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必須脂肪酸の種類と覚え方、必要な2大理由とは?摂取において大切なこと

テレビやCMなどでも「必須脂肪酸」という言葉がよく聞かれるようになりました。

必須脂肪酸は、別名:不可欠脂肪酸と呼ばれたり、以前は「ビタミンF」として定義づけされたりもしていました。

名前の通り、人の身体には無くてはならない脂肪酸で、健康維持に向け大切な働きをします。

私たちのカラダにとって必要だということはわかるけど・・

といったこと、疑問に感じませんか?

今回はそんなあなたのために、脂肪酸摂取において大切なことも含めてご紹介していきたいと思います。

この記事の目次

必須脂肪酸とは?

必須脂肪酸は、動物や人間の成長、生理機能が“正常に行われるため”に必要不可欠な脂肪酸を言います。

脂肪酸には数多くの種類がありますが、「必須脂肪酸」と位置付けられるものは、動物や人間の体内では、他の有機化合物から合成できないために、口径摂取(口から食べること)を通じてカラダに取り入れなければならないものを指します。

必須脂肪酸の種類

(1)必須脂肪酸の種類

必須脂肪酸は、大きく2種類しかありません。

テレビCMでよく名前が聞かれるようになったオメガ3系脂肪酸のαリノレン酸、そしてオメガ6系脂肪酸のリノール酸の2種類のみです。

αリノレン酸もリノール酸も、不飽和脂肪酸の中の「多可不飽和脂肪酸」にあたります。

以上は厳密な必須脂肪酸の定義であって、もう少し広く捉えるならば、

α-リノレン酸から体内でも合成されるEPAやDHA、リノール酸から合成されるγ-リノレン酸やアラキドン酸も必須脂肪酸として捉えられることが多いのが現状です。

厳密には、これらの脂肪酸は、体内合成することができるので、その元となる「αリノレン酸」と「リノール酸」のみが狭義の意味では「必須脂肪酸」と位置付けられるのです。

脂肪酸の種類

主な脂肪酸名

代表的な食品例

飽和脂肪酸

 

バター、牛や豚の脂

不飽和脂肪酸

多可不飽和脂肪酸

 

オメガ3脂肪酸

α-リノレン酸

えごま油、亜麻仁油、

シソ油

EPA

さんま、マイワシ、ブリ、うなぎ、まぐろ(トロ)

DHA

さんま、まぐろ(トロ)、ハマチ(養殖)、ブリ、ニジマス、うなぎ

 

オメガ6脂肪酸

リノール酸

紅花油、ひまわり油、綿実油、大豆油

γ-リノレン酸

母乳

アラキドン酸

レバー、卵白、サザエ

一価不飽和脂肪酸

オメガ9脂肪酸

オレイン酸

オリーブ油、菜種油

(2)以前は“ビタミンF”と呼ばれていました

「必須脂肪酸」は体内では作ることができない栄養素。さらに、人体の健康維持にとってとても重要な成分だったために、他のビタミン類などと一緒に、一時期“ビタミンF”と呼ばれていたこともありました。

しかし、正確にはビタミンの定義には当てはまらないこと、またビタミン類は1日1g以下の摂取基準であるのに対し、必須脂肪酸は一日に必要な摂取基準が高いことから、現在では脂肪酸として分類され、ビタミンFと呼ばれることはほぼなくなりました。

脂肪酸の種類と特徴について

脂肪酸には種類がいくつもあります。その名称や分類は、構成する分子の中における炭素の数・二重結合の数やその位置の条件等で異なってきます

と呼ばれています。

 参考記事 
▶ 飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の違いって何?その特徴とは?

必須脂肪酸のα-リノレン酸やリノール酸は、このうちの炭素の二重結合は2つ以上あるので、「多価不飽和脂肪酸」に当たります。

牛肉や豚肉、チーズや乳製品といった飽和脂肪酸を多く含む食品のほとんどは、常温で固まる性質(個体の状態)があり、動脈硬化などの原因ともされています。

しかし、不飽和脂肪酸を多く含む食品には植物油などがほとんどで、常温で固まらず液体の状態です。生活習慣病を予防するといった特徴もあります。

α-リノレン酸は、えごま油、亜麻仁油、シソ油などの植物油。そしてリノール酸は、紅花油、ひまわり油、綿実油、大豆油といった植物油に多く含まれている脂肪酸です。

必須脂肪酸の覚え方

たくさんある脂肪酸の中で、必須脂肪酸をどう覚えたらよいのか? 調べてみたら面白いゴロ合わせが存在しました。覚えづらいという方は一度試してみてください。難しい名前をゴロ合わせで覚えるっていかにも日本人ぽい感じもしますが・・。

(1)「必死に荒木がのれんに乗る」

(2)「明日離婚は必須」

なんですって?余計わかりにくい?

これは失礼しました(苦笑)!

なぜ必須脂肪酸は必要なのか?

必須脂肪酸は私たちのカラダが健康を維持していくため欠かせない必要な成分ですが、具体的にはどのような理由からなのでしょうか?

