プロスタグランディンの種類、機能とは?オメガ3が大切な理由!
話題のオメガ3もオメガ6も“必須脂肪酸”といって私たち人間のカラダにとって大切な脂肪酸だと言われています。そして、このオメガ3とオメガ6は摂取バランスが大事だとも・・
- なぜそんなに大切なのでしょうか?
- なぜバランスが偏るとダメなの?
- 具体的にはそれぞれどんな働きをするの?
と思うことはありませんか?
そのカギは、『プロスタグランディン』にありました。
プロスタグランディンは、カラダのほとんどの機能を支配する”ホルモン様物質(ホルモンのような動き、働きをする”で、第三のホルモンとも呼ばれています。
今回は、この「プロスタグランディン」にフォーカスを当てて、その種類や働きについてご紹介していきます。
この記事の目次
プロスタグランディンとは?
1982年にある研究者グループがプロスタグランディンのテーマでノーベル賞を受賞しました。全身を支配する古典的なホルモンに対し、このプロスタグランディンは「第三のホルモン」と呼ばれます。
カラダ中のあちこちの組織の働きを部分的に支え、コントロールします。
働きは非常に広く、カラダのすべての機能に関係しているともいえるほどなのだそうです。
炎症など多くの機能に関係!例えば・・
- ◎炎症
- ◎傷の治り
- ◎病気の治癒
- ◎免疫機能
- ◎コレステロールレベル、血液の流れを含む心臓系の機能
- ◎消化
- ◎生殖
- ◎体温の調整など
(D・ラディン& C.フェリックス共著より)
他にも、食べ物を消化する消化器官が、自身の細胞まで溶かさないのは、プロスタグランディンの存在だったり、とか、血液を固めて出血を止めるもプロスタグランディンの働きによるものなのです。
プロスタグランディンは10種類以上もある
さらに、プロスタグランディンは一つの種類だけではなく、複数のプロスタグランディンが存在することがわかっています。
1982年ノーベル賞受賞の研究者チームが当時発見したものだけでも12種類以上あったのだとか。
そのおかげで、プロスタグランディン関連製剤も、現在では、臨床応用(実際に医療で使わている)されているものだけでも12種類以上も確認することができます。
現代医療Vol.27 1995, プロスタグランディンをめぐる話題(鹿児島市医師会病院薬剤部 桐野玲子氏レポートを参照) 鹿児島市医報第42
オメガ3とオメガ6との関係
このプロスタグランディンはともに必須脂肪酸であるαリノレン酸(オメガ3)とリノール酸(オメガ6)から作られるものなのです。
このホルモン様物質のプロスタグランディンの機能は、互いに相反する作用をもつ複数種類のバランスの上になりたっています。
カラダを健全に機能させるため、複数あるプロスタグランディンが互いにバランスをとりあって働いているというのです。
ですので、ある特定のプロスタグランディンが欠乏するとカラダの調子を崩したり、極端に多くなったりしても、”バランス”が崩れてしまうのです。
これが健康を害する原因の一つなのであることがわかってきました。
そして、大事なポイントがもう一つ
それは、オメガ3とオメガ6がそれぞれカラダの中で別の種類のプロスタグランディンを産み出す原料となるということ。
つまり、オメガ3とオメガ6の摂取バランスが悪いと、プロスタグランディンそのものの生成バランスが崩れてしまうということなのですね。
代表的なプロスタグランディンの種類
トロンボクセイン
血液が正常に固まるのを促すのが、「トロンボクセイン」と呼ばれるプロスタグランディンで、これが機能しないと怪我をして出血してしまうと血がとまらなくて出血死してしまうのです。
しかし、この”トロンボクセイン”、逆に過剰に有り過ぎても血小板が凝縮して動脈壁にくっついたり、動脈を収縮させたりで血栓をつくっちゃうのだとか。つまり、心臓病や脳卒中のリスクに大きくつながります。
プロスタシクリン
一方、もう一つのプロスタグランディンに「プロスタシクリン」があります。このプロスタシクリンは、逆に血液中で血小板が凝縮するのを防いでくれます。
この2つを見ただけでもわかるように、オメガ3、オメガ6脂肪酸から出来るこの2つのプロスタグランディンが上手く絡み合うことで、体内で血中血小板の凝縮や動脈のバランスをとってくれています。
この”トロンボクセイン”と”プロスタシクリン”という2種類のプロスタグランディンを正常なレベルに保つためにも、オメガ3とオメガ6脂肪酸の摂取バランスをしっかりと守りましょう!と言われているんですね!
だからオメガ3とオメガ6の摂取バランスが大事なんだ!
その他にも、オメガ-3から造られるプロスタグランディンとオメガ-6から造られる別系統のプロスタグランディンが存在します。
これら同士の体内でのバランスも正常でないとトラブルになりますし、そもそも原料となるオメガ3とオメガ6の摂取バランスが崩れていれば、それらから生成されるプロスタグランディンのバランスはもとから保てないということになります。
心の病もふくめて多くの現代病に、脂肪酸の摂取不足、摂取バランスが大事だと言われる大きな理由の一つがここにあるんですね!
オメガ3比率を上げよう!
とくに先進国に済む人々のオメガ3脂肪酸の摂取不足が今大きく問題視されています。
オメガ3脂肪酸(αリノレン酸)は、青魚、亜麻仁油やえごま油などの植物油、クルミなどのナッツに多く含まれています。
同時に、オメガ6リノール酸の摂りすぎが指摘されています。
オメガ3もオメガ6もプロスタグランディンを生成する大切な必須脂肪酸ですが、だからと言って、リノール酸を多く摂ることはNGです。
現代人はリノール酸は意識しなくても十分な量を摂取できていると言われています。
オメガ3の摂取比率を上げていくようにしましょう!
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プロスタグランディンまとめ
プロスタグランディンという聞き慣れない物質が、カラダの中でいろいろな機能を果たしていることがわかってきました。そのプロスタグランディンが最初に発見されたのが、1933年のことで、そこからノーベル賞受賞にまで研究されたのがわずか30数年前のことです。
つまり今から30年ちょっとまでは、どの脂肪酸がカラダに必要なのかもわからなかったということなのだろうと思います。
そして戦後50年の間に、アレルギーも含めてずいぶんといろいろな病気が出てきました。
今後は、これらの分析が加速して、現代病撲滅にまで進んでいくことが大きく期待できますね。
(By ゼウス23世)