亜麻仁油にアトピー改善の効果がある⁉子供への使用は大丈夫?
亜麻仁油およびオメガ3系オイルが「アトピー性皮膚炎」に効くっていうのは本当なのでしょうか?
その秘密は、亜麻仁油の主成分のオメガ3脂肪酸にありました。
今回は
- 亜麻仁油のアトピー改善効果について
- 亜麻仁油の正しい使い方や摂取量は?
- 副作用や注意点
についてご紹介していきたいと思います。
この記事の目次
なぜ亜麻仁油にはアトピー性皮膚炎の改善効果が見込めるのでしょうか?
オメガ3脂肪酸がアトピーをはじめとする炎症治癒の効果があると、さまざまな研究で報告されています。
そして、亜麻仁油には約60%ものオメガ3脂肪酸(アルファリノレン酸)の成分が含まれています。このとても高いオメガ3脂肪酸の含有量は植物オイルではトップクラスです。
加えて、突出したオメガ3脂肪酸の割合に対し、”オメガ6脂肪酸は低い”といった特徴もあります。
そのため、アトピーはじめアレルギー疾患を引き起こす原因として問題視されている、『オメガ6の過剰摂取』とその『バランス改善』にも役立ちます。
これらの2点の理由により、アトピー性皮膚炎を改善するための植物油として、亜麻仁油が注目されています。
Point !
亜麻仁油がアトピー性皮膚炎の改善効果を発揮すると報告されている理由2点
- オメガ3脂肪酸を多く含んでいる
- オメガバランスの改善に役立つ
アトピー性皮膚炎
先進国の間で、共通してその有病率が上昇しています。過去60年間で20倍に増加しており、ヨーロッパやアメリカでは総人口の17~23%にまで影響を与えていると言われています。
何名かの研究著者の意見によると、アトピー性皮膚炎は、将来におけるアレルギー性疾患および喘息などの入口としての病気であることが指摘されていて、特に子供を含む若年層におけるアトピー性皮膚炎に対しては、軽視をすると、一生涯彼らはアレルギー疾患に悩まされ続ける結果になりかねません。
また、その大きな理由として、食品の工業化による食バランスの変化、加工品の過剰摂取と魚などの良質な油を摂らなくなった(DHA/EPAの減少)ことがあげられています。
亜麻仁油に含まれるオメガ3脂肪酸
亜麻仁油に含まれているオメガ3脂肪酸は、アルファリノレン酸ですが、アルファリノレン酸は体内に吸収されると、EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)というまた違ったオメガ3脂肪酸成分も作り出してくれます。
ですので、亜麻仁油だけで、
- アルファリノレン酸(ALA)
- エイコサペンタエン酸(EPA)
- ドコサヘキサエン酸(DHA)
という3種類の大切なオメガ3脂肪酸を一度にとることができます。
EPA/DHA は青魚を食べることでも摂取できるオメガ3脂肪酸ですが、青魚には
- ヒスチジンという痒みの原因になるアミノ酸
- 有害物質(水銀など)
などアトピーの症状悪化につながるものが含まれている可能性も否定できない状況なので、いっそう亜麻仁油などの植物オイルに注目が集まっています。
オメガバランスの改善
アトピー性皮膚炎の症状を産む原因の一つは、オメガ6系であるリノール酸の過剰摂取です。
リノール酸も必須脂肪酸の1つですが、オメガ3系とは逆の働きをすると言われています。ドライヘヤーやオイル肌には、リノール酸の不足が指摘されますし、過剰であれば、逆に乾燥肌などの問題も生まれます。つまり、私たちのカラダの細胞、皮膚組織は”バランスのとれた脂肪酸”が必要となります。
また、このオメガ脂肪酸のバランスは、炎症反応を正常化するのにもとても大切だと報告されています。
そのオメガ3とオメガ6の比率は1:2~1:4が望ましいとされていますが、現代人の私たちの食生活では、1:15以上にも偏っていることが大きく問題視されています。
代表的な亜麻仁油の脂肪酸構成比率
あるカナダ産の亜麻仁油のケースですと、
- Omega-3 アルファリノレン酸 59-61%
- Omega-6 リノール酸 10-13%
の比率となっており、オメガ3不足とバランス改善効果の両方が見込めます。
例えば、同じくオメガ脂肪酸を多く含んだオイルに「ヘンプシードオイル(麻の実オイル)」があります。
このヘンプシードオイルに含まれる脂肪酸は、私たちの皮膚細胞の状態に近いオメガ3:6=1:3のバランスになっているので、非常にバランスが良い油として人気です。
ですが、これでも”オメガ3バランスの改善には不足”なのです。
オメガバランスの改善には、”オメガ6以上にオメガ3だけを多く” 摂れる植物オイル油が必要で、そのために亜麻仁油はベストなオイルと言えると思います。
