行われているのか?で分けることで、産地に関する分類が出来ると思っています。

それぞれの実行国で分けると、以下の4パターンになります。

(1)3つの過程すべてを日本国内で行っている → 100%純国産』
(2)原料は海外から輸入するけど、搾油と瓶詰めは日本で行う → 『60%日本国産』
(3)原料は海外で栽培、搾油まで海外で行って、日本国内で瓶詰めだけ行う → 『30%日本国産』
(4)3つの過程すべてを海外で行っている。→ 『100%海外産』

と、以上の4つのパターンです。

そして、私が理想とする『国産』の亜麻仁油というのは上記(1)の”すべてが国内”で行われているというパターンが一番の理想です。。

で、その(1)の理想を追い求めた結果・・

結論から言います。100%純国産は数が限りなく少なくて、しかも価格が4~6倍高い!これじゃ手が出せない!

という結論に至りました。

これには正直衝撃でしたね。1、2割くらいは割高かもしれない、と勝手に想像はしていたけど、4倍以上も値段が違うとは、はるかに想像を超えていました。これだと私のお財布からはとうてい手が出ません!

少なくとも3、4カ月間は花粉症対策に亜麻仁油を飲んでみようと決めていたので、100%純国産の亜麻仁油を1本買うお金で、他なら4カ月分すべてが買えるっていうことになりますから・・(驚)

調べた100%純国産の商品の以下の通りでした

【1】「亜麻の里(亜麻公社) 生食用北海道産亜麻仁油」

北海道産 亜麻仁油 95g 6,480円(税込)

画像 http://www.amanosato.jp/product/flax_01.html

【2】 「十勝農工房 亜麻仁油」

十勝農工房 亜麻仁油 90g 3,780円(税込)

画像 http://ameblo.jp/kentoshoji/entry-12091079676.html

【3】 「亜麻の里(亜麻公社) 亜麻仁油サプリメント

「亜麻仁油サプリメント」180粒 4,968円(税込)

画像 http://www.amanosato.jp/product/flax_02.html

→ 金額だけじゃ解りづらいので☆、一日分の単価でみてみます

亜麻仁油の健康主成分は、オメガ3必須脂肪酸の「アルファリノレイン酸」。大人(男性)で1日 600~1,200g摂る必要があると言われています。

アルファリノレン酸の含有量は、メーカーによっても変わりますが、ざっと最大約60%として計算しました。すると、亜麻仁油自体を1日に1~2gは摂らないといけない計算になります。亜麻仁油2gというのは、小さじ半分弱の量です。

この2gを摂るのに必要なお値段を計算してみると

という結果となりました。

※1 亜麻公社のサプリメントには、原材料:亜麻種子の油、ゼラチン、グリセリンとHP説明記載が有り。

⇒ これらを計算してみる事によって、100%純国産を買い続けるのは私には無理だなぁ~、という結論に至ったのです(残念!)

なぜ、国産だとこんなに高くなるのか?

価格の問題は原料代や工場、社員の人件費などもそうですが、なんといっても亜麻の種子の『生産量』によっても大きく変わってきます。大量に原料が育つのなら安くなるし、稀少なものだと、高くついてしまう。高く売らないと会社としても成り立たない。

ということで、まずはそのベーシックな亜麻の種子の『生産量』そのものを調べてみてみることに・・

【亜麻の種子】世界の生産量統計(2014)

引用 http://www.factfish.com/statistic/linseed,%20production%20quantity

  1.  カナダ         872,500 トン
  2.  ロシア     393,002 トン
  3.    中国      350,000 トン
  4.  カザフスタン  330,500 トン
  5.  アメリカ    161,750 トン
  6.  インド     141,000 トン
  7.  エチオピア     83,131 トン
  8.  ウクライナ     40,820 トン
  9.  イギリス      39,000 トン
  10.  フランス      23,319 トン

そして、肝心の日本はというと何と「45位」 しかも、年間生産200トンのみ!最新データでなく、1964年という超古いデータのみの掲載というおまけ付き!っていう事で、このレベルでは値段が跳ね上がるのも無理もない。一部の富裕層に買ってもらうか自給分くらいしか、亜麻仁油が取れないっていうことですよね。しかも生産200トンというのは、亜麻の種子の量であって、そこから油分を搾油するのだから尚更数字が減ってしまいます・・。

よって、このデータはからは、日本の100%純国産の亜麻仁油を追い求めるのには無理がある、もう完全にあきらめよう!と私の最終背中を押す結果となってくれました。

じゃ、次の候補をどうしようか?

では100%純国産をあきらめてどうするか?次にどの候補を検討するのか?

