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αリノレン酸を多く含む食品22選!その効果や γリノレン酸との違いとは?

食の欧米化が進む現代では、脂質の過剰摂取が問題とされています。また脂質(脂肪酸)の中には、積極的に摂りたい油と、悪い油があり、その摂取バランスも原因であることがわかってきています。

そして、その積極的に摂りたい油(脂肪酸)の代表格が「αリノレン酸」

α-リノレン酸は、健康面でとても重要な役割を持っており、また現代人の食生活では特に不足している脂肪酸の一つです。

今回は、

などについてご紹介していきたいと思います。

この記事の目次

α-リノレン酸と食品

α-リノレン酸を多く含む自然食材の代表は、亜麻(アマ)えごまアブラナ(キャノーラ)大豆などの種子になります。

また、これらの種子から絞った種子油にも多く含まれていて今大注目、人気の健康食品です。

また少量ですが、α-リノレン酸は広葉植物の葉からも得ることができ、ほうれんそう(120mg/100g)や春菊(75mg/100g)などの葉物野菜にもわずかながら含まれています。

加えて、あおのり(780mg/100g)、わかめ(190mg/100g)、ほしひじき(130mg/100g)など、海の食品にも多く含まれています。

それではその食品の含有量が多いもの順にランキングとしてまとめてみましょう。

α-リノレン酸が多く含まれる食品ランキング

【データ引用】文部科学省 食品データベース
 https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html

順位

食品名

可食部100gあたりmg

1

えごま油 ※

58,000

2

亜麻仁油 ※

57,000

3

えごま 乾

24,000

3

亜麻仁 炒り

24,000

5

くるみ 炒り

9,000

6

なたね油

7,500

7

調合油

6,800

8

大豆油

6,100

9

マヨネーズ 卵黄型

5,100

10

麻の実 乾

4,600

11

マヨネーズ 全卵型

4,200

12

フレンチドレッシング

3,000

13

サウザンアイランドドレッシング

2,900

14

凍り豆腐 乾

2,500

15

ポテトチップス

2,400

16

油揚げ 生

2,300

17

湯葉 乾

2,200

18

油揚げ 油抜き 焼き

2,100

19

きな粉 全粒大豆 黄大豆

2,000

19

黄大豆 乾

2,000

19

きな粉 全粒大豆 青大豆

2,000

19

きな粉 脱皮大豆 黄大豆

2,000

※ αリノレン酸の含有量については、個別の植物オイル製品によっても変わってきます。(摂る地域、土壌、季節要因など)

亜麻仁油、えごま油製品を選ぶ際には、精製オイルを避け、未精製で100%ナチュラル、αリノレン酸の含有量の表記にも気をつけて選ぶようにしましょう。

特にえごま油は、昨年も消費者センターからの依頼調査で不振な製品が発見されています

▶ 独立行政法人 国民生活センター(「見た目だけでは分からない、えごま油の品質」より)

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▶ 遮光瓶の必要性(油が酸化するのはなぜ?7つの理由とその防止法とは!)

α-リノレン酸の効果6選とは?

(参照情報)

1.メリーランド大学(米国)医療センター
http://www.umm.edu/health/medical/altmed/supplement/alphalinolenic-acid

2.厚生労働省(日本)科学技術・学術審議会資源調査分科会報告
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042631.pdf

【1】血流の改善効果

血液サラサラ効果と言えば、オメガ3脂肪酸のEPAやDHAを思い浮かべる方も多いと思いますが、同じオメガ3脂肪酸のα-リノレン酸にも、血中の中性脂肪やコレステロールを低下させ、血液をサラサラにする効果があります。血液がサラサラになると不安定になっていた体の免疫システムを正常に戻すように作用します。α-リノレン酸を摂取することで、私たちは免疫が正常に働くようになります。

【2】血栓予防効果

心臓病や脳血管疾患は動脈の内側がコレステロールや中性脂肪で塞がれてしまうことで、血液の流れが妨げられるために発症してしまいます。α-リノレン酸の血液をサラサラ効果によって、動脈内の血栓を予防・改善し、動脈硬化を予防し、心臓病や脳血管疾患を回避することができます。

