久しぶりに朝食にトーストが食べたくなり、マーガリンを買いに行きました。
あった、あったお馴染みのネオソフト!
あれっ、これマーガリンでは無いの? ”ファットスプレッド”って書いてある・・
雪印ネオソフト「ファットスプレッド」??
トランス脂肪酸が騒がれてからマーガリンは不人気だと聞いてたけど、これって商品名を変えたのかな?デザインはそのままの様だし。
しかし、調べてみたら、ファットスプレッドって今に売られ始めた商品ではなかったのですね^^; 遡ること30年も前に、1987年には既にファットスプレッドが雪印乳業から発売されていました!(驚)
今回は、マーガリンとファットスプレッドの違いについて、ご紹介したいと思います。
この記事の目次
マーガリンとファットスプレッドの違いとは
まずその明確な答えは、消費者庁が定める「品質表示基準」に定められていました。
マーガリンとは
- 食用油脂(乳脂肪を含まないもの又は乳脂肪を主原料としない)に水等を加えて乳化した後、急冷練り合わせ又は急冷練り合わせをしないで作られた“可そ性”のもの又は“流動状のもの”
- 油脂含有率が80%以上のもの
一方、ファットスプレッドとは
- 食用油脂(乳脂肪を含まないもの又は乳脂肪を主原料としない)に水等を加えて乳化した後、急冷練り合わせ又は急冷練り合わせをしないで作られた”可そ性”のもの又は”流動状のもの”
- 油脂含有率が80%未満のもの
- 食用油脂を乳化した後、果実及び果実の加工品、チョコレート、ナッツ類のペースト等の風味原料を加えて急冷練り合わせをして作られた可そ性のものであって、風味原料の原材料に占める重量の割合が油脂含有率を下回るもの
- チョコレ-トを加えたものにあってはカカオ分が2.5%未満かつココアバタ-が2%未満のものに限る
(消費者庁 最終改正 平成23年9月版より引用)
マーガリン、ファットスプレッドの違いをまとめると
違いのポイントは以下ですね。
【1】食用油脂の含有量が違う
- 油の成分が80%以上を占めるもの・・ マーガリン
- 油の成分が80%を超えないもの・・ ファットスプレッド
【2】フレーバー香り付きがある
- ファットスプレッドには、果実やチョコレート、糖類など風味、甘味原料が入っているものもある
- ただし、その場合は「風味ファットスプレッド」「ファットスプレッド(加糖)」などの表示にすること
【3】油脂の含有率をきちんと表示すること
- ファットスプレッドにはその油脂の含有率をパーセントで表示する必要がある
以上の内容を受けて、現行の以下のような商品パッケージ表示になっている訳です。
ファットスプレッドが生まれたのはいつ?
雪印乳業のHPに記載がありました。http://www.neosoft-brand.com/story/
始めてマーガリン製品が作られたのが、雪印ネオマーガリンで1954年(昭和29年)だったんですね。そして、最初のファットスプレッド商品の発売が1987年!
ネオソフトクリームブレンド(1987年)
ファットスプレッドの登場もずいぶんと前のことだったのですね~
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ファットスプレッドは今、トランス脂肪酸の問題で急きょ仕様をかえて脂肪酸原料の比率を下げて作られた訳ではなかったのですね~(雪印さんごめんなさい!)
しかし!ファットスプレッドもマーガリン類の一種であることには違いはなく「トランス脂肪酸の問題」は、いぜん大きく残っています。
ファットスプレッド、たまにファストスプレッドって呼び名もあるの?
たまに、ファストスプレッドっていう名前を使っているサイトや雑誌もあったりして混乱を覚えた方もいるのではないでしょうか?
私ははじめて見たときに” ファストスプレッド “って書いてあって混乱しました。
ですが、どうやらこういった表現は誤記のようです。柔らかく早くパンの上で広がることから、ファーストスプレッドなんて覚え方をした人が誤って書かれていたのかもわかりません。
現時点では、”ファストスプレッド”や”ファーストスプレッド”という名の製品名はありません。米国でもすべて正しくは、「ファットスプレッド(Fat Spread)」 です。
マーガリン、ファットスプレッドの原材料の表記について
以下の取決めが消費者庁の食品表示基準にはあるようです。
【1】マーガリンは、「マーガリン」としっかりと記載すること
ただし、流動状のものにあっては、名称の次に括弧を付して「流動状」と記載すること。
【2】ファットスプレッドは、「ファットスプレッド」ときちんと記載すること
ただし、流動状のものにあっては名称の次に括弧を付して「流動状」と記載し、風味原料を加えたものにあっては「風味ファットスプレッド」と記載する。糖類又ははちみつを加えたものにあっては名称の次に括弧を付して「加糖」と記載すること。
【3】油脂含有率
ファットスプレッドの油脂含有率は、パーセントの単位でしっかりと明記すること!
以上の決まりがあるようなので、覚えておくと良いかもです。
また、原材料としての食用油脂に関しては、原材料に占める重量の割合の多いものから順に、「大豆油」「綿実油」「牛脂」「硬化油」などと、その最も一般的な名称をもって記載すること、とあります。
ただし、大豆油等の食用植物油脂にあっては「食用植物油脂」と、牛脂等の動物油脂にあっては「食用動物油脂」と、硬化油等の食用精製加工油脂にあっては「食用精製加工油脂」と記載することができる。
ということです。
なぜトランス脂肪酸を含むマーガリン、ファットスプレッドが良くないのか?
トランス脂肪酸はもともと牛や羊など反芻動物(胃と口を行ったり来たりさせながら食べる動物)の肉や乳には少量ですが含まれていたり、植物油を加熱することでも生成されるものです。
マーガリンには原材料名に”食用精製加工油脂”と書かれたものが見受けられます。これにトランス脂肪酸が多く含まれています。マーガリン以外にもショートニング、ファットスプレッド、水素添加油にも多く含まれます。食用精製加工油脂を作るときに、植物油に人工的に水素を添加し、固形化させるのですが、この処理によりトランス脂肪酸が発生してしまいます。
でも実は最も体に悪い理由というのは、水素を添加することにより油に含まれているビタミンKが水素添加されてできる「ジヒドロ型ビタミンK」という物質であることという説もあります。
よって、マーガリンやショートニングが「トランス脂肪酸」を含んでいるから悪い、という理由ではなくて、さらには「ジヒドロ型ビタミンK」を多く含んでいるからカラダに悪いのだ!ということのようです。
牛や羊の肉や乳にも「トランス脂肪酸」は含んでいますが、逆に「ジヒドロ型ビタミンK」は少量しか含んでいないため、そこまで深刻に考える必要はない、という理由であれば、納得できる気もします。
マーガリン、ファットスプレッドの違いまとめ
ファットスプレッドって聞くと、まだまだ聞き慣れていない!っていう方も多いのではないでしょうか?
私自身は、給食でもどこでも小さい頃から、まずはバターとマーガリンという違いしか認識できていませんでした(苦笑)
ファットスプレッドとマーガリンの違いは、油脂の含有率がメインであり、その含有量もまだ日本では60%や70%といった高いものが多いように思います。
アメリカやイギリスでは含有量38%、21%といった”スーパーローファットスプレッド”も多く売られています。
いずれにしろ、これらの製品の摂取については慎重に、トランス脂肪酸の一日における上限摂取量なども頭にいれて食べるようにしてください。
本当は、取らないのが一番おススメなのですが・・。
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(BY ディオニソス)