ここからは、『100%国産』というキーワードが外れたわけですから、より安全性を「個人で」見極めていくことになりました。

私の場合、次の候補として楽天やYahooのョッピングサイトにて、売れ筋や人気商品の中に、「国産」と謳っている商品は無いのか?について調べることにしました。

うーん、なんだこりゃ。。

一言で表現するとこうです。その判断の結果を商品一つ一つ取り上げて述べていくことはあえて避けますが、

などが割とありましたね。つまりは、上記の製造パターン分類で言うところの(3)の搾油まで海外、瓶詰めだけは日本国内というパターンに当てはまるものです。

私があえて(3)は選ばない理由とは

上記4通りの製造パターンがあると説明しましたが、その中で実は最初から一番避けたいと思っていたものがありました。それが(3)のパターンです。

なぜかというと・・以下のリスクが高まると思われるからです。

[ここからは個人的見解が多くふくまれていますので、読み飛ばしていただくか、まったく相手にされなくても結構です・・m(__)m]

1.酸化品質に対する懸念

私の今回の目的は、健康改善、アレルギーに良いとされる「アルファリノレン酸」というオメガ3必須脂肪酸を摂ることです。

ところが、この「アルファリノレイン酸」は、飽和脂肪酸などと違って、酸化しやすいとても繊細な成分になります。酸化は、光、熱によっても起きますが、一番大きな原因は「酸素」に触れつづけることです。

ということは、瓶詰めまでの工程で、酸素に触れる機会が多ければ多いほど、アルファリノレイン酸自体の酸化リスクが高まってしまうんじゃないの?という懸念が出てきます。オリーブオイルなどでもそうですが、植物オイルの製造で一番望ましいのは、搾油から瓶詰めまで時間をかけずに一気通貫で行う。これが一番望ましいのです。でないと、オイルの酸化リスクがドンドン高くなってしまうから。

その観点で(3)のパターンを見たらどうなるでしょう?

亜麻の種子から絞った油を輸送して、海を渡らせ、日本で再び瓶詰めをする。この過程では、どうしても搾油した油が空気に触れてしまう工程が「2段階」に増えてしまいます。1つ目が現地で搾油して輸送用の容器へ入れる過程。そして、日本の瓶詰め加工工場で輸送容器から小売りボトルへ詰めなおすという2段階の工程です。

さらに、日本で複数オイルをブレンドする際には、さらにその段階も加算されていくことになるでしょう。(それを防ぐテクノロジーがちゃんとあるのか知りませんがね・・)

さらにさらに、長く油になった状態で(瓶詰めされてない状態で)海を渡って運ばれてくることになります。しかも、大海原を船上で揺られながらやってきます。またコンテナ船の場合は、たいてい赤道の上を通らざるを得ません。(カナダ、アメリカ、中国以外は)リーファーと呼ばれる「クーラー付きのコンテナ」以外は灼熱状態になります。

各メーカーでのボトル詰め作業が一体どういったものかは完全に把握はできませんが、上記のようなことは単純に想像できるんじゃないでしょうか?

ということで、この油自体の酸化リスクという問題が、私にとっては一番の懸念点になるのです。

2.第2の懸念点とは

あれ?ちょっと待って!(3)のパターンは理解したけど、種子そのものを輸入してくる(2)のパターンだったらまったく問題無いんじゃないの?

はい、ごもっともな意見ですね。

ですが、それも調べてみました。しかし、亜麻の種子にはシアン化化合物が含まれている可能性が高くて、輸入規制がとても厳しいのです。亜麻の種子そのものを輸入しようとする場合には、日本の港において、相当な自主検査や税関検査が課せられることになります。

輸入食品安全対策室の通達
▶ http://www.mhlw.go.jp/topics/yunyu/hassyutu/dl/438.pdf

この通達を見ると”亜麻の実、杏子の種子、梅の種子、ビターアーモンド”が規制の対象となっています。

よって、亜麻の種子自体を生の状態で輸入してくるのは、メーカーにとっては大きなリスクとコスト高になるのではないか。たかだか1本数千円の商品をつくるのに、そんなリスクを冒してでも生の状態の種子を輸入しているとは考えられなくは無いですか?

ということで、(2)のパターンは日本においてはほぼ無いのでは?と推測するに至ります。

よって、これらの懸念やリスク状態を考えあわせると・・、

(2)の60%国産の商品はほぼ無し、(3)の30%国産の商品だと酸化リスクが増える

というのが私の中で導き出された結論となったのです。(あくまで個人の推測と見解です)

【まとめ】いろいろネットで調べてみて解った3つのこと

以上を踏まえ、今回いろいろ調べてみてわかったことは以下の3点に集約されます。

【1】極端に生産量が少ない100%純国産の亜麻仁油を求めるのは無理があること
【2】国産の文字が入っていても、詳しく内容を確かめないと逆に危ない(国内瓶詰め)
【3】いろんなリスクの問題や価格のことを考えると、(4)の100%海外製が一番!?

というのがわかった3つのことです。

もちろん、(4)の100%海外製で良いと思うとは言っても、そのメーカー自体の製品面、生産国なども検討して、より安全性の高い商品をその中から選んでいくべき、なのは当然ですが。。

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まとめの補足

お金に余裕があって国産が一番というあなたにとっては、100%純国産で全くもって問題ないでしょう。しかし、一概に「国産」と書かれているから安心ではなく、その商品がどう日本に運ばれて、どう作られているのかについては、今一度確認した方が良さそうです。

さて、さらに次回は、亜麻仁油の容器の状態や製品の色、製造メーカーなどの特徴といった点からもちょっと切り込んでいきたいと思っています。

ご参考の一つにしていただけたら幸いです。

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(By ゼウス23世)

 

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