野菜が摂りずらいエスキモーがなぜ心臓病になりにくいのか?
グリーンランドに住むエスキモーは、なぜか心臓病になりにくいとされています。
野菜も摂らず、世界一脂質の多い食事をとっている民族として有名なのにも関わらず・・です。それは何故なのでしょうか?民族の違い?病気になりにくいカラダを持っている?のが理由なのでしょうか?
エスキモーは長年、癌や心臓病、そして栄養学の研究者たちの間で強い興味の対象となっていました。
この記事の目次
エスキモーという方達とは?
エスキモー(英語: Eskimo)は、北極圏のシベリア極東部~アラスカ~カナダ北部~グリーンランドに至るツンドラ地帯に住んでいる民族の方達のことです。
長年、エスキモーは自分たちの力のみで生活していましたが、近代の世界的な資本主義に巻き込まれて今では生活様式もすっかり変わってしまったんだとか・・
しかし、数十年前までは彼らは野菜を一切とらず(現実的には採れない)脂っこい魚やアザラシなどだけを食べて過ごしているのに、現代病にいっさいかからない。特に糖尿病、がん、心臓病などの病気に対してです。
そのために、なぜエスキモー人たちの食生活で、この結果につながるのか、世界の医療研究者達からの関心の的になっていたのです。
オメガ3脂肪酸の効果だと判明
民族的な要素、遺伝的な要素の違いからだと、ずいぶんと研究者達の間で言われつづけてきたのですが、やっとその結果がわかりました。
それは、不飽和脂肪酸”オメガ3”を摂取し続けてきたから。
実に彼らの血中の”オメガ3”脂肪酸濃度は、欧米人の何倍もあったのだそうです。
彼らの血液検査からは、コレステロール値も脂肪、血小板レベルも抜群に良い数値でした。血液の状態も、“粘っこくなくサラサラの状態でした。
“出血時間”のテストをやっても、標準的な結果より血液が固まるまでに長く時間がかかります。これは彼らの動脈の中に血栓がない証拠なのだそうです。
ですので、まったくもって心臓病のリスクが低くなっているんですね。
これらの事実からオメガ3脂肪酸に対する研究も進んでいって、今ではその全体のオメガ3比率の大切さや、オメガ6脂肪酸の過剰摂取などの問題が解明されていったんでしょうね。
これらの事実は、とある書物によって読んだ内容なのですが、その同じ書物に書かれていた内容で残念な記事が一つありました。
それは、学者によるエスキモー達の研究がさかんに行われていた40年前当時、日本人も同じく民族的な問題か遺伝的な要素か、心臓病が少ない一つの民族として注目されていたみたいなんです。
つまり、日本人もエスキモーと並んで、心臓病にかかりにくい人種として、研究対象となっていたのだそうです。
日本人はもう自然の魚を摂っていない
ですが、それから40年以上たった今、日本人の心臓病リスクはどんどんと増えて、かつての問題視されていた欧米諸国並みの水準に近づいているのだそうです。
日本人はエスキモーに比べていち早く、心臓病、現代病の調査対象から外されてしまったんでしょう。
少し残念ですね。
日本の食事もすっかり欧米化し、魚食の文化が薄れていった結果なのでしょう・・。
それほどに、私たちのカラダの中には、必須脂肪酸、オメガ3脂肪酸が大切だという事です。
我が国の魚食文化は随分と減ってしまったけど、これらの事実がいろいろと分かってきた今、”オメガ3脂肪酸”だけはしっかりと摂って昔の日本人のように心臓病に強いカラダになっていきたいですね。
(By ゼウス23世)