【1】大きな理由の一つは、「細胞壁を健全に保つ」ためです

私たちのカラダは、身体の機能を正常に保つために、ちいさな細胞ひとつひとつは非常に重要な役割があります。必須脂肪酸が不足してしまうと、細胞壁の脂肪酸の組織が崩れ、細胞膜から細胞内へ物質(様々な栄養素や老廃物など)が出入りしにくくなり、身体全体の細胞がスムーズに機能できなくなってしまいます。

【2】2つ目の大きな理由は「プロスタグランディン」

もう一つの理由は、必須脂肪酸は、必要量のプロスタグランジンを体内で作り出すためです。

プロスタグランディンとは、生きていく上で重要な生体機能を調節する生体調整ホルモンの一種です。身体が傷を負ったとき、刺激を受けた時など、酵素の作用で必須脂肪酸が変化して作られます。

主な作用として、血管の拡張作用や血圧の調整、発熱や炎症、傷みなどに対する調整作用、子宮の収縮作用、アレルギー反応、その他、心臓や胃腸、腎臓などの各臓器や神経の機能に関して非常に多くの働きを持っています。この「プロスタグランディン」というホルモン成分が体内で正しく作られないと、身体のいたるところで不調が表れます。

 参考記事 
▶ プロスタグランディンの種類、機能とは?オメガ3が大切な理由!

以上が、必須脂肪酸が必須たるゆえんの2大理由となりますが、これを見ても必須脂肪酸がカラダに大切な栄養成分であることがわかります。この2つの条件を満たしていないと、動脈硬化や高血圧症、アレルギーなど様々な疾患に陥ってしまうことになります。

脂肪酸摂取において大切なこと

必須脂肪酸の研究が世界的に進んできたのはほんの近年のことです。

上記のプロスタグランディンの発見に至っては、たったの30年数前のノーベル賞受賞のことです。

その証拠として、必須脂肪酸の摂取についても、戦後日本の厚生労働省ではオメガ6系のリノール酸のみの積極的摂取が必要だとしてきました。

つまり私たちのおじいちゃん、おばあちゃん世代、また親の世代にいたっても、ある意味間違った脂肪酸指導がなされてきたということになります。

しかし近年では、脂肪酸には積極的に摂るべき脂肪酸、そして過剰になりすぎているので摂取を控えたい脂肪酸などにきちんと、分けられてきています。

さらには、その「摂取バランス」も非常に大切だとされてきています。

飽和脂肪酸:不飽和脂肪酸の摂取バランス

脂肪酸全体で見ると、飽和脂肪酸(S:Saturated fatty acid):一価不飽和脂肪酸(M:Monounsaturated fatty acid):多可不飽和脂肪酸(P:Polyun-saturated fatty acid)の摂取比率を3:4:3の割合が望ましいとされています。

この343比率のことをそれぞれの頭文字を取って“SMP比”と呼んだりもしています。

中でも、多価不飽和脂肪酸の必須脂肪酸であるα-リノレン酸などのオメガ3脂肪酸とリノール酸などのオメガ6脂肪酸の摂取比率は4:1が理想的で10:1以下の割合にならないようにとどめたいとWHO(世界保健機構)より報告もされています。

パレオ式食事の第一人者である“Chris Kresser”のサイト(https://chriskresser.com/)によると、最適なオメガ3摂取量比率は、1:1~1:2.3程度とするという意見もあります。

いずれにしても、私たち現代人の多くが、オメガ6脂肪酸の摂取率が高く、オメガ3脂肪酸の摂取が少ないというのは事実のようです。

もちろん、オメガ6もオメガ3どちらの脂肪酸も、身体に必要不可欠なものであり、悪いものではありません。ただ、摂取バランスの崩れが一つの大きな課題だと世界の研究者および研究機関より指摘されはじめていることを覚えておくようにしましょう。

必須脂肪酸の種類、覚え方まとめ

必須脂肪酸の摂取は、1日の総エネルギー摂取の3%程度が必要とされています。

2000カロリー摂取の方であれば、60カロリーは必要ということになります。

私たちの生活で普段何気なく食べているもの(外食、加工食品、コンピに食品、お菓子類など)の多くは、リノール酸(オメガ6脂肪酸)系の植物オイルでほぼ作られているので、総エネルギー量の3%を必須脂肪酸で摂取することは実は簡単です。

しかし、これが大きな落とし穴。実は必須脂肪酸の摂取バランスが一番の問題で、現代病予防のためにも改善が必要とされています。現代病以外にも、アトピー、アレルギーをはじめ、消化器系ガン、心血管系疾患、脳の病気(アルツハイマーなども)の発症リスクにつながるとされています。

意識してオメガ3脂肪酸を摂取し、まずは体内でのバランス改善を図っていく必要があります。

オメガ3を多く含む植物オイルや青魚、またクルミなどのナッツ類を上手に毎日の食生活に取り込んでいくようにしましょう!

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(By ゼウス23世)

 

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