【3】アレルギー性疾患の改善効果

現在、紅花油などに多く含まれる成分、リノール酸(オメガ6系脂肪酸)の過剰摂取が問題となっており、アレルギーや動脈硬化、ガン、認知症などの健康被害にもつながるとされています。

リノール酸の過剰摂取は、アラキドン酸から作られるアレルギーの素を抑える働きのあるγ-リノレン酸の生成を抑えてしまいます。α-リノレン酸を積極的に摂取することで、必要以上のアラキドン酸が生成されず炎症の素が発生しにくくなります。

具体的な効果としては、皮膚のかゆみが減り肌ツヤが良くなった、アトピー性皮膚炎が改善した、口内炎や口角炎ができなくなった、脂漏性皮膚炎が完治した、喘息発作が抑制されたなどの効果などが報告されています。

【4】脳神経系に作用する効果

α-リノレン酸は摂取後体内でEPA(イコサペンタエンサン)やDHA(ドコサヘキサエンサン)に変換されます。EPAやDHAの効果で血流が良くなり、脳にたくさんの血液を送りこみ、脳神経細胞を活性化させるため、認知症予防につながります。認知症は、脳細胞が減少、脳がうまく働かなくなる病気ですが、脳細胞の減少には、ストレスや生活習慣が関係していることが分かってきています。人間は、強いストレスを受けることによって、脳細胞が死滅し、死滅した脳細胞はもう元には戻すことができません。

α-リノレン酸は、脳細胞の死滅を防ぐ効果があり、脳細胞の減少で発症する認知症の予防につながります。

加えて、α-リノレン酸は、脳の神経伝達を担当する受容体を構成しています。昔から「魚を食べる子は頭が良くなる」と言われるように、α-リノレン酸を積極的に摂取すると子どもの学習能力や記憶力アップにも効果が期待できるそうです。

【5】老化を防止する効果

人間の細胞ひとつひとつに細胞膜と呼ばれる膜があり、個々の細胞の環境を整えたり、有害な物質が侵入するのを防いでくれています。この細胞膜の一つの構成要素がα-リノレン酸をはじめとするオメガ3脂肪酸です。α-リノレン酸が不足すると、細胞膜が正常に作られずに老化につながってしまいます。

【6】うつ病の予防効果

健康な人とうつ病を患っている人で、体内のα-リノレン酸の蓄積量を比較したところ、うつ病を患っている患者の方が、αリノレン酸の体内蓄積量が明らかに低かったという実験結果が出ており、α-リノレン酸の摂取量とうつ病の発生には、相関関係があるとみられています。

うつ病の方はもちろんのこと、妊婦さんや産後のお母さんは、α-リノレン酸を含むオメガ3脂肪酸が急激に減少する危険性がありますので、産前産後にうつ病を発症させないためにも特に意識して摂取すべき成分かと言えますね。

 幸せホルモン「セロトニン」 

また、α-リノレン酸は、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンの分泌を促すとも言われています。セロトニンが分泌されると、不安感が解消され、やる気がアップ、脳も活性化され、うつ病の予防にも効果があると言われているので、まさに良い事づくめです。

植物由来のαリノレン酸と魚由来のDHA、EPAとの関係について

α-リノレン酸は経口摂取することによって、カラダの中で、他のオメガ3系脂肪酸のEPA(イコサペンタエンサン)やDHA(ドコサヘキサエンサン)に変換されます。

オメガ3系脂肪酸は、オメガ6系脂肪酸の生理作用と競合してその生理作用を生じるものだけではなく、オメガ3系脂肪酸独自の生理作用も考えられるので、両者の比率だけでなく、オメガ3系自体の摂取基準を設定した、と厚生労働省(日本)報告書にも明記されています。

また、注目すべきは、魚摂取によるオメガ3系脂肪酸の摂取は、魚によっては水銀、ダイオキシンなどの環境汚染物質が含まれていること、加えて世界的な魚資源の不足により、将来、植物由来のαリノレン酸の摂取が重要になるとも、先述の厚生労働省報告書に記載されています。

日本人は、青魚からオメガ3系のEPA,DHAを多く摂っているから大丈夫、という意見も多くありますが、これらを踏まえると、青魚だけでなく、植物由来のオメガ3脂肪酸(αリノレン酸)自体を摂取することにも重要になりそうです。

【引用】厚生労働省 摂取基準より↓
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000042631.pdf

α-リノレン酸とγ-リノレン酸との違いとは?

