一価不飽和脂肪酸および、多価不飽和脂肪酸は、オメガ系オイルとしてよく知られています。
それらには大きく3タイプがあり、それぞれ「オメガ3」、「オメガ6」、「オメガ9」と呼ばれています。それぞれのオメガ脂肪酸がカラダの中で違う働きをし、それぞれに大切な脂肪酸。
今回はその中でも一価不飽和脂肪酸と呼ばれるオメガ9脂肪酸についてご紹介していきます。
この記事の目次
オメガ9系オイルって?
オメガ9系脂肪酸とは、不飽和脂肪酸の中で一価不飽和脂肪酸に分類される不飽和脂肪酸になります。
その代表は『オレイン酸』です。
オメガ9系脂肪酸は、体内で作り出すことができるので、必須脂肪酸とは呼ばれません。また、毎日多くを摂取する必要はさほどありません。
オメガ9系オイルには、血液中の悪玉コレステロールを少なくして動脈硬化や心臓病、また高血圧の予防にも効果があるとされています。また胃腸を整え、便秘解消にも効果が期待されます。
オメガ9とは(Wikipediaより)
ω-9脂肪酸(おめが-きゅう しぼうさん、ω-9 fatty acids、オメガ-ナイン、Omega-9)または、n-9脂肪酸(n-9 fatty acids)は、不飽和脂肪酸の分類の一つで、一般に炭素-炭素二重結合がω-9位(脂肪酸のメチル末端から9番目の結合の意味)にあるものを指す。(-引用おわり)
オメガ9は、分子構造を車両に例えると、左から9番目に空席があるような分子構造をしています。
分子構造はこんな形です。
炭素に水素がすべてくっついてない空きがある形となっている「不飽和脂肪酸」の一つで、左から9番目の炭素から不飽和な構造(二重結合)が始まっています。
オメガ3、オメガ6とは?
『オメガ3脂肪酸』は、炭素と水素の組み合わせにおいて、炭素に水素がくっついていないまだ空きがある形となっている「不飽和脂肪酸」の1つで、その不飽和な炭素構造が左から3番目から始まっているような形の脂肪酸のことを言います。
つまり、こんな形・・
『オメガ6脂肪酸』は、オメガ3と同様に、炭素に水素がすべてくっついてない空きがある形となっている「不飽和脂肪酸」の一種であり、左から6番目から不飽和な炭素構造(二重結合)が始まっている。
つまり、こんな形・・
オメガ9系の効果とは?
オメガ9脂肪酸の代表格は、『オレイン酸』です。他には、エルカ酸、エイコセン酸があります。
「オレイン酸」に期待できる効能としては
- 酸化や活性酵素を防ぐ
- 体の細胞や脳を健康にしてくれる
- 悪玉(LDL)コレステロールを減少させる
- 血液をサラサラにする
- 動脈硬化・心筋梗塞の予防
- 胃酸過多や胃潰瘍を予防する
- 便秘解消
などが挙げられます。
オリーブオイルが有名だけど・・
「オレイン酸」を主成分とする身の回りの食べ物は何といっても“オリーブオイル” です。
オリーブオイルは、その脂肪酸のうち70%以上がオレイン酸でできています。
一価不飽和脂肪酸という、不飽和な箇所が一つしかないので、脂肪酸の中でも安定していて、酸化しにくい、長期保存がしやすい。加熱が可能といった特徴があります。
オレイン酸を含む主な食べ物および食用油としては、
- オリーブオイル
- キャノーラ油
- ひまわり油
- ヘーゼルナッツ
- サフラワー油
- マカダミアナッツ
- 大豆油
- アーモンドバター
- アボカドオイル
- 米油
など、が挙げられます。
オメガ9系オイルの目標摂取量
具体的なオメガ9単体の必要摂取量は、公式には発表されていません。
ただ、オメガ3に関してはとくにオメガ6とのバランス問題が指摘されているためいろいろと情報があり、
オメガ3:オメガ6 = 1:2~4
の比率で摂るのが良いと言われています。オメガ3の一日の必要摂取量は1.5g~2.0gとされています。
また、最適な脂肪酸バランスは、このオメガ3:オメガ6比率以外にも
オメガ3:オメガ9 = 1:4~7
と言われているので・・
そこから逆算すると、オメガ9は、 8g~14g/日が推奨量となります。
また、米国サイトでは、オレイン酸の摂取量は“大人の場合、1日当たりテーブルスプーン1〜2杯のオリーブオイルが大人のために十分なオレイン酸を提供します”との情報もあるため、含有量も考えると、上記とほぼ同じであるかな、ということがわかると思います。
オメガ9オレイン酸の欠乏症の症状について
- 皮膚の湿疹、発疹
- 指のささくれ
- ふけ
- 脱毛
- 乾燥腺
- 成長が遅れる
- 乾燥肌
- ドライアイ
- 動悸・息切れ
- 流産
- 脂肪食品が欲しくなる
- 膝や関節が硬くなる、痛み
以上の症状がオメガ9、オレイン酸の欠乏によって、現れる症状と言われています。
オメガ9を含めてすべての脂肪酸はバランスが大切だと言われています。
脂肪酸は、健全な細胞をつくる基礎となり、一般的な病気や健康上の問題を予防し、克服するのに役立ちます。
オメガ9系オイル摂取の注意点はある?
一日必要な脂肪酸を一度の食事で摂るよりも、毎食の食事にて徐々にとることがより有益な効果がもたらされます。
オメガ9に副作用はありますか?
オメガ3およびオメガ6には(稀な)副作用が報告されていますが、オメガ9には何もありません。ただし、出血のリスクが高いために、血液の抗凝固剤または抗血小板剤などをご使用されている場合は摂取に注意が必要です。お医者さんに相談するようにしましょう。
オメガ9系オイルまとめ
とても健康に必要なオメガ9系オイル、オレイン酸。
その効果をしっかりと得るために、良質なオリーブオイルを選びたいのですが、日本の食品表示の決まりでは、いい加減なオリーブオイルも出回っていて問題になっています。
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良質なオリーブオイルを摂って、オメガ9効果を享受するようにしてくださいね。
(By ゼウス23世)