効果的な亜麻仁油の使い方や摂取量
☆ 使い方 ☆
亜麻仁油は熱や酸化によって変質しやすい繊細なオイルです。
日光の当たらない場所で保管し、開封後はできるだけ早く使い切るようにしましょう。
適度な加熱であれば問題のないブランドもありますが、熱を通さずに、生で食べるのが一番安心です。スプーン1杯をサプリメントとして直接飲む、もしくはサラダドレッシングや納豆やみそ汁に入れるなどで美味しく摂ることができます。
また、亜麻仁油は、食べるだけでなく、肌に直接塗ることもできます。
亜麻仁油を塗ることで、お肌の炎症を抑える効果にもつながります。しかしながら、その際に気をつけたいのは、油焼けが起きないように、塗った部分を日光に当てないことです。油焼けで逆効果になる可能性があります。
シャンプー前に頭皮マッサージとして直接塗ったりすると髪や頭皮の地肌にも効果が期待できます。
☆ 摂取量 ☆
糖尿病、心臓病患者さんには、一日の標準摂取量よりもかなり多いオメガ3脂肪酸(アルファリノレン酸)の摂取がすすめられている病院も米国には多くあります。
日本の厚生労働省による、アルファリノレン酸の必要摂取慮は一日1.5g~2.0g!
オメガ3含有が60%の亜麻仁油で、小さじ1杯弱を目途に毎日摂れば良いでしょう。ただし、それ以上に、オメガ6系の油の摂取に気をつけてください。
小さなお子様に亜麻仁油を使用するときの注意点
【1】まだ母乳を飲んでいる乳児には
お母さんが亜麻仁油を摂ってあげましょう。
母乳に亜麻仁油の成分が反映されて、赤ちゃんにもその効果を得ることができます。
【2】離乳食をはじめたばかりの赤ちゃんには
直接肌に塗って使用します。
離乳食に亜麻仁油を直接まぜるのは避けるようにします。亜麻仁油は肌から浸透させても良い効果が得られると言われています。
患部や赤くなっているお肌に直接ではなく、赤ちゃんの手首に少し塗ってあげるようにします。
また大人の同様に、塗った箇所が直接日光にあたらないように気をつけましょう。
【3】亜麻仁油を生で直接与えていいのは何歳から?
何歳から亜麻仁油を大人と同じように与えても大丈夫なのか?については、さまざまな諸説があり、まだ一概には言えないようです。
2歳から大丈夫という先生や、10歳からでないとダメだというお医者さんもいるようです。子供の内臓の発育も時間がかかりますし、子供の発育状況もさまざまです。
安易に考えず、かかりつけの小児科の先生に相談するようにしましょう。
オメガ3によるアトピー改善効果はペットにまで!
イヌやネコのアトピーおよび皮膚炎の改善に、亜麻仁油を使った実験も海外ではされています。
ペットフードに含まれる大量のリノール酸が、ペットのアトピーにまで影響を及ぼしていて、リノール酸を減らしたペットフードの開発や、犬アトピー改善のオメガ3サプリメントなども販売されているようです。
オメガ3不足は、私たち人間だけでなく今に生きるペット達も同じなのですね・・
海外事例 参照記事
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1189391/
http://www.peteducation.com/article.cfm?c=1+1400&aid=665
http://www.expertomega3.com/benefits-skin
http://www.cliniciansbrief.com/sites/default/files/attachments/Top%205_Therapeutic%20Uses%20of%20Omega-3%20Fatty%20Acids.pdf
亜麻仁油アトピー改善効果まとめ
亜麻仁油のアトピー改善の効果についてご紹介しました。
この60年で20倍にまで膨れ上がったアトピー性皮膚炎は、心臓病や肥満、糖尿病以上の現代病と言えるかもわかりません。
早急に問題が改善されていくように、今回ご紹介した脂肪酸ふくめた栄養学のの研究がすすんでいくことを強く願います。
ただ、アトピー性皮膚炎をはじめとするアレルギー症状は、ただ食事における脂肪酸問題の改善だけで緩和できるものではありません。
- ダニやホコリなどハウスダスト
- 汗・汚れなどによる刺激
- 化粧品などの化学薬品に対するアレルギー
- かく、こするなどの物理的な刺激
など、他にもアトピー、アレルギー、皮膚炎症を引き起こす可能性があるものがあります。これらにも気をつけていきましょう。
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( By ゼウス23世)