α-リノレン酸と並んで、γ-リノレン酸という脂肪酸が存在して間違えそうです。

γリノレン酸と、αリノレン酸は、構成される炭素数や炭素の二重結合数などが「同じ」で組織的にも「似通っている」栄養素です。

同じリノレン酸という名前や、組織構造は似ているので混同しそうですが、その性質や健康面における必要性は全く異なっています。

不飽和脂肪酸・多可不飽和脂肪酸の種類

不飽和脂肪酸

多可不飽和脂肪酸

 

オメガ3脂肪酸

α-リノレン酸

EPA

DHA

 

オメガ6脂肪酸

リノール酸

γ-リノレン酸

アラキドン酸

まず、α-リノレン酸は、多可不飽和脂肪酸のオメガ3脂肪酸に属しますが、γ-リノレン酸は、多可不飽和脂肪酸のオメガ6脂肪酸に属しています。

α-リノレン酸の属しているオメガ3脂肪酸は、現在、健康効果が認められている脂肪酸ですが、γ-リノレン酸が属しているオメガ6脂肪酸は、過剰摂取が問題となり、アレルギー疾患や生活習慣病の原因となる成分として問題視されている脂肪酸です。

γリノレン酸が多く含まれている植物は?

γ-リノレン酸は、ハーブの一種であるボラージ草の種子からとる、「ボラージ油」や月見草の種子からとる「月見草油」に多く含まれる成分です。

など・・

オメガ6脂肪酸の過剰摂取とそのデメリットは問題となっていますが、γ-リノレン酸には、一部健康へのメリットも報告されています。

γ-リノレン酸を一定量摂取することで、プロスタグランジンE1というホルモンに似た成分が増加し、アレルギーの抑制や、女性のPMS症状、更年期障害などの緩和が期待されると言われています。

またデメリットとしては、γ-リノレン酸はアラキドン酸(皮膚炎や喘息などのアレルギーの素を作りだす物質)を作り出してしまいます。

しかし、α-リノレン酸によって、このアラキドン酸の動きを抑える働きがあります。

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γ-リノレン酸も人の身体にとっては、メリットもあり、デメリットもあります!

γ-リノレン酸は、過剰摂取が問題視されるオメガ6脂肪酸の一種であり、特別に摂取するとなると過剰となり人体に悪影響がでる可能性もあるので、その摂取量には注意が必要です。

α-リノレン酸が多い食品まとめ

α-リノレン酸には、多くの健康効果があることがお分かりいただけたのではないでしょうか?

またその重要性も見えてきました。

健康オイルと言われるオメガ3油の亜麻仁油やえごま油、その種子などをはじめとして、葉物野菜や海草類にも含まれているものなので、色々なところからも上手に摂取したい脂質ですね。

また、αリノレン酸と名前が似ているγリノレン酸は、所属で言うと、オメガ6脂肪酸の仲間。体内作用もまったく異なるものになります。

実は戦後の時代から長い間、リノール酸をはじめとするオメガ6脂肪酸の健康効果や、その摂取を、日本の国が強く推奨してきました。

その時代からすると手のひらを返したような、今のオメガ3摂取が大切、オメガ6は控えめに。という国の摂取基準ですが、まだそのこと自体を知らないという方が多いのも事実です。

現代人に不足しがちなαリノレン酸、オメガ3脂肪酸の摂取に気をつけ、健康維持に役立てたいものですね。

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(By ゼウス23世)

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